ヤマト運輸が小型EVトラックを来年1月に導入!ベースはドイツ車。
ヤマト運輸は、宅配に特化した小型商用EVトラックを2020年1月から首都圏において順次500台を導入すると発表した。このEVは、ドイツの輸送会社「DHL」で採用されている車両「WORK Box」をベースとして開発された。
ヤマト運輸の小型商用EVトラックはどんな車両?
ヤマト運輸が今回導入する小型商用EVトラックは、ドイツポストDHLグループ傘下の自動車メーカー「ストリートスクーター」の小型EVトラック「WORK Box」をベースとして共同開発した車両。WORK Boxは、ドイツの輸送会社「DHL」で採用されている。
ヤマト運輸仕様は、全長4700×全幅1830×全高2250mm。これまでの集配車よりもコンパクトなボディで、住宅街などの配送で小回りが利くという利点がある。
フル充電をすれば約100kmの走行が可能なので、近距離の小口輸送なら十分だろう。また、EVであるためCO2排出量や走行時の騒音などの環境負荷も低減される。ヤマト運輸によると、この小型EVトラックは初期導入の500台を2020年1月から首都圏(東京、神奈川、千葉、埼玉)で順次稼働していく予定だ。
【車両スペック】
全長:4700mm
全幅:1830mm
全高:2250mm
車両総重量:2850kg
最大積載量:600kg
ドライバーの負担を軽減する仕様
ヤマト運輸によると、今回の共同開発にあたり、実際に集配を行うドライバーの負担を軽減するべく設計したという。その特徴は以下の通り。
乗降しやすく、体への負担を軽減した運転席シート
ヤマト運輸のドライバーは業務中、1日平均200回も運転席から乗降する。その負担を軽減するため、シート高を普通乗用車ほどの高さに変更。ドア側のシート側面をフラットにすることで乗降性を向上。さらに、冬季などに素早く温感を得ることができるようにシートヒーターを標準装備。
キーを操作せずに運転席、荷室の施錠開錠ができるキーレスエントリー
キーを身に着けたドライバーの車両への近接、離脱をセンサーが感知して、自動で運転席や荷室が施錠、解錠するキーレスエントリーを搭載。荷物の積み降ろし作業を効率化。
地上高90cmの荷室床面で荷物の積み下ろしの負担を軽減
荷室床面を地上高90cmにすることで、荷物の積み下ろしによる足腰への負担を軽減。
車両の死角を360°解消するマルチビューモニターの装備
車両を真上から見下ろした映像が映し出される「バードビュー」に加えて、走行中シフトレバーがD(ドライブ)レンジにあるときは車両前方下部が、R(リバース)レンジにあるときは車両後方下部が、さらに方向指示器を左右に操作したときにはそれぞれ左右のドアミラーの死角となる側面下部がモニターに映し出されるマルチビューモニターを装備。運転時の負担を軽減。
また、この小型商用EVトラックは普通自動車免許で運転可能。取り回しはミニバンのようなコンパクトさであるという。そのため、中型免許を持たない人や運送の業務経験がない人でもドライバーとして働くことができるようになるというメリットもある。近年問題となっている、輸送業界の人手不足の解消にも一役買いそうだ。
ヤマト運輸は今後も、EVを含む次世代モビリティの開発・導入を積極的に進め、同社が保有する小型集配車両の半数となる約5000台の導入を、2030年までに実現するという。