【JNCAP2019】前期速報、予防安全5車種・衝突安全4車種を発表
国土交通省と独立行政法人自動車事故対策機構が10月23日、JNCAP(自動車アセスメント)の2019年度(令和元年度)前期の予防と衝突の両安全性能の評価結果を発表した。評価試験を受けたのは予防安全が5車種、衝突安全が4車種だ。まずは速報をお伝えする。
JNCAPは、ユーザーにはより安全なクルマの購入を、メーカーにはより安全性能の高いクルマの開発を促すことを目的に、厳正な試験を持ってクルマの予防と衝突の両安全性能の評価を実施している。予防安全性能とは、衝突被害軽減ブレーキのように事故を未然に防ぐための機能のこと。一方の衝突安全性能とは、衝突事故に至った際に、どれだけ乗員と衝突された歩行者を保護できるかの機能のことだ。
2019年度からは予防安全に新試験が追加されて合計141点満点に
2019年度の予防安全性能評価試験は、前年度に追加された「夜間における歩行者に対する被害軽減ブレーキ」に、より厳しい条件が追加された。前年度の「街灯あり」に加え、「街灯なし」(15点満点)も実施されるようになったのだ。その結果、評価試験の合計得点は126点満点から141点満点となった。これは、夜間の歩行者の死亡事故者数が割合として多いことから、それを防ぐための狙いがある(2018年の夜間における交通事故死者1667人のうち、歩行者は849人と全体の51.0%を占める)。全試験項目は以下の通りだ。
●衝突被害軽減ブレーキ
・対車両(全32点)
・対歩行者(全80点:昼間全25点/夜間街灯あり全40点/夜間街灯なし全15点)
●車線逸脱抑制(全16点)
●後方視界情報(全6点)
●高機能前照灯(全5点)
●踏み間違い加速抑制(全2点)
合計141点満点
予防安全性能評価試験を受けたのは全5車種
メーカー・ブランド別に2019年前期の試験を受けた全5車種を掲載。また141点満点の試験で合計で46点を超えると、ASV(先進安全自動車)として優秀であるとして「ASV++(ダブルプラス)」が、86点を超えると「ASV+++(トリプルプラス)」の評価が与えられる。さらに満点の車種に関しては、2020年5月末頃に発表予定の2019年度後期JNCAPの発表において、「予防安全性能評価大賞」も贈られる。なお、141点満点を感覚的にわかりやすくするため、カッコ内に100点満点に換算した点数も併記した。
【スバル】
●フォレスター:131.4点(93.2点) ASV+++
【ダイハツ】
●タント/タント カスタム ※1:72.0点(51.1点) ASV++
【レクサス】
●ES:140.2点(99.4点) ASV+++
●NX:141点(100点) ASV+++
●UX:141点(100点) ASV+++
衝突安全性能評価試験を受けた車種は4車種
衝突安全性能評価試験は、大別して乗員保護性能評価、歩行者保護性能評価、シートベルトの着用警報装置の3種類が行われる。乗員59点満点、歩行者37点満点、シートベルト4点の合計100点満点だ。この中でも乗員保護性能評価試験は特に過酷な試験で、実際にクルマをバリアに衝突させるというクラッシュテストが実施される。試験内容や得点の算出方法などの変更は2018年度から変更はない。
2019年度前期に衝突安全性能評価試験を受けたのは全4車種。合計得点100点満点中82点を超えたクルマは、最高評価のファイブスター賞(★★★★★)の評価が与えられる。72.5点以上82.0点未満は★★★★だ。
【ダイハツ】
●タント/タント カスタム ※1:80.2点 ★★★★
【ホンダ】
●インサイト:87.5点 ★★★★★(ファイブスター賞)
【レクサス】
●NX:85.9点 ★★★★★(ファイブスター賞)
●UX:87.3点 ★★★★★(ファイブスター賞)