ジャパンEVフェスティバル 2019、11月3日に筑波サーキットで開催
一般社団法人 日本EVクラブが主催する「ジャパンEVフェスティバル」は、「CO2ゼロ&アクセル全開!」を合い言葉に、サーキットでEVを仲間と共に楽しむ祭典。1995年に第1回が開催され、節目の25回目となる今回は11月3日(日・祝)に、例年通りに筑波サーキット・コース1000にて開催だ。EVによるレース等の競技や、オリジナルEVの展示、自動車メーカーの試乗会など、EVをたっぷりと堪能できるイベントとなっている。
ジャパンEVフェスティバルは、EVで参加できる各種の競技に加え、メーカー製の市販EVのオーナーが参加できるタイムアタック、オリジナルEVの展示会、自動運転競技車タイムアタック、CO2排出量診断コンテスト、そして最新市販EVの試乗会など、さまざまなコンテンツが用意されている。
入場には有料入場パスが必要で、日本EVクラブ会員は2000円、非会員も2000円(ただし、試乗会に参加する場合は損害保険料ひとり500円が必要)、中学生1000円、小学生以下は保護者同伴に限り入場無料だ。駐車場は無料。
今回掲載した画像は、すべて前回のジャパンEVフェスティバル2018にて撮影したものだ。
伝統の一戦、コンバートEVによる1時間耐久を見逃すな。カートは伝説の最速ERKも復活参戦予定。
レース系の競技は2種類が用意されており、ひとつがガソリン車をEVに改造した”コンバートEV”による1時間ディスタンスチャレンジ(1時間耐久)。1時間の間に何周できるかが勝負だ。クラスはバッテリーの種類で分かれ、鉛電池クラスとリチウムイオン電池クラスがある。電池交換と充電はなしというルールの下、1チーム人数無制限のドライバーが参加可能だ。「地球温暖化クイズ」の結果を反映するという、単にコンバートEVの性能やドライビングテクニックだけでは勝てない点もポイント。
もうひとつは、手作りEVレーシングカート「ERK」による30分ディスタンスチャレンジ。こちらはバッテリーの種類と出力などで3種類に分けられており、鉛電池搭載のERK-1(電圧48V以下、DCブラシモーター)およびERK-2(電圧72V以下、モーター自由)、そしてリチウムイオン電池クラスがある。ドライバーの人数も無制限なら、バッテリー交換も無制限。
リチウムイオン電池クラスは、最高出力が3kW(4.1馬力)から18kW(24.5馬力)あり、ガソリンエンジンカートよりも出力が高いものも含まれ、迫力がある。ちなみに今回は、元F1ドライバーの片山右京氏が筑波サーキット・コース2000(メインコース)を1分4秒で駆け抜けた最速ERKも復活参加の予定だ。
メーカー製EVで誰でも参加できるオーナーズ・タイムアタックも面白い。
タイムアタック競技系の定番は、メーカー製EVのオーナーなら誰でも参加可能な「メーカー製EVオーナーズ・タイムアタック」。コースを3周して、どれだけ基準タイムの1分に近いタイムでコースを1周できるかというルールだ。速すぎて1分をコンマ1秒でも切ってしまうと失格という、ドライバーの計時感覚のみが頼りのタイムアタックである。昨年は”奇跡のタイム”といわれた、1分00秒177で76号車が優勝。今年はこれを上回れるタイムが出るかどうかも見所となっている。
そしてもうひとつが、今回で3回目の実施となる、自動運転競技車によるタイムアタック。今年は3台が参加する予定で、そのうちの2台はERKがベースで、もう1台はシニアカーがベース。昨年は、準天頂衛星みちびきを利用した高精度GPSを搭載したプロジェクトMの81号車「MM1号 2018」がコース1000を1周することに成功(コースは、コーナーが連続するインフィールドセクションを除いた外周のみを使用した)。今年は、さらなるタイムの短縮が期待される。
EVは走るだけのクルマじゃない! さまざまな可能性を提示する「何でもEV展示」
EVを大容量バッテリーと見立てて、災害による停電時に自宅に電力を供給するV2H(ヴィークル・トゥ・ホーム)や、送電網に電力を供給するV2G(ヴィークル・トゥ・グリッド)という利用方法がある。そうした、純粋にクルマとして利用する以外のEVの可能性にチャレンジする人やチームを応援するのが、「何でもEV展示」だ。ジャパンEVフェスティバル常連の栃木県立鹿沼高校物理部は、今回も出展。高校生が今年はどんなEVを披露してくれるのか期待だ。
さらに、全日本学生フォーミュラ大会に出場した、トヨタ東京自動車大学校および神奈川大学の学生フォーミュラEVも出場し、デモランが行われる。さらに、レストアが完了した日本EVクラブの2人乗りEVフォーミュラ「EV SIDE by SIDE」も走行予定だ。
EV・プラグインHV車サーキット試乗会&「環境EXPO」
そして毎回長蛇の列ができ、あっという間に枠が埋まってしまうEV・プラグインHV車サーキット試乗会。今回は、5社8車種が用意される(ラインナップは以下の通り)。また試乗会には。石井昌道氏、片岡英昭氏、斎藤聡氏、津々見友彦氏、まるも亜希子氏、諸星陽一氏らジャーナリストも参加の予定で、車の詳しい話を聞かせてもらえる。さらに試乗会と併せて、各社のEV最新情報と環境対応技術をテーマにした「環境EXPO」も開かれる。
【試乗車】
●トヨタ:プリウスPHV
●日産:リーフe+、リーフAUTECH
●フォルクスワーゲン:e-ゴルフ プレミアム、ゴルフ GTE、パサート GTE ヴァリアント アドバンス
●ホンダ:クラリティ PHEV
●三菱:アウトランダーPHEV
25年前、EVにクルマの未来を見た人達が、ジャーナリストの舘内端氏とともに、まずはEVを楽しもうよ!と始めた「ジャパンEVフェスティバル」。最初の頃は “隗より始めよ” が合い言葉の、まさに手作りイベントだった。クルマも、当時はエンジン車をEVに改造した、いわゆるコンバートEVが中心。それが、四半世紀を経た今では、市販EVも増え、恒例の人気イベントとなった。欧州メーカーを中心に、EV化が一気に進みそうな中、今年のフェスティバルはさらに盛り上がりそうだ。
開催日の11月3日は日曜日だが、文化の日で祝日なので翌日も振替休日で休み。サーキットはちょっと遠いと思っている人も、翌日が休みなら遠出しやすいはず。レースを見て試乗会に参加して、EVを堪能する1日を過ごしてみてはいかがだろうか。