15年ぶり!京成電鉄が新型車両「3100系」を2019年秋に導入!
京成電鉄株式会社(千葉県市川市)は4月11日、成田スカイアクセス線に新型車両3100形を今秋に導入すると発表した。その新型車両に、折り畳んでスーツケース置き場にできる座席があるという。3100形とはどんな車両なのだろうか?
3100形はどんな車両?
「3100形」は、京成電鉄が15年ぶりに投入する新型車両。京成グループの標準車両として、新京成電鉄と共同で設計された。京成高砂駅と成田空港駅を結ぶ「成田スカイアクセス線」にて今秋の営業開始を目指し、8両2編成の計16両が導入予定である。
京成電鉄によると3100形は、現在326車両が活躍する京成電鉄の通勤型車両「3000形」をベースに設計。最新のモーター電流制御装置「SiC-VVVF」(※)を搭載し、3000形に比べて15%の省電力化を達成するそうだ。
外観には、成田スカイアクセスのラインカラーであるオレンジを基調としたデザインが施され、成田山新勝寺、浅草雷門とスカイツリー、富士山の遠景など、沿線の名所や飛行機のイラストが描かれる。このデザインは、京成本線との誤乗車を防ぐための施策だという。
スーツケース置き場にできる折り畳み式の座席
同車両の特徴は、座席の一部を折り畳み式とし、スーツケース置場としても利用できること。上イメージ画像を見ての通り、ロングシート真ん中の座席が跳ね上がるようになっている。スーツケース置き場は、1両に4箇所(先頭車は3箇所)設置される予定だ。
スーツケース置き場を利用した状況では、座席数が減少するが、同線は成田空港の利用者が多い。スーツケースを持ち込む旅行客が多数乗車した際に、通路や乗降扉付近の混雑を緩和する狙いがあるのだろう。
また、全ての中間車両にフリースペースと車いすスペースを設置。先頭車両にも、従来の車両と同様の車いすスペースを設置する。こちらは、2020年4月から適応となる「バリアフリー整備ガイドライン」に沿った対応であるが、車いすやベビーカーが乗車していない場合、スーツケースを持った旅行客にも使いやすい空間となりそうだ。
インバウンド需要に対応する設備
さらに同車両は、無料のWi-Fiサービスを提供するほか、車内セキュリティー向上を目的として、1両につき3台の防犯カメラを設置。17インチLCD(液晶)車内案内表示器を各乗降扉上に2画面ずつ設置するなど、車内環境の改善を図るという。2画面の車内案内表示器は、停車駅や乗り換え案内などの表示の多言語化に役立つだろう。
2020年の東京オリンピックに向けてインバウンド需要が高まっている。世界各国の航空機が着陸する成田空港へのアクセスを担う路線だけあって、さまざまな機能を持った車両となるようだ。