動画で”聞く”、お台場にしみ入る「リーフ NISMO RC」の静けさ【モータースポーツジャパン2019】
首都圏最大級のモータースポーツ系イベントである「モータースポーツジャパン2019 フェスティバル・イン・お台場」。4月6日(土)・7日(日)にお台場で開催され、日産が走らせた1台が、2代目「リーフ」をベースにした「リーフ NISMO RC」。純然たるEVレーシングカーのその静けさを動画でお見せする。
モータースポーツの魅力のひとつが、大迫力のエキゾースト・ノート。しかし時代も変わり、”EVのF1″といわれる「フォーミュラE」のように、エンジンの爆音が轟かないメジャーな国際レースも開催されるようになってきた。
国内では、今のところメジャーなEVレースは開催されていないが、将来的には既存のレースの中にEVクラスが設定されたり、さらにはEVオンリーのレースも開催されたりするようになるかもしれない。そんな想像が膨らんでしまうのが、日産「リーフ NISMO RC」だ。
日産は2011年からEVレーシングカーを開発してきた
そうした中、日産は初代「リーフ」の頃から、モータースポーツ部門NISMOが持てるレーシングテクノロジーを注ぎ込んだレーシングカーを開発してきた。そして2018年12月に発表したのが、現行「リーフ」をベースとした2代目「リーフ NISMO RC」だ(※1)。2018年12月にフジスピードウェイで開催されたNISMOフェスティバルに続き、その2代目がデモ走行を行った。
将来のモータースポーツではインバーター音を堪能する!?
初代のときから開発ドライバーを担当しているのが、スーパーGTなどで日産のエースとして活躍している松田次生選手。今回のデモランも自らステアリングを握って、2代目「リーフ NISMO RC」のその静かな走りを披露した。
松田選手はデモ走行エリアを一回りした後に一度降りて、ステージに登壇。MC担当のモータースポーツ系フリーアナウンサーのピエール北川氏と共に、「リーフ NISMO RC」の特徴や将来のモータースポーツについて語った。
その中で、松田選手は「インバーター音に注目してください」とコメント。インバーターとは、モーターの回転数の制御に使用されている電源回路のこと。動画で「リーフ NISMO RC」が走行時に発生させている高い音が、そのインバーターの音である。さらに松田選手は、「将来は”ドレミファ・インバーター”(※1)のようなEVレーシングカーも出てくるかもしれませんね(笑)」など、鉄道マニアぶりも披露した。
そのインバーター音と、タイヤが小石などを拾う音がよく聞こえるほど静かな「リーフ NISMO RC」の走りを動画でご覧いただきたい。
EVレーシングカーは、静かすぎて物足りないと感じてしまう人もいるかと思う。しかしフォーミュラEはその静かさをプラスにとらえ、通常は開催しにくい大都市の公道を閉鎖して特設したシティサーキットで全戦を開催している。
日本の場合、サーキットまで足を運ぶとなると、どうしても大都市圏からは距離があるため、軽い気持ちでは出かけにくい。しかし、レースが逆に各地の主要都市にやってきてくれたら、もっと気軽に見られることだろう。EVレーシングカーによる、1年かけて日本の主要都市を回るようなレースが開催できたらおもしろい。いろいろな可能性を思わずにはいられない「リーフ NISMO RC」の静けさであった。