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最終更新日:2019.03.21 公開日:2019.03.21

S30か? それともZ31か?「フェアレディ」シリーズ初期のモデル、好きなのはどれ?【クルマ好き4択・アンケート結果】

メイトパークの公式Twitterで実施中の「クルマ好き4択・アンケート」。今回は、日産のスポーツカー「フェアレディ/フェアレディZ」シリーズを題材に、どれが好きかをアンケートしました。はたしてその結果は?

 今回取り上げたのは、長い歴史を有し、現行モデルとして今も人気を誇る日産のスポーツカー「ダットサンフェアレディ/フェアレディZ」シリーズ。サブネーム”Z”がつく前の「ダットサンフェアレディ」(初代+2代目)をひとつにまとめ、”Z”がついて以降の初代S30型、2代目S130型、3代目Z31型を対象に、どれが好きかを尋ねました。出題者の予想はS30型ですが、みなさんはどれを選びましたか? 結果は、以下の通りになりました!

 今回は33票の投票をいただきまして、1位はS30型! 初代「フェアレディZ」は旧車の中でも指折りの人気を誇る車種で、ここでもそれが証明された形となりました。

1位は、ラリーで活躍した「240Z」などを含む初代S30型「フェアレディZ」!(得票45%)

PS30型「フェアレディZ432」1971年式。全長4115×全幅1630×全高1290mm、ホイールベース2305mm、トレッド前1355/後1345mm、車重1040kg。搭載エンジン「S20型」については本文参照。最高速度・時速210km、0→400m加速15.8秒。サスペンション前後共独立懸架式ストラット。ブレーキ前・油圧ディスク/後・油圧ドラム・リーディングトレーリング。タイヤ前後共に6.95H-14 4プライ。そのほか「Z432」はLSDを装備し、ホイールもマグネシウム製だった。車両価格185万円(ベーシック・グレードの約2倍)。MEGA WEBにて撮影。

 1969年12月に登場した初代S30型「フェアレディZ」は、日本国内の約8万台を含めて全世界で約52万台を販売。単一型式のスポーツカーとしての大記録を保持しています。楠みちはる原作の「湾岸ミッドナイト」で走り屋の主人公の愛車として描かれていたことなども手伝い、今もって絶大な人気のあるスポーツカーです。誕生して50年も経つことから、さすがに保存状態のいい個体が少なくなってきており、旧車市場では車両価格がとても高騰しています。

 上写真の「フェアレディZ432」は、初代S30型の最上位グレード。下位の2グレードは日産製の排気量1998cc・直列6気筒SOHCエンジン「L20型」を搭載していますが、日産に吸収される前のプリンスで「スカイラインGT-R」用に開発された「S20型」エンジンを搭載したのが「Z432」でした。S20型は排気量1989ccの直列6気筒で、4バルブ・3連キャブレター・DOHCが特徴。そこから「Z432」の名がつけられたのです(DOHCはダブル・オーバー・ヘッド・カムシャフトの略)。L20型と比較して最高出力は30ps増の160ps/7000rpm、最大トルクは1.0kg-m増の18.0kg-m/5600rpmというスペックを誇ります。

 S30型は発売当初、排気量2000ccのL20型とS20型を搭載するグレードだけでしたが、1970年に北米輸出モデルの排気量2393cc・直列6気筒SOHCエンジン「L24型」を搭載した「240Z」が登場。日本でも要望が強かったことから、1971年11月に追加されました。「240Z」については別記事『今もって人気の初代S30系ラリーでも大活躍した「フェアレディ240Z」!』で紹介しています。今回の投票では順調に票を伸ばし、半数近い45%を獲得して1位となりました。

第2位は、生産台数のシリーズ累計が100万台を突破した1983年登場の3代目Z31型「フェアレディZ」!(得票28%)

Z31型「フェアレディZ 300ZX」1985年式。全長4335×全幅1725×全高1295mm、ホイールベース2320mm、トレッド前1415/後1435mm。車重1325(MT車)/1330kg(AT車)。搭載エンジン「VG30ET型」については本文参照。サスペンション前・独立懸架式ストラット/後・独立懸架式セミトレーリングアーム。ブレーキ前ベンチレーテッド・ディスク/後ろソリッドディスク。タイヤ前後共に215/60R-15。JCCA ニュー・イヤー・ミーティング ファイナル(2019)のZ.Z-Racingブースにて撮影。

 1983年に、「フェアレディ」と「フェアレディZ」のシリーズ合算で、世界累計での生産台数が100万台を突破。そして同年9月に「フェアレディZ」のフルモデルチェンジが行われ、3代目Z31型が登場しました。ロングノーズとショートデッキというS30型から続く「Z」らしい伝統のスタイリングを踏襲しつつも、リトラクタブル式ヘッドランプを採用してフロントのイメージを刷新。また、全体的に2代目S130型以上に直線的なエクステリアとなりました。

 エンジンに関しては、当時はターボ全盛だったことから、新設計のV型6気筒ターボ「VG型」シリーズが投入されました。ベーシック・グレードの「200Z」用は、排気量1998ccのSOHCターボエンジン「VG20ET型」(最高出力170ps/6000rpm、最大トルク22.0kg-m/4000rpm)。2シーター「ZR-1」用が、排気量1998ccの直列6気筒・4バルブ・DOHCターボエンジン「RB20DET型」でした(最高出力は180ps/6400rpm、最大トルクは23.0kg-m/3600rpm)。

 そして最上位モデルの「300ZX」(上写真)に搭載されたのが、排気量2960ccのV型6気筒SOHCターボエンジン「VG30ET型」。こちらは最高出力が230ps/5200rpm、最大トルクが34.0kg-m/3600rpmで、当時の国産スポーツカー用エンジンの中でも頭ひとつ抜けた性能でした。こうして「フェアレディZ」はスポーツカーとして高性能化していったのです。投票では、28%を獲得して堂々たる2位となりました。

第3位は、日本初のスポーツカーの系譜で、”Z”がつく前の「フェアレディ」(得票15%)

初代SPL212型「フェアレデー」1960年式。当初、「フェアレディ」は「フェアレデー」と表記された。全長4025×全幅1475×全高1380mm、ホイールベース2220mm、トレッド前1186/後1177mm。「E型」エンジンについては本文参照。サスペンション前・独立懸架式パラレルトーションバー/後・リジットアクスル リーフスプリング。ブレーキ前後共にドラム。タイヤ前後共5.20-14 4プライ。「トヨタ博物館 クラシックカー・フェスティバル in 神宮外苑 2017」にて撮影。

 日本初のスポーツカーといわれているのが、日産DC-3型「ダットサンスポーツ」(1952年)です。1959年に登場したその2代目S211型は北米に輸出されることとなり、同地の道路事情を考慮して高速走行性能をアップさせるべく大幅な改造が施されました。ボディをFRP製から鋼板製に、フロントサスペンションをリーフリジットからトーションバーを採用した独立懸架式に変更し、バンパーにも安全性を高めるためのオーバーライダーが追加されたのです。

 エンジンは、S211型の直列4気筒OHV方式の「C型」の排気量を201cc増加させて1189ccとし、最高出力・最大トルク共にアップさせた「E型」に換装。最高出力48ps/4800rpm、最大トルク8.4kg-m/2400rpm、最高速度はS211型の時速115kmから大幅アップの時速132kmとなりました。輸出仕様のSPL212型は1960年1月に誕生し、”多くの人に愛されるように”という願いを込めて、当時ブロードウェイで人気を博していたミュージカル「Oh my fairlady」にちなんだ「フェアレディ」と命名されたのです。

 「フェアレディ」はこの後、1960年10月に、最高出力が60ps/5000rpmに、最大トルクも9.3kg-m/3600rpmにアップした改良型E型エンジンを搭載したSPL213型にマイナーチェンジ(サイズは全高のみ1365mmと低くなりました)。そして1962年に2代目のSP310型「フェアレディ1500」にフルモデルチェンジ。1965年のマイナーチェンジを経て、1967年に排気量1982ccのエンジンを搭載したSR311型「フェアレディ2000」を追加。そして1969年12月に、大きくスタイリングをモダナイズさせ、サブネーム”Z”を末尾につけた初代S30型「フェアレディZ」へとつながっていくのです。

 今回は2代にわたった「フェアレディ」をまとめて扱いました。得票は15%で3位でした。

4位は、大門団長の「スーパーZ」のベース車両となった1978年登場の2代目S130型「フェアレディZ」(得票12%)

2代目S130型「フェアレディZ-Tバールーフ ターボ」。全長4620×全幅1690×全高1305mm、ホイールベース2520mm、トレッド前1395/後1390mm、車重1270kg。排気量1998cc・直列6気筒SOHCターボエンジン「L20ET型」、最高出力145ps/5600rpm、最大トルク21.0kg-m/3200rpm。サスペンション前ストラット/後セミトレーリングアーム。ブレーキ前ベンチレーテッド・ディスク/後ディスク。「トヨタ博物館 クラシックカー・フェスティバル in 神宮外苑 2017」にて撮影。

 1969年12月に登場した初代S30型「フェアレディZ」は、1978年8月に2代目S130型にフルモデルチェンジしました。スタイリングは初代を踏襲しており、”ビッグマイナーチェンジ”といっても通じてしまいそうなほど。ただし、実際にはロング&ワイド化が行われ、車重も増加しました。

 1970年代後半といえば、国内で排気ガス規制がそれまでと比較して急激に厳しくなった時期。中でも、昭和53(1978)年排気ガス規制は当時、世界で最も厳しい規制といわれ、多くのスポーツカーのエンジンが適合できずに消えていきました。その中には、同じ日産のS20型エンジン搭載の2代目「スカイラインGT-R」などがあります。そうした中、日産は初代S30型のエンジンとしてお馴染みのL20型エンジンや、その拡大版「L28型」に対し、燃料マネジメントシステムとして「日産EGI」を採用して「L20E」型や「L28E型」を開発。また排気ガス中のCO、HC、NOxを低減させるために三元触媒を装着して昭和53年排気ガス規制に適合したのです。それと、2代目で特筆すべきは、ターボ搭載モデルが登場したことでしょう。ターボ搭載モデルのエンジンの型式には「L20ET」や「L28ET」という具合に末尾にTがつきます。

 S130型は、TVドラマ「西部警察」で、渡哲也扮する大門団長の専用パトカー「スーパーZ」のベース車両となったことで知られています。S130型について詳しくは、別記事『待望のターボ化!2代目S130系「フェアレディZ-Tバールーフ ターボ」』もご覧下さい。上写真の「Tバールーフ ターボ」の写真を多数掲載し、詳細をまとめました。今回の投票では、残念ながらあまり票を伸ばせず、12%で4位となりました。


 今回は「フェアレディ」と「フェアレディZ」の初代S30型・2代目S130型・3代目Z31型を対象にしたアンケートでしたが、改めて初代S30型の人気がうかがえました。理由として考えられるのは、S30型は世代を超えて多くの方に愛されているだろうということ。これまでのアンケートでわかってきたことは、世代を超えてより多くの人から票を集めたクルマが1位を取っているようです。そのクルマと共に時間を過ごしてきた世代の方だけでなく、その上下の世代の人たちにも響くようなクルマこそが、より多くの票を集めているのでしょう。近い時期に、そうした幅広い世代から支持を集めているクルマ4車種を厳選して、アンケートしてみたいと考えています。

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