門司港駅が創建当時の姿によみがえる!3月10日にグランドオープン。
鉄道駅舎として初めて国の重要文化財に指定された「門司港駅」。2012年から保存修理工事が始まり、老朽化への対応や耐震補強などが行われてきた。今年、ついにその工事が終わり、3月10日にグランドオープンを迎えた。復元した門司港駅の全貌を見てみよう。
門司港駅とは
そもそも門司港駅とは、福岡県北九州市にあるJR九州鹿児島本線の駅。1914年1月に創建され、今でも現役の駅舎は「ネオ・ルネッサンス様式」と呼ばれる左右対称の外観デザインが特徴である。1988年には鉄道駅舎として初めて国の重要文化財に指定された。
駅舎構内には、九州鉄道の起点を表す「0哩(ゼロマイル)標」。創建当時から設置されている水飲み場。戦時中の金属供出から逃れた「幸運の手水鉢」など、歴史を感じる場所がいくつも残されている。
門司港駅の全貌はこちら!
それでは復元後の駅舎を見てみよう。
今回の工事では、創建時の姿に復元することを基本方針とし、外壁は石貼り風のモルタル塗り、屋根には天然の石盤を使ったという。復元前に設置されていた、正面のひさしが取り除かれたり、失われていた屋根まわりの装飾が復元されるなど、より高貴な印象になっている。映画に登場するセットのようなレトロな佇まいだ。
駅舎のシンボルとして親しまれてきた屋根正面の大時計は、創建から4年後に設置されたものだが「九州初の電気時計」という歴史的価値から残されている。
駅構内も創建時の内装を再現し、漆喰の壁やこげ茶色の窓枠、シャンデリアなど、大正ロマンを感じる雰囲気になっている。
門司港駅のグランドオープンとなる3月10日には、記念式典が開催され、8620形蒸気機関車の展示やプロジェクションマッピング、駅前ステージでのライブイベントなどが実施された。