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最終更新日:2019.02.25 公開日:2019.02.25

シャコタン車 車検に通るのはどこまで?

「シャコタン」とは、自動車の最低地上高を下げるカスタム手法のこと。レーシングカーのようなスタイリッシュな見た目、重心が下がることによるカーブでの安定性向上などから人気のあるカスタムである。「道路運送車両の保安基準」で定められた車の最低地上高は一般的に9cmであり、それ以上車高を下げると車検を通らなくなってしまう。しかし、最低地上高を5㎝まで下げられる方法があるという。

雨輝・加藤久美子

 車種によって純正の最低地上高はさまざま。平均的には、セダンやミニバンで15cm前後。SUV20cm前後。スポータイプで10~12cm前後である。保安基準によると、構造変更手続きをすることなく下げられる車高の幅は4cmまでだが、最低地上高12cmのスポーツカーを4cm下げた8cmでは車検をパスしなくなるのだろうか?

アンダーカバーがついていれば最低地上高が下げられる?

高級車のカスタムではベタベタに車高落とすのは少数派。ベース車両のシルエットを崩さずほどほどにカスタムするのが人気だ。

 実は、最低地上高9cm以下でも合法的に保安基準適合となる場合がある。そもそも最低地上高9cmを確保すべき場所は自動車の底面の最も低いところと地面の距離なのだが、その最も低い部分とは、マフラーの配管やエンジン本体などの自動車を構成する構造物を指している。ブレーキドラムやロアアームの下端、自由度の高いゴム製のパーツなど可動する部分は含まれないのである。さらに、エンジンなど自動車の保安上重要な装置にアンダーカバーなど確実に衝撃から守るためのパーツがついている場合は、最低地上高は5cmあればOKとなる。最低地上高は、単に高さ制限ではなく、車の重要な部分を衝撃等から保護するために設置されている数値なのだ。

地面スレスレのエアロパーツは違法じゃない?

灯火類がエアロパーツやバンパーに組み込まれている場合は、自動車の構造物とみなされ保安基準の対象になる。

 サイドスカートやリップスポイラーなどカスタムパーツの中には地面とエアロの下端が1cm以下のようなスレスレのパーツもある。それらはどうなのだろうか?

 保安基準によると、実はこれらの樹脂製のエアロパーツは、自動車を構成する構造物ではないという理由から、最低地上高の対象外である。しかし、サイドスカートやリップスポイラーなどがドアやバンパーと一体型のものやウィンカーなどの灯火類が埋め込まれているものに関しては、自動車の構造物とみなされるため保安基準の対象となるので気を付けなくてはいけない。

最低地上高が10cmの乗用車もある

新型センチュリーのホイールベースは3m超。最低地上高が10cm以上ないと車検は通らない。

 一般的な乗用車の最低地上高は9cmなのだが、保安基準によると、ホイールベースの長い車は車高を高くする必要があるという。ホイールベースが2999mmまでは最低地上高9cmだが、ホイールベースが3000mm以上の車は1cm増えて10cmとなる。アルファードやヴェルファイヤ、センチュリーやLEXUS LSなどはホイールベースが3000mm以上となるので最低地上高は10cm以上を確保する必要がある。

 ちなみに、筆者の車(98年型アルファスパイダー)は、最低地上高が純正でも10cm以下とかなり低い。過去数回、機械式駐車場でアンダーカバーをぶつけて破損したので長い間カバーを外していたのだが、先日、駐車場の段差プレートを留めてあるボルトに運悪く下回りをぶつけ、オイルパンを破損してしまった。アンダーカバーを装着していれば破損することはなかっただろう。車高の低い車のオーナーは、気を付けて欲しい。

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