マツダの「マツダ3」・スバル「WRX STI ラリー コンセプト」など!【東京オートサロン2019】(5)
1月11日から13日まで開催された国内最大のチューニングカー・カスタマイズカーの祭典「東京オートサロン2019」(幕張メッセ)。 国内メーカーの主な展示車両をまとめる第5弾は、マツダ・スバル編。 両メーカーの最新車種やコンセプトモデルなどを取り上げる。
マツダの目玉は、昨年11月18日に米ロサンゼルスオートショーで世界初公開となり、今回が本邦初公開の新型「マツダ3」とそのカスタマイズ車。ちなみに「マツダ3」は日本では「アクセラ」と呼ばれる、5ドアスポーツ・ハッチバック/4ドアセダンだ。マツダの場合、車名(ペットネーム)がつけられるのは日本国内だけで、今後は日本でも世界共通の車名になるともいわれている。2003年に「ファミリア」の後を継ぐ形でデビューし、世界で累計600万台超の販売実績を誇るマツダの主力車種である。マツダは次世代車両の第1号としている(発売時期は海外・国内含めて未発表)。
「マツダ3」は、長く開発を続けてきた新世代車両構造技術「SKYACTIV-VEHICLE ARCHITECTURE(スカイアクティブ ビークル アーキテクチャー)」を初めて採用(別記事『【人とくるまのテクノロジー展2018】マツダの次世代車両構造技術「SKYACTIV-VEHICLE ARCHITECTURE」はここがスゴい!』に詳報)。その一環として、新日鐵住金(2019年4月~日本製鉄)とJFEスチールと共同で開発した、世界初の引っ張り強度1310MPa級の高張力鋼板を用いた車体構造用冷間プレス部品が、マツダ車として初めて採用された。フロントピラーインナーなどに使われており、従来部品に対して合計で約3kgの軽量化を実現したという。
またエンジンは「SKYACTIV-G」(ガソリン)と「SKYACTIV-D」(ディーゼル)それぞれの最新版に加え、圧縮着火の仕組みを部分的に採り入れて、ディーゼル並みの燃費をガソリンエンジンで実現した次世代型「SKYACTIV-X」の搭載も予定されている。
人馬一体の走りを追求した「ロードスター」も忘れちゃいけない! 競技用車両も合わせて紹介
古き良き英国製ライトウェイトスポーツを現代に蘇らせたとして、世界中で人気のコンパクトFRスポーツカー「ロードスター」(初代NA型については、『車は家族の一員「ユーノス・ロードスター」【元自動車メーカーエンジニアが選んだ哲学が感じられる名車たち】』に詳報)。
今回は現行の4代目ND型に、特別仕様のカーボン製ディタッチャブル(着脱式)ハードトップを装着した「ロードスター ドロップ-ヘッド クーペ コンセプト」が展示された。各種エアロパーツ、サスペンションなどの足回り、ロールバーなどの内装と、多くを特別仕様のものに交換。元からスポーツカーではあるが、よりスポーティさが追求されていた。
また、「ロードスター」のワンメイクレース用競技車両「グローバル MX-5 カップ」仕様車も展示された。「ロードスター」は海外では「MX-5」という車名で販売されており、2006年から米国でスタートしたのが「MX-5 カップ」だ。ND型が導入された2016年からは「グローバル MX-5 カップ」と名称を改め、2017年からは日本でも「グローバル MX-5 カップ ジャパン」がスタート。競技用車両は日米共通で、2.0Lエンジン+左ハンドルの北米仕様車がベースとなっている。
そして昨年11月には、米フロリダ州のセブリング・インターナショナル・レースウェイにて米国のシリーズ参戦車両17台と、日本シリーズ上位2名による「世界一決定戦」が開催された。レース1では、並み居る米国の強豪選手を抑え、日本シリーズ2018シーズン王者の堤優威(つつみ・ゆうい)選手が見事に優勝。その堤選手の1号車「Tby2 CABANA Racing MX-5」と、同じく世界一決定戦に参戦した日本シリーズ2018シーズン2位の吉田綜一郎(よしだ・そういちろう)選手の84号車「ヒロマツロードスター」が展示された。
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続いてはスバルのコンセプトカーたち!
「WRX STI」をラリー仕様にできる! 「WRX STI ラリー コンセプト」
スバルは実験的に開発されたコンセプトカーではなく、現行車種に発売中のパフォーマンスパーツを組み込むことで、よりスポーティさを増すことができるというコンセプトを提示する車両を3台展示した。そのうちの1台が「WRX STI ラリー コンセプト」である。
スバルはかつてWRC世界ラリー選手権で活躍し、一時代を築いたメーカー。現在はWRCからは撤退してワークス活動は行っていないが、全日本ラリー選手権などでは、今でも多くのドライバーがスバルの最速マシンである「WRX STI」をベース車両としてチョイスしており、それらのサポートしている。「WRX STI」は、スバルの主力車種「インプレッサ」から派生したスポーツカーの「WRX」を、さらに走りを追求するためにSTIが手がけた高性能車だ(STIとはスバルテクニカインターナショナルの略で、スバルのモータースポーツ部門)。そんなSTIとスバルがコラボレーションし、さらに突き詰めてラリー仕様にしたのが、この「WRX STI ラリー コンセプト」である。
「WRX STI」の2グレードあるうちの上位グレード「type S」をベースに、走行性能を競技レベルに引き上げるべく、各部をSTI製パフォーマンスパーツに交換。内容は、エアロパーツのセットである「パフォーマンスパッケージ」やボディの剛性を上げるための「コンプリートキット」、マフラー、サスペンション(のスプリング)、ホイールなどだ。
STI仕様に仕立ててさらに走りを追求した「インプレッサ STI スポーツ コンセプト」
スバルの主力車種「インプレッサ」は大きく2種類に分かれており、セダンの「G4」とスポーツタイプのハッチバック「スポーツ」がある。「WRX」が独立したことで、現在ではラリーカー的なイメージは薄まったが、それでも「スポーツ」の名に違わず、スポーティな味付けの1台となっている。
そんな「インプレッサ スポーツ」をベースにSTI仕様として走りをさらに追求したコンセプトモデルが、「インプレッサ STI スポーツ コンセプト」だ。LEDアクセサリーライナーを除いて、エアロ、マフラー、足回り、ボディ剛性、ホイールなど合計17種類のパーツをSTI製パフォーマンスパーツに交換し、性能をアップさせている。
クロスオーバーSUVもSTI仕様に!「フォレスター アドバンス スポーツ コンセプト」
スバルのクロスオーバーSUV「フォレスター」。現行の5代目の最上位グレード「アドバンス」をベースに、各部をパフォーマンスパーツに交換してスポーティさを追求したのが「フォレスター アドバンス スポーツ コンセプト」だ。
車名にSTIの名こそ入っていないが、内外装、足回りなど15種類のパーツがSTI製に交換されている。エアロ、ボディの剛性を上げるためのフレキシブルタワーバー、シフトノブなどが交換されているほか、車高も下げて低重心化が図られており、よりスポーティな走りを楽しむことが可能だ。