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最終更新日:2019.01.25 公開日:2019.01.25

マツダの「マツダ3」・スバル「WRX STI ラリー コンセプト」など!【東京オートサロン2019】(5)

1月11日から13日まで開催された国内最大のチューニングカー・カスタマイズカーの祭典「東京オートサロン2019」(幕張メッセ)。 国内メーカーの主な展示車両をまとめる第5弾は、マツダ・スバル編。 両メーカーの最新車種やコンセプトモデルなどを取り上げる。

 マツダの目玉は、昨年11月18日に米ロサンゼルスオートショーで世界初公開となり、今回が本邦初公開の新型「マツダ3」とそのカスタマイズ車。ちなみに「マツダ3」は日本では「アクセラ」と呼ばれる、5ドアスポーツ・ハッチバック/4ドアセダンだ。マツダの場合、車名(ペットネーム)がつけられるのは日本国内だけで、今後は日本でも世界共通の車名になるともいわれている。2003年に「ファミリア」の後を継ぐ形でデビューし、世界で累計600万台超の販売実績を誇るマツダの主力車種である。マツダは次世代車両の第1号としている(発売時期は海外・国内含めて未発表)。

 「マツダ3」は、長く開発を続けてきた新世代車両構造技術「SKYACTIV-VEHICLE ARCHITECTURE(スカイアクティブ ビークル アーキテクチャー)」を初めて採用(別記事『【人とくるまのテクノロジー展2018】マツダの次世代車両構造技術「SKYACTIV-VEHICLE ARCHITECTURE」はここがスゴい!』に詳報)。その一環として、新日鐵住金(2019年4月~日本製鉄)とJFEスチールと共同で開発した、世界初の引っ張り強度1310MPa級の高張力鋼板を用いた車体構造用冷間プレス部品が、マツダ車として初めて採用された。フロントピラーインナーなどに使われており、従来部品に対して合計で約3kgの軽量化を実現したという。

 またエンジンは「SKYACTIV-G」(ガソリン)と「SKYACTIV-D」(ディーゼル)それぞれの最新版に加え、圧縮着火の仕組みを部分的に採り入れて、ディーゼル並みの燃費をガソリンエンジンで実現した次世代型「SKYACTIV-X」の搭載も予定されている。

「マツダ3(5ドアハッチバック)」。日本の美意識の本質を体現することを目指す「魂動(こどう)デザイン」が採用されている。シンプルなフォルムとしつつも、ボディは繊細な立体曲面となっている。見る角度によって光りが移ろうことなどを利用して、これまで以上に力強く、味わい深い生命感をつくり込んだという。マツダのハッチバック車の系譜を紹介した別記事『【オートモビルカウンシル2018】マツダはハッチバックの系譜、スバルはAWDの歴史、そしてアストンマーティンとアルピーヌも!』では、「マツダ3」のコンセプトモデルである「魅CONCEPT」や、初代「アクセラ」のスポーツモデル「マツダスピードアクセラ」なども紹介した。

「マツダ3」のサイドビュー。「魂動デザイン」のひとつとして開発され、鮮やかでありながら陰影のあるボディカラー「ソウルレッドクリスタルメタリック」もあって、テールランプ周辺の3次元曲面による造形の美しさが際立つ。

「マツダ3」のリアビュー。「マツダ3」はハッチバックとセダンでデザインの方向性を若干変えており、ハッチバックはエモーショナルさを、セダンはエレガンスさをそれぞれ追求したという。

「マツダ3」のハッチバック(北米仕様)をベースとした「カスタム スタイル」。参考出品のエアロパッケージ、マフラー、車高調整式サスペンション、ホイール(BBS製)、スポーツペダルセット、スカッフプレート、フロアマットなどを装着。車高調整で30mmほど下げられている。

人馬一体の走りを追求した「ロードスター」も忘れちゃいけない! 競技用車両も合わせて紹介

 古き良き英国製ライトウェイトスポーツを現代に蘇らせたとして、世界中で人気のコンパクトFRスポーツカー「ロードスター」(初代NA型については、『車は家族の一員「ユーノス・ロードスター」【元自動車メーカーエンジニアが選んだ哲学が感じられる名車たち】』に詳報)。

 今回は現行の4代目ND型に、特別仕様のカーボン製ディタッチャブル(着脱式)ハードトップを装着した「ロードスター ドロップ-ヘッド クーペ コンセプト」が展示された。各種エアロパーツ、サスペンションなどの足回り、ロールバーなどの内装と、多くを特別仕様のものに交換。元からスポーツカーではあるが、よりスポーティさが追求されていた。

通常の「ロードスター」はソフトトップを備えるが、4代目の中の特別なモデルである「ロードスターRF」は電動式のハードトップを備える。「ロードスター ドロップ-ヘッド クーペ コンセプト」のルーフデザインは、そのハードトップをカーボン製にして着脱式にしたイメージだ。ちなみにディタッチャブルハードトップは、単にクローズドボディの外見にするというだけでなく、ボディ剛性を高めてもいる。「ロードスターRF」については別記事『【オートカラーアウォード2016】スーパーカーが勝つとは限らない。最も優秀な車両カラーデザインは!?』で紹介した。

 また、「ロードスター」のワンメイクレース用競技車両「グローバル MX-5 カップ」仕様車も展示された。「ロードスター」は海外では「MX-5」という車名で販売されており、2006年から米国でスタートしたのが「MX-5 カップ」だ。ND型が導入された2016年からは「グローバル MX-5 カップ」と名称を改め、2017年からは日本でも「グローバル MX-5 カップ ジャパン」がスタート。競技用車両は日米共通で、2.0Lエンジン+左ハンドルの北米仕様車がベースとなっている。

 そして昨年11月には、米フロリダ州のセブリング・インターナショナル・レースウェイにて米国のシリーズ参戦車両17台と、日本シリーズ上位2名による「世界一決定戦」が開催された。レース1では、並み居る米国の強豪選手を抑え、日本シリーズ2018シーズン王者の堤優威(つつみ・ゆうい)選手が見事に優勝。その堤選手の1号車「Tby2 CABANA Racing MX-5」と、同じく世界一決定戦に参戦した日本シリーズ2018シーズン2位の吉田綜一郎(よしだ・そういちろう)選手の84号車「ヒロマツロードスター」が展示された。

「グローバル MX-5 カップ ジャパン」に参戦する堤選手の1号車「Tby2 CABANA Racing MX-5」。装着しているパーツの有無などによる若干の差はあるが、ワンメイクレースのため、マシンの性能差は基本的にはない。そのため、勝利をつかむには純然たるドライビングテクニックとセッティング能力、タイヤマネジメントを含めたレース戦略がドライバーやチームには求められる。1号車の奥に見えるのが、吉田選手の84号車「ヒロマツロードスター」。

吉田選手の84号車「ヒロマツロードスター」のリアビュー。市販「ロードスター」はソフトトップを備えるが、「グローバル MX-5 カップ」仕様車はソフトトップは外されており、オープンカーである。そのため、ドライバーの保護とボディの剛性を上げるためのロールケージがむき出しとなっている。

車内の様子。ロールバーはボディに堅く取り付けられており、ドライバーの保護だけでなく、剛性をアップさせる狙いもある。シート両側に張られたネットは、事故発生時に大きな破片などが飛び込んでこないようにするためのもの。同時に、事故でロールオーバー(横転)が発生した際にドライバーの腕が車外にはみ出してまわないための役目も担っている。助手席のシートがないのはレースには必要がないためで、軽量化のために外されている。

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続いてはスバルのコンセプトカーたち!

「WRX STI」をラリー仕様にできる! 「WRX STI ラリー コンセプト」

 スバルは実験的に開発されたコンセプトカーではなく、現行車種に発売中のパフォーマンスパーツを組み込むことで、よりスポーティさを増すことができるというコンセプトを提示する車両を3台展示した。そのうちの1台が「WRX STI ラリー コンセプト」である。

 スバルはかつてWRC世界ラリー選手権で活躍し、一時代を築いたメーカー。現在はWRCからは撤退してワークス活動は行っていないが、全日本ラリー選手権などでは、今でも多くのドライバーがスバルの最速マシンである「WRX STI」をベース車両としてチョイスしており、それらのサポートしている。「WRX STI」は、スバルの主力車種「インプレッサ」から派生したスポーツカーの「WRX」を、さらに走りを追求するためにSTIが手がけた高性能車だ(STIとはスバルテクニカインターナショナルの略で、スバルのモータースポーツ部門)。そんなSTIとスバルがコラボレーションし、さらに突き詰めてラリー仕様にしたのが、この「WRX STI ラリー コンセプト」である。

 「WRX STI」の2グレードあるうちの上位グレード「type S」をベースに、走行性能を競技レベルに引き上げるべく、各部をSTI製パフォーマンスパーツに交換。内容は、エアロパーツのセットである「パフォーマンスパッケージ」やボディの剛性を上げるための「コンプリートキット」、マフラー、サスペンション(のスプリング)、ホイールなどだ。

「WRX STI ラリー コンセプト」。今回装着された各種パーツやインテリアはすべて発売中のものばかりで、合計金額は82万2600円(税別)で(カーナビは含めず)。「WRX STI type S」本体が376万円(税別)なので、合計458万2600円(税別)。

全日本ラリー選手権の2018シーズンにおいて、最上位クラスJN6を制した新井敏弘選手の「WRX STI」。装着されているパーツは、「WRX STI ラリー コンセプト」とは異なる。STI製だけでなく、ミッションはオーストラリア・PPG製、サスペンションはオーリンズ製、ブレーキはエンドレス製、クラッチは小倉クラッチ製など、国内外のトップサプライヤーが開発した勝つことを目的とした最高性能のパーツが多数装着されている。ホイールはWORK製で、タイヤはヨコハマ製だ。2016年~2018年前半の新井選手の3台の「WRX STI」については、別記事『「レガシィ」に「インプレッサ」に…「スバル360」!? スバルのラリーカーを集めてみた!』(5ページ目)で掲載。また新井選手の「WRX STI」2017年仕様のデモ走行動画は、『【モータースポーツジャパン2017】GTマシンにラリーカー!動画だらけのマニアックレポはここ!!』に収録した。

STI仕様に仕立ててさらに走りを追求した「インプレッサ STI スポーツ コンセプト」

 スバルの主力車種「インプレッサ」は大きく2種類に分かれており、セダンの「G4」とスポーツタイプのハッチバック「スポーツ」がある。「WRX」が独立したことで、現在ではラリーカー的なイメージは薄まったが、それでも「スポーツ」の名に違わず、スポーティな味付けの1台となっている。

 そんな「インプレッサ スポーツ」をベースにSTI仕様として走りをさらに追求したコンセプトモデルが、「インプレッサ STI スポーツ コンセプト」だ。LEDアクセサリーライナーを除いて、エアロ、マフラー、足回り、ボディ剛性、ホイールなど合計17種類のパーツをSTI製パフォーマンスパーツに交換し、性能をアップさせている。

「インプレッサ STI スポーツ コンセプト」。こちらもすべて発売中のSTI製パフォーマンスパーツを中心に構成されており、パーツの合計金額はカーナビを除いて58万9500円(税別)。「インプレッサ スポーツ」の最上位グレード「2.0i-S EyeSight」のAWD仕様が242万円(税別)なので、合計300万9500円(税別)で「インプレッサ STI スポーツ コンセプト」を再現可能。

クロスオーバーSUVもSTI仕様に!「フォレスター アドバンス スポーツ コンセプト」

 スバルのクロスオーバーSUV「フォレスター」。現行の5代目の最上位グレード「アドバンス」をベースに、各部をパフォーマンスパーツに交換してスポーティさを追求したのが「フォレスター アドバンス スポーツ コンセプト」だ。

 車名にSTIの名こそ入っていないが、内外装、足回りなど15種類のパーツがSTI製に交換されている。エアロ、ボディの剛性を上げるためのフレキシブルタワーバー、シフトノブなどが交換されているほか、車高も下げて低重心化が図られており、よりスポーティな走りを楽しむことが可能だ。

「フォレスター アドバンス スポーツ コンセプト」。ボディやシートには特別色が配されている点はポイント。パーツの合計金額はカーナビを除いて40万9580円(税別)で、「フォレスター アドバンス」が287万円(税別)なので、合計327万9580円(税別)で「フォレスター アドバンス スポーツ コンセプト」を再現可能。「フォレスター」の初代および5代目のノーマル車は、別記事『【オートモビルカウンシル2018】マツダはハッチバックの系譜、スバルはAWDの歴史、そしてアストンマーティンとアルピーヌも!』(2ページ目)で掲載している。

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