2019年のピレリカレンダーはアルバート・ワトソンが撮影
世界のトップフォトグラファーを起用することで毎年話題を呼ぶ「ピレリカレンダー」が、12月5日ミラノで発表された。今回はアルバート・ワトソンが撮影を担当。4名の女性の姿を写真で物語る。
フォーミュラ1をはじめとしたモータースポーツはもちろん、スーパーカーからSUVまでさまざまなタイプのタイヤを供給し、自動車ファンの支持を集めるピレリ。一方で、アートファンたちを毎年楽しませているのが「ピレリカレンダー」だ。
1964年から始まったピレリカレンダーは、今年で46冊目。カレンダーと名は付くものの、例年世界的に著名なカメラマンを起用し、装丁にもこだわった、まさにアートブックというべき作品である。
2019年度版は、アルバート・ワトソンが撮影を担当し、モデルのジジ・ハッディッド、女優のジュリア・ガーナーとレティシア・カスタ、そしてバレエダンサーのミスティ・コープランドが出演。共演者としてバレエ界の革命児、セルゲイ・ポールニンが登場しているのも見逃せない。
アルバート・ワトソンは、イギリス・エディンバラ出身のカメラマンで現在76歳の重鎮だ。氏の名前を知らずとも、羽が綺麗にむしり取られたガチョウを手にするアルフレッド・ヒッチコック監督のポートレートはあまりにも有名で、写真を見れば「あっ、知ってる!」と頷く人も多いのではないだろうか。最近は、故スティーブ・ジョブズ氏の自叙伝の撮影でも話題になった。
2019年度版のカレンダーは、夢を追いかける4名の女性たちをテーマに、それぞれのストーリーが展開される。タイトルは「DREAMING」だ。
「夢を実現するためにはハードな努力が必要です。私は常に、一気に頂点を目指すのではなく、梯子を一段一段登るように目標を達成してきました。時に、次の一段が永遠に届かないと感じることもありますが、より高い目標や夢を持ち続けることは価値あることだと思います」とワトソン氏。夢を実現させるための努力や辛抱することの大切さを、カレンダーに登場する4名の女性たちを通して表現したという。
「単なるポートレートではなく、映画のような写真を撮りたかった」という氏の情熱のもとで完成したカレンダーは、カラーとモノクロの40枚の写真で綴られ、シアタースクリーンのような16:9の大判で収められている。
なお、残念ながらこのピレリカレンダーが一般販売されることはない。豪華なアートブックよろしく限られた部数のみが印刷され、まさにコレクターズアイテムとなっている。芸術性の高さ、そしてこの希少性こそが、ピレリカレンダーを伝説たらしめているのだ。
ピレリカレンダー
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