トヨタとダイハツの後付け踏み間違い加速抑制装置は、思いのほか安かった
トヨタとダイハツが発売した、ペダルの踏み間違い加速抑制装置。この装置のポイントは、後付けで今乗っている車に取り付けられることだ。気になる装置の内容と価格をご紹介。
ペダルの踏み間違いってそもそも何?
トヨタとダイハツは12月5日、今乗っている車に後付けで装着できる、ペダルの踏み間違い加速抑制装置を発売したと発表した。
ペダル踏み間違いとは、ブレーキペダルを踏んだつもりが、誤ってアクセルペダルを踏んでしまうこと。ブレーキペダルを踏んでいるつもりのドライバーは、止まろうとしてよりいっそうペダルを踏み込んでしまい急発進・急加速をして事故に繋がる。
トヨタでは、高齢者等のドライバーによる駐車場でのペダル踏み間違い事故が増えているとしている。また、客からも事故を未然に防ぐ仕組みへの要望が多くなったとして、この装置の発売に踏み切った。もとよりトヨタでは、「Toyota Safety Sense」を初めとする衝突回避支援システムを新型車に採用してきたが、1台の車に長く乗り続けるドライバーも少なくないことから、後付け装着できる装置が必要と考えた。
後付けできる踏み間違い加速抑制装置とは?
この装置は、車両の前後に設置した超音波センサーにより、前方(写真上)と後方(写真下)の約3m以内にある障害物を検知。ブザー音で注意喚起する。
このとき、車内の表示機(写真下)にも「アクセルを離してください」というメッセージが表示される。そこからさらにアクセルを踏み込まれた場合には、加速を抑制して事故を軽減するというものだ。合わせて、後退時に時速約5km以上でアクセルを踏んだ場合、速度が出過ぎないように加速を抑制する機能も備わる。
踏み間違い抑止装置の、気になる価格はいかほど?
この「踏み間違い加速抑制システム」の価格は、本体と付属品で税込み5万5080円(取り付け費除く)と思いのほか安価だ。現在取り付けられる車種は「プリウス」と「アクア」に限られるが、トヨタでは今後対象車種を増やしていくとしている。
一方、ダイハツでも同様のシステムを開発した。ダイハツは、新車に衝突回避支援システム「スマートアシスト」を採用。このシステムの搭載車の累計販売台数は、すでに200万台を超えている。だが、世の中にあるダイハツ車のおよそ8割には、こうしたシステムが搭載されていない。これに危機感を抱いたダイハツが開発に取り組んだというわけだ。
今回発売した装置は、前後3m以内の障害物を検知することや、ブザーや表示での警告、急発進の抑制という点は、トヨタのものと同様だ。このダイハツの後付け安全装置の名称は「つくつく防止」。ネーミングが秀逸だ。しかも「つくつく防止」のロゴ(写真上)まである。そしてなんといっても、税込み価格3万4560円(取り付け費除く)と、トヨタよりもさらに安価な設定となっている。取り付けられる車種は2007年に発売された2代目タント(写真下)のみだが、ダイハツでも順次対応車種を拡大するとしている。
トヨタとダイハツの装置はともに、道路状況や車両状態、天候等によっては作動しない場合があるとしているので過信は禁物だ。だが、高齢ドライバーを持つ家族にとっては安心材料となる装置であると言えるだろう。