世界では意外な高評価のアジアンタイヤ
独・エッセンモーターショーに出展したネクセンタイヤ。ポルシェ・マカンの純正装着タイヤに採用されている
クムホ(韓国)、ハンコック(韓国)、ネクセン(韓国)、マキシス(台湾)、ケンダ(台湾)、ナンカン(台湾)、ATRラジアル(インドネシア)…… これらは日本でも徐々に認知度をアップさせているアジアンタイヤのブランド名である。
アジアンタイヤと聞いて、「激安だけど性能が不安」「なんとなくイメージがイマイチ」と思う人も多いかもしれない。だが実は、欧米では日本のタイヤブランドよりも高い評価を受けているケースも少なくない。海外では名だたるモータースポーツ競技の公式タイヤに採用されることもあれば、ポルシェやフェラーリ、メルセデス・ベンツといった高級車メーカーの純正装着タイヤにこれらアジアンタイヤが採用されることも珍しいことではない。米国の信頼ある調査では、新車装着2年後の顧客満足度が日本ブランドのタイヤより高い評価を受けているケースもあるのだという。
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なぜ高い評価を得られるようになったのか
日本のタイヤメーカーの下請け生産を行ってきたメーカーも
インドネシアのスポーツタイヤメーカーATRラジアル。本国ではアキレスというブランド名になる
アジアンタイヤメーカーのなかには(というかほとんどだが)、ブリヂストン、ミシュラン、ヨコハマなど大手メーカーと技術提携をして、長年にわたって大手タイヤメーカーの下請けでタイヤを作ってきたメーカーも少なくない。
もちろん最大の魅力はリーズナブルな価格である。アジアンタイヤを多数販売している株式会社オートウェイのサイトでは、同サイズで性能も引けを取らないアジアンタイヤが、国産タイヤの半額以下の価格で販売されている。また、実際にそのタイヤを使っているユーザーの口コミもすこぶる評価が高い。なお、安全性という点でいうと、オートウェイで販売されてきた累計1000万本のタイヤで、これまで製造物責任を問われるような死亡事故は過去一件も発生していないという。
かくいう筆者も、国産ブランドのスポーツタイヤを履いていた。2013年に履いて4万キロ走りさすがに限界だったので、実は先日、「ROADSTONE」(写真上)というアジアンタイヤに履き替えた。ネクセンのサブブランドで、スポーツ&プレミアム志向のタイヤである。まだ履き替えてから数日で近所を走った程度なのではっきりとは分からないが、バリバリ攻めるスポーツ走行に向くというよりかは、思っていたより静かでしっとりとした乗り心地だった。5000キロ、1万キロ走ったところで、使用レポートできればと思っている。
2018年5月18日(雨輝・加藤久美子)