最高速度110km/hの新東名高速道路を走ってみた! 100km/hと110km/hって何が違う?
2017年11月1日から新東名高速道路の一部区間にて最高速度が110km/hに引き上げられた。スタートから1か月間の違反や事故の様子はどうだったのか? この区間が管轄の静岡県警から発表された内容は以下の通り(対象区間の交通量は前年比3-7%増)。
・速度超過が約200件(前年同月約450件)
・追越車線を走り続けるなどの通行帯違反が約280件(同260件)
・車間距離不保持や携帯電話の使用などその他の違反が約60件(同40件)
ちなみに、この数字は最高速度が110km/hに引き上げられた新東名高速道路の「新静岡IC~森掛川IC」の区間、約50kmに限定された摘発件数となる。
速度超過に関しては半分以下となったが、これはこの時期に警察車両によるパトロールが強化されたことが要因だとされている。
それでは同じく、事故発生件数はどうだろうか? こちらは、人身事故2件、物損事故14件(前年同月は人身事故1件、12件)という結果だ。人身事故2件はいずれも軽微なものだったとのこと。
以上から、110km/h規制の滑り出しはそれなりに順調に見えたが、3月10日、乗用車にトラックが追突する事故が発生、乗用車が炎上し1名が亡くなるという事故が起きてしまったのは非常に残念だ。
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実際に走ってみると?
110km/h規制道路を実際に走ってみた!
1月半ば、横浜から豊田市へ取材に行く機会があったので新東名の110km/h区間を走ってみることにした。御殿場ジャンクションを過ぎて、新東名に入る。富士、清水~と通過して「新静岡IC」を過ぎると、最高速度110の標識が見えてきた。
人生初、公道で堂々と100km/h超が出せる場所である。ここから森掛川ICまでの約50kmが110km/h区間となる。片側3車線でカーブなどが少なく、直線基調の道路が多いということで選ばれたそうだ。
走行車線で110km/hで走ってみる。なんとも清々しい気分だ。新東名は道路も新しくて綺麗だし、広々としてとても走りやすい。「ついに100km/h超時代か」と考えながら走っていたのだが……ほどなくしてゆっくり走る大型トラックに遭遇。追越車線に移るが、こちらも、数百m走ったところで、列を作っているトラックの最後尾に追いついてしまった。
◇トラックの制限速度は80km/h。第一通行帯の走行を
さて、この110km/h区間。結局ゆっくり走る(制限速度80km/h)トラックに阻まれてしまい、110km/hで走れた場所はわずかだった。大型車は原則として第一通行帯(最左車線)を走らなければならないはずなのだが、あまり守られていないようだ。
また、03年から大型トラック(総重量8トンまたは最大積載量5トン超)は制限速度80km/hで、90km/hを超えるとリミッターが作動し、それ以上のスピードは出ない仕組みになっている。90km/h以上は出したくても出せないトラックが制限速度110km/hの走行車線をゆっくりと走っているのだから、とても危険だし、渋滞の原因にもなってしまう。現状、こんな具合で追越車線でも残念ながら110km/hで巡航できる区間はわずかだった。これまで大型トラックとの速度差が10~20km/hだったものが、この区間では20~30km/hになるのであっという間に近づいてしまう。進行中の車線上に大型トラックが見えたら、今までよりも早めに減速を開始することをお勧めする。
2018年3月17日(雨輝・加藤久美子)