おじいちゃんおばあちゃんを連れだそう! 車椅子での家族旅行。 快適で安心できる移動手段は?
高齢になり足腰が弱ってしまうと、なかなか外出もままならず家にこもりがちになってしまうことも多いだろう。しかし、昨今は日本も全国の公共施設や世界遺産の観光地をはじめバリアフリー化が進み、車椅子でも快適に安心して家族旅行が楽しめる環境が整ってきた。
マリリン・モンローと同い年(91歳)の母と高校生息子の三世代での旅行経験(国内と海外合わせて15か国、50か所以上に旅行)から、車椅子+高齢者の移動手段について考えてみたいと思う。
・飛行機
事前に伝えておけば、車椅子を押してくれたり、キャビン内で利用できるアイルチェア(通路用の小型車椅子)を用意してくれたりするサービスが受けられることもある。空港内の設備もバリアフリーが整っていることが多く、床が滑らかなタイルなのでスムースに移動できる。ちなみに、車いすを預ける場合は預け荷物としてカウントされない。
・自家用車&レンタカー
気兼ねなく移動できる車はトランクやラゲッジスペースに車椅子が積めるかどうか、乗り降りしやすいかどうかがポイント。ミニバンやワンボックスは積載スペースに余裕があるが、ステップが高いものがあり、乗降時にはアシストグリップの位置を教え、乗降の手助けをするなど、同乗者がしっかりサポートすること。
・タクシー
手動の一般的な折りたたみ車いすならトランクに積むことができるが、他に荷物がある場合は車椅子のまま乗り込める福祉タクシーまたはミニバンなどのジャンボタクシーがベスト。
・新幹線
新幹線そのものには車いす用の座席やトイレもあり快適だが、ホームと乗降口の間に段差があったり大きい隙間があったりすることもたまにある。車いす対応座席の使用や、ホームへの移動の介助などの利用は2日前までに駅に連絡をしておこう。
・JR 在来線
駅によってはホームまで階段しかない場合もある。その場合は写真の装置を使うことになるが、これはなかなか怖いらしい。高齢者には厳しいかも。
・地下鉄
2回利用したことがあるが、駅員さんの対応はとても良く、目的地までのすべての乗換駅に連絡をしてくれて、それぞれ親切に対応してくれた。しかし、普段乗りなれていないこともあり、通勤・通学ラッシュなどで混雑する時間帯は申し訳なくて利用できなかった。
・フェリー
新しい船であれば段差もほぼなく、身障者用トイレを備えている船もあるが、全体としては通路が狭く、また甲板との出入り口には仕切り板があり、簡単に外には出られない。
●結論!!
オススメは近距離なら車、遠距離なら飛行機+レンタカーの移動が快適ではないかと思う。シートベルトを嫌がる高齢者にもきちんとベルトを装着して、ALR(チャイルドシート固定機構。少し古い車にはこれが付いている)を作動させないよう注意しよう。
2018年2月3日(加藤久美子・雨輝)