スーパーカーとかのゼロヒャク2~3秒の加速度を、誰でも分かるように考えてみた。
クルマの性能を示す数値のひとつに、完全停止(時速0km)から発進してめいいっぱい加速し続け、時速100kmに到達するまで何秒かかるかというものがある。いわゆる「時速0→100km(ゼロヒャク)」と呼ばれる加速能力を示すタイムだ。
その値は、一般にスーパーカーといわれるハイパフォーマンスカーの中でも、さらにトップクラスになると2~3秒台と発表されている。
国産車はあまりゼロヒャクや最高速を公表しないのだが(現在は既に販売が終了しているレクサスのスーパーカー「LFA」は3.7秒以下としている)、海外のスーパーカーだと、スペックとして公表しているメーカーも多い。
例としていくつか挙げてみると、フェラーリ「488GTB」が3秒フラット、ランボルギーニ「ウラカン ペルフォマンテ」が2.9秒、そしてポルシェ「911 GT2 RS」が2.8秒といった具合だ。
しかし、2秒後半から3秒フラットといわれても、どれだけすごい加速力なのか、感覚的にわかりにくいのも事実。確かにかかった秒数が短ければ短いほど、加速度がすごくなっていくのはわかるが、ピンとこない。そこで、どれだけすごいのかを解説してみる。
到達速度をかかった秒数で割れば加速度(の平均)が出る
加速度とは、ある一定の時間にどれだけ速度が変化したかを示す値だ。なのでゼロヒャクの場合は、時速100km=秒速約27.78mをかかった秒数で割ればいい。
ただし、クルマはアクセルをベタ踏みにし続けたとしても、必ずしも一定の値で加速していくわけではない。同じギアのまま全開加速したとしてもエンジンの回転数によって加速に大きくかかわるトルクが変化するし、さらにシフトアップしたらギアのレシオが変わるので、加速度も当然ながら変化する。
一方、秒速27.78mをかかった秒数で割って出てくるのは、加速度が一定だった場合の「等加速度運動」である。なので正確には異なるのだが、ここでは話をわかりやすくするため、一定の加速で時速100kmに到達したと考えてみよう。
一般道の制限速度に到達するのに何秒?
それでは、先ほどの3台のスーパーカーの場合、1秒ごとにどれだけ加速していくのかを見てみよう。
「488GTB」は1秒間に秒速9.26m速くなり、「ウラカン ペルフォマンテ」は秒速9.58m、「911 GT2 RS」は秒速9.92m速くなる。時速に直すと、1秒ごとに時速33~36kmずつ増速している。つまり、幹線道の制限速度である時速50~60kmには、2秒に満たない時間で到達する計算だ。
信号待ちからのスタートで1、2と数え終える前にスピードメーターが時速60kmを指しいることを想像してもらいたい。その場合のメーターの針の動きは相当な速さであることが、クルマを運転している方なら想像がつくことだろう。ゼロヒャクが3秒を切るクルマというのは、そんな壮絶な性能を備えた、凄いクルマなのである。もちろん、公道でそんな加速を必要とすることはまずないだろうが、、、。
2017年10月14日(JAFメディアワークス IT Media部 日高 保)