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クルマ最終更新日:2017.05.19 公開日:2017.05.19

【動画あり】旭化成×GLMのEVコンセプトカー登場! SUVとスーパーカーの3人乗りクロスオーバー車

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GLMがEVスポーツカー「トミーカイラZZ」のプラットフォームをベースに、旭化成の製品・技術27種類を投入したボディを組み合わせたコンセプトカー「AKXY(アクシー)」。傍らに立つのは、旭化成グループキャンペーンガールの大伴理奈さん。最終ページにも彼女の笑顔をアップで掲載!

 旭化成というと化学・マテリアル系のメーカーというイメージが強い。一般的にはクルマと直接はあまり結びつかないが、実際のところは各種マテリアルを素材として各部に使用しているクルマも少なくなく、縁が深かったりする。

 そんな旭化成が、「ユーザーと共に未来の価値を創造する関係をいっそう強く構築していきたい」という思いを込めて、国産EVメーカーのGLMと共同開発したのが、5月17日に発表した実走行が可能なコンセプトカー「AKXY(アクシー)」だ。AKXYとは、「Asahi Kasei X(かける) You(顧客)」の頭字語である。

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フロントビュー。かなり丸みを帯びているのがわかる。ボンネット部分の開口部は、リアビューと合わせて、「呼吸」をイメージしたデザインだという。

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サイドビュー。直線的なラインで構成されており、未来的なイメージだが、ルーフラインは流れるような曲線のクーペスタイル。

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リアビュー。こちらもまた曲面で構成される。フロント部分と合わせて呼吸をイメージしたデザインになっている。

→ 次ページ:
AKXYのプラットフォームについて!

AKXYに用いられているGLM製プラットフォームとは?

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京大発のベンチャーであるGLMが、苦心の末に作り上げたトミーカイラZZ。国産初のEVスポーツカーの量産車で、99台が生産された。

 GLM開発の第1号車で、国内初の量産EVスポーツカーである「トミーカイラZZ」(同乗試乗記事はこちら) 。その特徴は、車台(フレームやシャシーなど)とパワートレイン(モーターやバッテリーなど)の組み合わせからなるプラットフォームの上に、F1マシンと同じような感じでカウルを被せる形となっていることだ。

 AKXYはそのプラットフォームを利用しており、その上に旭化成が開発したオリジナルボディを組み合わせた形となっている(AKXYは、トミーカイラZZのようにカウルを簡単に取り外せる構造ではない)。

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トミーカイラZZの開発で生み出されたプラットフォーム。AKXYもこのプラットフォームが利用されている。ただし、AKXYはシートが後席を含めて3人掛けであるなど、トミーカイラZZとは設計が異なるので、このプラットフォームをそっくりそのまま利用しているわけではない。

 すでに実績のあるプラットフォームを利用しているため、AKXYは実際に走行が可能だ。そのことから、今後は旭化成がGLMと組んで一般向けのEVの開発・販売に乗り出すことをアピールするように思えるかも知れない。しかし、実際には国内外の自動車メーカーや部品メーカーをターゲットとした、旭化成の製品と技術をアピールするために開発されたものなのである。

AKXYの走行シーン。発表会場が新豊洲 Brillia ランニングスタジアムのため、スロー走行。

AKXYがバックするシーン。

 ちなみに旭化成がEVを選んだ理由は、今後確実に広まっていくクルマであることからだたという。

 そしてGLMに打診した理由は、そのEVを開発しているメーカーであることもひとつだが、未来を指向していることが大きな理由とした。今回のAKXYを開発するというプロジェクトが未来を指向しているからだという。

 一方、GLMはすでにプラットフォームそのものやその一部分、または設計技術などを他社に提供する「プラットフォーム事業」を始めることをアナウンスしていたが、今回のAKXYを皮切りにして本格始動するという。EV事業に参入したい国内外の企業の、自動車開発そのものを担うような、スケールの大きな事業に育てたいとしている。

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AKXYに使用されている旭化成のいくつもの製品&技術!

旭化成の27品目の製品や技術が詰まっているのがAKXY

 実際、AKXYには旭化成の製品や技術が27品目が使われている。その内のいくつかを紹介すると、例えばフロント周辺だけでも以下のものがある(カギカッコ内は旭化成の製品名)。

ヘッドランプカバー:有機無機ハイブリッドコート剤
ヘッドランプ(ランプエクステンション):変成ポリフェニレンエーテル樹脂「ザイロン」
タイヤ:溶液重合型スチレンブタジエンゴム「タフテン(S-SBR)」
タイヤコード:ナイロン66繊維「レオナ」
フェンダーライナー(吸音材):スパンボンド法長繊維不織布「プレシゼ」
ボディ用塗料:アルミニウムペースト「旭化成アルミペースト」、HDI系ポリイソシアネート「デュラネート(HDI)」

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AKXYは、ヘッドランプ、ヘッドランプカバー、タイヤ、タイヤコード、フェンダーライナー、ボディ用塗料など、フロント周りだけでも旭化成のいくつもの製品や技術が使用されている。

LSIやセンサーを含めてシステム周りも

 また、実は旭化成はLSIやセンサー部門もあり、AKXYのシステム周りも同社製の技術が複数用いられている。曇り止め・脈波センシング・CO2のセンサー類、スタンドアローン音声認識システム、ハンズフリー、車内コミュニケーションシステムなどだ。詳しくは、27品目を最終ページに掲載したので、興味のある方はご覧いただきたい。

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コックピット、システム周りも複数の製品や技術が使われている。

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助手席側のダッシュボードに用意されているタッチパネル式のスクリーン。ドライバー側に向けられているが、かなり左ドアに寄せた位置に備えられているので、ドライバーが座ったまま操作するのは難しそうである。会場では、ドアを開けた状態で、外から操作しているスタッフの姿が見られたので、そういう使い方も考慮されているのかも知れない。

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一見SUVだけど…そのデザインコンセプトに迫る!

SUVの外見だが実はスーパーカーとのクロスオーバー!

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右側面。車体中央を水平に走るショルダーラインから下は直線的で幾何学的なデザインだ。一方、上部は球体をイメージしているということで、ルーフラインが曲面のクーペ(スーパーカー)風になっている。

 続いてはデザインに関してだが、デザイナーはGLMの石丸竜平氏が担当した。一見するとSUVだが、実はスーパーカーとのクロスオーバー車両であるという。

 側面のデザインは、水平や垂直、斜め45度の直線を幾何学的に組み合わせることで無機質な印象を強調。このように車体下部は直線的なイメージだが、ショルダーライン(車体中央の水平ライン)より上は球をイメージしたという。それによりルーフラインはクーペスタイルの流れるような形状となっている。

 この車体の上下で相反するイメージは、フロントとリアを絞り込んで丸みを持たせることで調和を図っており、それが近未来的なイメージとなったとしている。

内装も柔らかさとスタイリッシュさのクロスオーバー

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車内の様子。シートなどが白と黒の配色である上に、直線的なデザインが採用されていることがわかる。その一方で、車体上部は球体をイメージしているので、柔らかく包み込むような雰囲気も同時に持たせられている。なお、タッチスクリーンがかなり左ドア寄りに配置されているのがわかる。

 内装はあえて助手席を取り除いて3人掛けとすることで余裕を持たせ、また球体に包み込まれるようなデザインで、柔らかな印象としている。ただし、配色を白と黒を用いることでスタイリッシュでシャープなイメージも持たせている。外見同様に、SUVとスーパーカーのクロスオーバーのデザインというわけだ。

 ちなみに、人が触れたり目に入りやすかったりする部分は柔らかな曲面のデザインや温かみのある素材を採用しており、逆に触れることがなく目立たない部分は幾何学的な線や面が強調されている。

 ドアはガルウィングとなっており、助手席がないことから、後席の搭乗者は左のドア側からの方が乗り降りしやすい。

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ガルウィング式のドアをオープン。ここはスーパーカーらしさを表したものと思われる。

電動のガルウィングのドアがオープンする様子。

 スペックは以下の通りだ。車両重量や最高速などは発表されていないのでカッコとして、共通のプラットフォームを使用するトミーカイラZZのものを参考に掲載した。

【AKXYスペック】 全長×全幅×全高:4685×1813×1562mm
ホイールベース:2370mm
トレッド(前/後):1415mm/1485mm
車両重量:(850kg)
最高出力:225kW
最高速度:(時速180km)
加速:(時速0-100km):(3.9秒)
航続距離:(120km)

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AKXYのに搭載されている27品目の製品&技術ついて!

 そして最後は、AKXYに採用されている、旭化成の製品及び技術27品目の一覧を掲載する。カギカッコ内が製品名で、カギカッコがないものは、技術名。画像は、AKXYの公式サイトから抜粋した。

(1)ヘッドランプカバー:有機無機ハイブリッドコート剤
(2)ヘッドランプ(ランプエクステンション):変性ポリフェニレンエーテル樹脂「ザイロン」
(3)タイヤ:溶液重合型スチレンブタジエンゴム「タフデン(S-SBR)」
(4)タイヤコード:ナイロン66繊維「レオナ」
(5)フェンダーライナー(吸音材):スパンボンド法長繊維不織布「プレシゼ」

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(6)ボディ用塗料:アルミニウムペースト「旭化成アルミペースト」
(7)ボディ用塗料:HDI系ポリイソシアネート「デュラネート(HDI)」
(8)テールランプ:アクリル樹脂(PMMA)「デルペット」

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(9)コックピット:反射型偏光フィルム「WGF」
(10)コックピット:曇り止めセンサー
(11)システム:脈波センシング
(12)システム:スタンドアローン音声認識システム
(13)システム:ハンズフリー
(14)システム:車内コミュニケーションシステム
(15)システム:CO2センサー

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(16)Aピラー:水添スチレン系熱可塑性エラストマー(SEBSなど)「タフテック」
(17)スイッチ周り:プラスチック光ファイバー「マルチコアPOF」
(18)カーマット:PTT繊維使用カーマット

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(19)コネクター・結束バンド類:ポリアミド樹脂「レオナ」
(20)スピーカーカバー:ABS系アロイ樹脂「エステロイ」
(21)シート底面など:3次元立体編物「フュージョン」
(22)ヘッドレスト:発泡ポリエチレン「メフ」
(23)カーシート:マイクロファイバースエード「ラムース」
(24)表皮裏材:スパンボンド法長繊維不織布「エルタス」
(25)インサイドドアハンドル:ポリアセタール樹脂「テナック(メタリック調、低VOCグレード)」
(26)ドリンクホルダー:変性ポリフェニレンエーテル樹脂 発泡ビーズ「サンフォース」
(27)バッテリーセパレーター:リチウムイオン2次電池(LIB)用セパレーター「ハイポア」

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 なおAKXYは、5月24日から26日までパシフィコ横浜で開催される「人とくるまのテクノロジー展2017」の旭化成ブースに展示される予定だ。

 そして、最後に旭化成グループキャンペーンガールの大伴理奈さん。彼女の笑顔をアップでどうぞ!

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2017年5月18日(JAFメディアワークス IT Media部 日高 保)

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