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最終更新日:2016.11.14 公開日:2016.11.14

11月14日約70年ぶりのスーパームーン!

地球に最も近い他天体である月。一定の距離を巡っていそうだが、実は近づいたり遠ざかったりを繰り返している。

 近年、宇宙にあまり興味がない人でも耳にする機会が増えていると思われるのが、「スーパームーン」という言葉。

 何がどうスーパーなのかというと、地球と月との距離は変化するため、その年で地球に最接近する際の満月、つまり最も大きく見える満月のことをスーパームーンと呼ぶ(厳密には、最接近時と満月になる瞬間は若干の時間差がある)。

 地球~月間の距離は約38万kmといわれるが、これはあくまでも平均距離。月の軌道は楕円を描いているので、地球に接近したり離れたりを繰り返すのだ(ちなみに、1年間に3cmずつ地球から遠ざかってもいる)。

 そのため、最接近する距離も年によってまちまちのため、何十年ぶりの最接近などとなる場合もある。まさに2016年がそれで、約70年ぶりの最接近となり、11月14日22時52分にスーパームーンとなり、そのときの地球~月間の距離は35万6521kmとなる。最接近はその約2時間30分前になり、そのときの距離は35万6509kmだ。

 近年のスーパームーンは、2014年8月31日の35万8290km(この年は3回スーパームーンがあった)、2015年9月28日の35万6877kmもかなり近かったが(満月時の距離ではなく最接近時の距離)、2016年はそれ以上である。

2016年の月の見かけの大きさの変化を表したグラフ。接近の仕方にも幅があるのがわかる。(c) 国立天文台

→ 次ページ:
2016年の最接近と最遠の月を比べてみる!

 逆に今年の月の最遠は4月22日14時24分で、40万6351kmだった。つまり、約5万kmもの差があるわけで、平均距離が38万kmであることを考えると、その8分の1以上の距離の変化があり、並べてみれば差が一目瞭然である。

 ちなみに最遠の月はマイクロムーンと表現されるが、スーパームーンほど一般的ではないようである(なお、スーパームーンは占星術用語が由来)。

 また、サイズ的な話をすると、プラネタリウムのドームのように、宇宙空間の星々が張り付いていると仮想した地球を取り囲む球のことを「天球」というが、惑星や星雲など、ある程度の大きさを持った天体は、天球上において見かけの大きさを表す「視直径」という単位で表される。

 11月14日のスーパームーンの視直径は、地球の中心から月までの距離をもとにした計算によれば、33分30秒角。1分とは60分の1度のことで、1秒は60分の1分のこと。33分30秒角ということは、0.5度より少し大きいというわけだ。

 たったの0.5度しかないの? などと思うなかれ。2本の直線を0.5度の差をつけてたったの1km進めただけで、その差は約8mにもなるのだ。

 4月22日のマイクロムーンの視直径は29分24秒。この差が、下の比較画像のようになるわけである。

 視直径で2016年のスーパームーンは、マイクロムーンの1.14倍。面積では1.3倍という具合だ。

2016年のスーパームーンとマイクロムーンの大きさの差(イメージ)。横に並べてみると差が一目瞭然。(c) 国立天文台

 なお、14日の月は15日火曜日の朝方6時ぐらいまで見ることが可能だ。

 ただ、残念なことに、全国的にこの日は、一部の島しょ地域を除いて関東から西は雨で、北日本も天気が崩れてくる模様。運がいい地域では、もしかしたら雲間から見られることもあるかも知れないので、空を見上げてみてほしい。

2016年11月14日(JAFメディアワークス IT Media部 日高 保)

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