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公開日:2026.02.27

注文した「マツダ スピリット レーシング ロードスター」がついに納車! ノーマルNDからの乗り換えは正しかったのか?【試乗レビュー】

受注予約開始後、すぐに販売枠が埋まった「マツダ スピリット レーシング ロードスター / ロードスター12R」。2Lソフトトップは貴重と考えた自動車ジャーナリストの山崎明氏はコアモデルを購入! ついに納車したとの一報を受け、率直な感想を語ってもらった。

文と写真=山崎 明

写真=マツダ

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なぜ日本には2Lソフトトップのロードスターが存在しなかったのか?

限定発売されたマツダ スピリット レーシング ロードスター(以下、MSpRロードスター)。過去の記事でNDロードスターオーナーである私の悩みを書いたわけだが、その後の展開についてご報告したい。

以前に書いたとおり、私にとって理想的なロードスターは2Lエンジンを搭載したソフトトップモデルなのだが、日本仕様はソフトトップが1.5Lエンジン、リトラクタブルハードトップのRFが2Lエンジンとボディタイプとエンジンが固定されていて、ソフトトップの2Lは選べなかったのである。

しかしこれは日本国内だけの事情で、海外ではND型発売当初から2Lソフトトップはラインアップされていたのだ。

なぜ日本でのソフトトップは1.5Lだけなのか。前モデルであるNC型は2Lエンジンを世界共通で搭載していたのだが、RX-8とプラットフォームを共有しなければならないという当時の親会社だったフォードからの条件もあり、ロードスターとしては大きく重いモデルとなってしまっていた。

そこでND型ではロードスターの原点に立ち返り、小型軽量であることに徹底的にこだわって開発されたのだ。

最もこだわった点は車重を1トン以下に収めることで、これを達成するためには1.5Lエンジンであることがマストだったのだ。

アメリカ市場では2Lのパワーとトルクが必須と要望されたため、仕方なく2Lを搭載したが、ND型はあくまで1.5Lを前提として開発されたのだ。

RFは必然的に車重が重くなり、車としての性格もGT的なため2Lとしたが、ND型はソフトトップと1.5Lエンジンの組みあわせがベスト、という信念から日本で売られるソフトトップは1.5Lにこだわったのだ。

マツダ スピリット レーシング ロードスター|Mazda Spirit Racing Roadster

マツダ スピリット レーシング ロードスター|Mazda Spirit Racing Roadster

コアモデル狙いでも急ぐ必要があった理由

今回MSpRロードスターとして国内でも2Lソフトトップが発売されたわけだが、これは「マツダスピリットレーシング」というモータースポーツ直系の特別なブランドの限定生産車、という理由で特別に認められたというわけだ。

このような経緯を聞くと、国内で2Lソフトトップを買えるのはこの限定車のみかもしれないと思うようになったのだ。前の記事に書いたとおり私が求めているのは「ゆとりのある大人のスポーツカー」としての2Lソフトトップなので、ややレーシーな装いのMSpRロードスターは少々ずれてはいるのだが、発注することを決意した次第である。

200台限定の12Rはまったく私のニーズに合わないので抽選には応募しなかった。私としてもこの761万円と高価なロードスターにどれほどの応募があるのか注目していたのだが、応募が始まって早い時点で既に5000件を越えているという噂がネット上で流れた。

最終的には応募は9500件以上に達し、その倍率は約48倍という凄まじいものとなった。こうなると12Rに応募して落選した人が大量に2200台限定のコアモデル(標準型)に流れる可能性があり、コアモデルは先着順につき早く動く必要があったため、発売日の朝一で注文書にサインをすることにしたのだ。ボディカラーは悩みに悩んだ末、黒いホイールとエアロパーツとのマッチングを考え、エアログレーとした。

この判断は正しく、多くの販売店で発売当日に確保した販売枠を売り切ったらしい。これはマツダとしても想定外で、当初は2年くらいかけて少しずつ売っていけば良いと考えて生産計画を立てていたらしいが、一気に売れてしまったため生産計画を根本的に見直し、8か月程度で全量を生産できるようにしたとのことだ。

いの一番で発注したことが奏功し、私のMSpRロードスターは1月に生産され、2月1日に納車となった。

写真左からマツダ スピリット レーシング ロードスター12R、マツダ スピリット レーシング ロードスター

写真左からマツダ スピリット レーシング ロードスター12R、マツダ スピリット レーシング ロードスター

約700kmの走行で感じたこと

500kmまでは3000rpm、その後初回点検までは瞬間的なら4000rpmまでOKという基準で慣らし運転中(この記事を書いている時点で走行約700km)なので、その範囲での印象をお伝えしたい。

まずエンジンだが、やはりトルクのゆとりは大きく、4000rpmまでの範囲でも十分な加速をしてくれる。但し、まだ高回転まで回していないので断定的なことは言えないのだが、軽快でスポーティなフィーリングという意味では依然として1.5Lの方が優れていると思う。

フライホイールが1.5Lのシングルマスからデュアルマスに変更されている影響もあるかもしれない。デュアルマスフライホイールは振動軽減など快適性向上が主目的のもので、構造上どうしても重くなってしまうのでレスポンスはシングルマスに劣る。

同じエンジンを搭載するロードスターRFはGT的なキャラクターなのでデュアルマスが合っていると思うが、なぜコアモデルとはいえモータースポーツ指向のMSpRロードスターにもそのままデュアルマスを採用したのかはいささか疑問である(12Rはシングルマスに変更している)。

もっとも、ゆとりと快適性を重視している私個人としてはデュアルマスは歓迎なのだが。

マツダ スピリット レーシング ロードスター|Mazda Spirit Racing Roadster

マツダ スピリット レーシング ロードスター|Mazda Spirit Racing Roadster

足回りはNR-A用の車高調整式ビルシュタインをベースにセッティングを変更したものということだが、齋藤主査によればスプリングはより硬い方向、ダンパーはよりしなやかに動く方向にセッティングしたということである。この方向性はアルピナが標準のBMWに対して行っているものと同じものだ。

この成果は十分に現れており、乗り心地自体はかなり硬めで路面の凹凸は忠実に伝えてくるものの、衝撃の角が丸められて鋭い突き上げはそれほど感じられず、洗練された乗り味となっている。悪名高い西湘バイパスの継ぎ目もしなやかに乗り越えてくれる。

一方でロールは少なく安定感が強く、ステアリングフィールもしっとりとしていて、コーナリングはノーマルのロードスターより私の好みに合っている。この乗り味は私にとって非常に歓迎できるもので、1クラス上の「大人の乗り味」と言って良い仕上がりになっていると思う。

マツダ スピリット レーシング ロードスター|Mazda Spirit Racing Roadster

マツダ スピリット レーシング ロードスター|Mazda Spirit Racing Roadster

MSpRロードスターはどんな人にお勧めか

このようにエンジン、足回りは(予想に反して?)私の希望通りに近い仕上がりとなっていて、とても満足度が高く、買って良かったと思っている。MSpRロードスターは標準ロードスターに対してかなり高価だが、それに見合う上質感を持ったロードスター、というのが私の結論である。

ポルシェなど上級スポーツカーからの乗り換えにはお勧めだ。もちろんサーキットでのラップタイムはパワーがある分速いはずなので、サーキットでラップタイムにこだわる人にもMSpRロードスターはお勧めである(フライホイールは交換必須だが)。

ただし、マツダの主張通り、ワインディングロードをライトウェイトスポーツカーらしく軽快に駆け回るのが目的であれば1.5Lの標準モデルがおすすめ、というのも事実であると思う。

だから、MSpRロードスターを買えなかった人も安心して標準ロードスターを選んでもらいたい。サーキットで腕を磨くのにも1.5Lの方が良いかもしれない。MSpRロードスターはキャラクターの異なった特殊なモデルと捉えた方が良いだろう。

特に若い人には値段も手頃で、トルクが少ない分マニュアルシフトを積極的に行う必要のある1.5Lをお勧めしたいと思う。

マツダ スピリット レーシング ロードスター|Mazda Spirit Racing Roadster

マツダ スピリット レーシング ロードスター|Mazda Spirit Racing Roadster

SPECIFICATIONS
マツダ スピリット レーシング ロードスター|Mazda Spirit Racing Roadster
ボディサイズ:全長3915×全幅1735×全高1245mm
ホイールベース:2310mm
最低地上高:145mm
最小回転半径:4.7m
乗車定員:2人
車両重量:1070kg
総排気量:1997cc
エンジン:直列4気筒
最高出力:135kW(184ps)/7000rpm
最大トルク:205Nm(20.9kgf-m)/4000rpm
トランスミッション:6速MT
駆動方式:FR
WLTCモード燃費:15.2km/L
税込車両価格:526万5700円

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