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公開日:2026.02.26

トヨタ「セリカXX」で黒木美珠が公道ドライブ! 往年の名車が教えてくれた“走る贅沢”とは【試乗レビュー】

トヨタ セリカXX 2000GT(GA61)

トヨタ「セリカXX」は今なお世界中のファンに愛される名車です。……でも、それは当時を知る世代だけのもの? Vintage Club by KINTOの特選旧車レンタカーでセリカXXに乗れると聞き、自動車ライターの黒木美珠さんが試乗。往年の名車で走るとはどういうことかを確かめました。

トヨタ セリカXX 2000GT(GA61)

文=黒木美珠

写真=成田颯一

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リアルタイムを知らない世代にとってのセリカXXとは

セリカXX(セリカ ダブルエックス)。1981年から1986年にかけて販売されていたこのクルマは、私が生まれるよりも前の存在です。つまりリアルタイムを知らない世代にとっては、歴史の中の一台とも言える存在。憧れというよりは、どこか遠い、自分とは接点のないクルマだと思っていました。

しかし今回、Vintage Club by KINTOの車両として用意された車両と対面した瞬間、その認識は大きく変わりました。

目の前に現れたその姿は、まさに“現役”そのもの! 博物館の展示車両のように静かに佇んでいる存在ではなく、実際に公道を自由に走らせることができるのですから。決して過去のクルマではなく、生きた一台なのだと感じました。

博物館の展示車両のように静かに佇んでいる存在ではなく、実際に公道を自由に走らせることができるのですから。決して過去のクルマではなく、生きた一台なのだと感じました。

トヨタ セリカXX 2000GT(GA61)

トヨタ セリカXX 2000GT(GA61)

今回お借りしたのは、1985年式 セリカXX 2000GT(GA61)。

スペシャルティカーとして人気を博した「セリカ」をベースに、フロントノーズを延長し、直列6気筒エンジンを搭載することで、よりGTらしい余裕と存在感を与えられたモデルです。

今回のレンタル車両は後期モデルにあたり、同時代の高級パーソナルクーペ「ソアラ」と共通の1G-GEU型エンジンを搭載しています。滑らかに回る直列6気筒エンジンは、このクルマの性格を決定づける重要な要素のひとつ。

レストアされたエンジンルームはとても綺麗な状態でした

レストアされたエンジンルームはとても綺麗な状態でした

私は、初めて乗るクルマに出会うと、その名前の由来を調べるようにしています。どんな想いが込められ、どんな時代背景の中で生まれたのかを知ることで、そのクルマへの理解がより深まる気がするからです。

由来を調べてみると、セリカ(Celica)はスペイン語に由来し、「天空の」「天の」「神の」「天国のような」といった意味を持つ言葉だそうです。そこに未知数を表すアルファベット「X」をふたつ重ねることで、さらなる可能性や特別な存在であることを表現しているとのこと。

その名の通り、当時のトヨタが描いた理想のGTカーのひとつの答えだったのでしょう。単なる移動手段ではなく、ドライバーの感性に訴えかける存在。名前の意味を知ったあとで改めて目の前の車両を見ると、その伸びやかなシルエットや堂々とした佇まいが、より一層象徴的なものに感じられました。

旧車の運転は新感覚の連続

トヨタ セリカXX 2000GT(GA61)

トヨタ セリカXX 2000GT(GA61)

ドアを開けて運転席に座り、キーを回してエンジンを始動。「ブルン」とわずかな振動とともに目覚める感覚が伝わってきました。ボタンひとつで静かに始動する現代のクルマよりも、機械を動かしているんだと実感させてくれる瞬間。

走り出してまず意外だったのは、クラッチの軽さでした。旧車と聞くと、もっと重くて力のいる操作を想像していたのですが、実際には思ったよりも軽く、踏み込み量も少ないのです。

クルマと対話しながら街中を流す感覚は、ぜひ私と同世代のドライバーにも味わって欲しいです

クルマと対話しながら街中を流す感覚は、ぜひ私と同世代のドライバーにも味わって欲しいです

ただ、その軽さゆえに最初は少し戸惑いました。クラッチが軽すぎて、「あれ?ミートポイントはどこだろう?」と最初は探るのが難しく感じました。現代のクルマのように自然に発進できるわけではなく、こちらが歩み寄る必要があります。

けれど、その感覚がだんだん楽しくなってきます。

これほど貴重なクルマですから、乗ってみたい人もきっと大勢いるはずです。次に借りる人のためにも、大切にしながら走ります

これほど貴重なクルマですから、乗ってみたい人もきっと大勢いるはずです。次に借りる人のためにも、大切にしながら走ります

操作を重ねるうちに、このクルマの癖が少しずつわかってきて、「ああ、この子はこういう性格なんだな」と思えるようになると、ちょっとぎこちない動きさえ愛おしく感じられる。

アクセルを踏み込むと、エンジンの回転上昇とともに車体が前へと押し出されます。加速そのものに鋭さはありませんが、その分、回転の伸びや音の変化をじっくり味わうことができます。「もっと回してみたい」と自然に思わせてくれる感覚でした。

ただ、走り始めは少しだけ気を遣ってあげる必要があります。車両に搭載されていたマニュアルには、「走行開始直後は3000回転以上まで回さないように」と記されていました。長い年月を経て大切に受け継がれてきた一台だからこそ、まずは優しく労わるように操作してあげることが大切なのです。

そうしてエンジンや各部が温まり、クルマが少しずつ本来の調子を取り戻していく過程もまた、このクルマと向き合う楽しさのひとつだと感じました。

ネオクラに乗れば、誰でも特別な時間を体験できる

インパネまわりには物理スイッチがたくさん配置されていて、ワクワクします

インパネまわりには物理スイッチがたくさん配置されていて、ワクワクします

そして、このクルマならではの魅力がもうひとつ。リトラクタブルヘッドライトです。

ライトを操作すると、普段はボディの中に収まっているヘッドライトが「ピョコッ」と飛び出します。その動きがなんとも愛らしい。対向車に道を譲るための何気ない動作も、このクルマでは特別な瞬間になります。

リトラクタブルヘッドライトは世代を超えて愛される魅力がありますよね。また復活してほしいです!

リトラクタブルヘッドライトは世代を超えて愛される魅力がありますよね。また復活してほしいです!

街中を走っていると、周囲の反応も印象的でした。観光で訪れていると思われる外国人の方々から、熱い視線を浴びます。それはなんとなく予想していました。日本のネオクラシックカーは海外でも高い人気を誇り、このクルマの存在感は一目で伝わるのでしょう。

けれど、それ以上に印象的だったのは、スーツ姿の50〜60代と思われる男性が、歩きながらこちらを目で追っていたこと。通り過ぎてもなお振り返るその視線には、懐かしさや憧れといった感情が込められているように感じました。このクルマが現役だった時代を知る人にとって、セリカXXは単なるクルマではなく、記憶の中の特別な存在なのかもしれません。

トヨタ セリカXX 2000GT(GA61)

トヨタ セリカXX 2000GT(GA61)

セリカXXは、過去の遺産ではありません。今もなお、人の心を動かす力を持った存在です。生まれる前のクルマであっても、こうして運転することで、その時代の思想や空気を感じることができる。まるでタイムスリップしたかのような体験でした。

そして何より、このような貴重な一台を実際に運転できるということ自体が特別な機会。Vintage Club by KINTOの東京キャラバンでは、このセリカXXを2026年3月30日までレンタルできます。

貸出は「GR Garage 東京深川」にて行われており、料金は8時間3万円、24時間で3万5000円。以降は1日あたり3万円で、最長5日間までレンタル可能です。

写真や映像だけではわからない魅力を、ぜひ体験してみてください。

SPECIFICATIONS
トヨタ セリカXX 2000GT|Toyota Celica XX 2000GT
ボディサイズ:全長4600×全幅1690×全高1315mm
ホイールベース:2615mm
車両重量:1270kg
エンジン:1988cc 直列6気筒
最高出力:150ps/6200rpm
最大トルク:18.6kgm/5600rpm
トランスミッション:5MT
駆動方式:FR

INFORMATION
Vintage club by KINTO
https://rent-a-car.jp/reserve/meishin/stations/24000/cars/9081

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