開かずの踏切問題一歩前進？ 全国85か所の踏切道で対策が始まる。

いまだ未解決の「開かずの踏切」

(c)Caito – stock.adobe.com

　国土交通省は2022年12月16日、緊急に対策の検討が必要な踏切や、地域で課題があると認識している踏切などを「改良すべき踏切道」として、全国85か所を指定した。

踏切と道路が交差している道路を「踏切道」という。電車の安全な運行には欠かせないものの、乗り入れ本数が多い箇所では、車や人が滞留してしまうことも課題だった。いわゆる、開かずの踏切問題というものだ。

国土交通省では、踏切道改良促進法により基準に該当する踏切道の中から、交通量や事故の発生状況などを考慮し「改良すべき踏切道」の指定を行っている。

踏切道、どう改良する？

(c)beeboys – stock.adobe.com

　踏切道の改良には、さまざまな方法がある。例えば、立体交差化では線路を地下化または高架化することで、踏切を無くし問題を根本的に解決するというもの。

最近ではJR中央本線（三鷹駅〜立川駅間）の連続立体交差事業や、小田急線（代々木上原駅〜梅ヶ丘駅間）などが該当する。しかしこちらは周辺への影響が大きく、工事も大規模になる。

そのほか、歩行者などが横断できる立体横断施設の整備や、周辺迂回路の整備を行う方法、また線路はそのままに駅の改札口を増設することで人の行き来をスムーズにするという改良方法も検討されている。

「改良すべき踏切道」85か所を紹介！

(c)Caito – stock.adobe.com

　昨年12月に指定された全国の「改良すべき踏切道」85か所の中では、関東の踏切道が最も多く葛飾区で10か所。また鉄道会社としては京成電鉄が14か所と最多だった。

これらの踏切道は、今後改良に向けた話し合いが行われ、必要な対策が取られることとなる。長年、近隣住民を長年悩ませてきた交通渋滞が緩和するかどうか、期待が高まる。