2019年04月19日 02:03 掲載

鉄道他 翼の幅はなんと117メートル。超巨大航空機の開発プロジェクトに迫る!

幅117メートルという巨大な翼と、2つの胴体を持つ怪物のような航空機が大空を舞った。まるでSF映画のワンシーンに出てくるかのような、とてつもないスケールの機体の開発目的とは?

くるくら編集部 大坂 晃典

巨大な翼と2つの胴体を持つ航空機が生まれた理由

Credit: Stratolaunch Systems

 米国時間で4月13日(土)午前10時、幅117mの翼を持つ巨大な航空機が、カリフォルニア州のモハーヴェ砂漠にある空港「モハーヴェ・エアー&スペース・ポート」から飛び立ち、2時間半のテスト飛行を成功させた。スピードは最速で時速175マイル(約280キロメートル)、高度は15,000フィート(約4.57キロメートル)にまで達したという。まるでSF映画のようなとてつもないスケールの飛行機は、一体何のために造られたのだろうか。

 この航空機を開発したのは、宇宙ベンチャー企業であるストラトローンチ・システムズ社。宇宙に携わる企業が手掛けたことからもわかるように、将来的には宇宙開発に役立てられる予定だ。とはいえ、この飛行機が直接宇宙に飛び立つわけではない。機体の中央にロケットを搭載して飛び立ち、上空でそれを宇宙へと打ち上げるという壮大な計画に基づいて開発されたものだ。

亡き創始者の思いと8年の歳月

 プロジェクトを立ち上げたのは、マイクロソフトの共同創業者としても知られるポール・アレン氏。アレン氏は大の宇宙好きで、このプロジェクトに熱を上げていたという。巨大な航空機は社名を継いで「ストラトローンチ号」と名付けられ、2011年から開発がスタートした。今回のテスト飛行に至るまでに要した歳月は実に8年。このプロジェクトに精力を傾けたポール・アレン氏は、今回のテスト飛行を目の当たりにすることなく、昨年10月に65歳にして惜しくもその生涯を閉じた。

6年の歳月を経て、ついに飛び立った「ストラトローンチ号」。昨年逝去したポール・アレン氏も同じ空からこの光景を見守っているのだろうか。Credit: Stratolaunch Systems

 今回のテスト飛行を現場で見届けた、ストラトローンチ・システムズの最高経営責任者(CEO)であるジーン・フロイド氏は、アレン氏を思ってこう語っている。「彼がここにいてもいなくても、この航空機が優雅に飛び立った瞬間に、ポールに心からの感謝を込めて『ありがとう』と声に出してつぶやきました。こんな驚くべきことを実現させてくれたのですから」。

プロジェクト実現へ向けて

約117メートルという幅の翼が、大空を飛ぶ姿はSF映画さながらのインパクトだ。

 ストラトローンチ・システムズ社を立ち上げたポール・アレン氏が、最期まで情熱と資金を注いできた「ストラトローンチ号」。今回のテスト飛行は成功したものの、プロジェクトとしてはまだまだ初期の段階。最終的にはこれにロケットを積んだ状態で飛び立たなければならない。6基のエンジンを搭載した双胴の巨大な航空機は、民間宇宙開発の切り札となるのだろうか。今後のプロジェクトの経緯にも注目が集まりそうだ。

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