クルマのある暮らしをもっと豊かに、もっと楽しく

クルマ最終更新日:2018.04.03 公開日:2018.04.03

【モーターサイクルショー2018】バイクの旧車たちを集めてみた

sn180402-01-03.jpg

埼玉自動車大学校ブースで展示されていた和製ハーレーダビッドソンこと陸王内燃機関株式会社による「陸王」。1941年式。排気量750cc、最高出力22ps(kW)/4250rpm、最大トルク4.1kg-m(N・m)/3200rpm。ミッションは左手動3速、最高速は時速110kmをマークした。

 3月23日から25日まで開催された、第45回「東京モーターサイクルショー」。最新モデルだけでなく、往年の名車たちも多数展示されており、世代を超えて多くの来場者の熱い視線を浴びていた。ここでは、そうした往年の名車たちを紹介する。

レストアした「陸王」を展示した埼玉自動車大学校

 まず紹介するのは、和製ハーレーダビッドソンこと「陸王」だ。

 「陸王」がなぜ和製ハーレーダビッドソンといわれるかというと、実はライセンス生産だからだ。ハーレーダビッドソンは1916年から輸入販売が始まり、その後、ライセンス生産が行われるようになった。ライセンス生産されたハーレーダビッドソンは1935年に完成し、「陸王」の車名は公募によって選ばれたのだという。生産したのは、陸王内燃機関株式会社である。

 陸王の排気量は1200ccと750ccの2種類があり、官公庁や報道関係に納車されたそうだ。今回の展示車両は750ccである。

 なお、展示された「陸王」は平成5年に同学校に寄贈され、それを当時の講師と生徒たちで走行できるまでレストアした。それから四半世紀経ってはいるが、整備すれば現在でも走れるだろうということである。

sn180402-01-04.jpg

「陸王」を横から。しばらく走らせていないそうだが、整備をすれば走行が可能だという。さすがに車検を通すのは難しいということで、一般公道は走れない。

→ 次ページ:
スズキ「カタナ」を4連発!

スズキ「カタナ」専門店ユニコーン・ジャパンの4連発!

 国内外で人気を博したスズキの名車「カタナ」を専門に扱うユニコーン・ジャパン。同社はただの中古車販売ではなく、オリジナルパーツの製造や、スズキ純正パーツのリプロダクトパーツを扱っており、新車以上の美しさとコンディションを狙った「ビスポーク」、そしてその究極形という「アルティメット」などのレストアスタイルを施した「カタナ」も展示した。

 なおリプロダクトパーツとは、バイクのパーツから型どりしたり、場合によっては当時の金型を入手したりして、ユニコーン・ジャパンのようなサードパーティーが生産したパーツのことをいう。

sn180402-01-05.jpg

「GSX1400S カタナ」をベースに、同社のオリジナルパーツを装着したコンプリートモデル。オリジナルのアルミガソリンタンク、チタンコートスクリーン、カーボン製外装類、チタンコーティング・ゴールドインナーチューブなどを備える。カウル、サイドカバー、タンク、テールカウルは同じカタナでも「GSX1100S」のものを型どりし、「GSX1400S」専用に設計したそうである。

sn180402-01-06.jpg

「GSX1100SXZ カタナ」のビスポーク車両。ビスポークとは、テーラーメイドやオーダーメイドを意味する。「be spoke」が語源であり、「話される」を意味し、顧客からさまざまな話を聞き取り、可能な限り理解を深めた上で仕事を進めていくということだそうだ。展示車両は、大きな変更はマフラーとリヤサスペンションにとどめ、本来のデザインの優れたところを引き出すようにしているという。

sn180402-01-07.jpg

ビスポークスタイルの究極形である「アルティメット」仕様の「風神」。アクション俳優の舘ひろし氏は、TVドラマ「西部警察」や「あぶない刑事」などで「カタナ」に実際に乗ってアクションを披露してきたが、そんな舘氏へのオマージュというテーマで製作された。現在のセンスと技術をもって、「館カタナ」を作ったらということで、パーツをすべて分解してフレーム単体から作業をスタート。キャブレターはヨシムラ・ブラックアブソリュート、メーターはモトガジェットなど、これしかないというパーツで極力固めたという(入手できないパーツの代わりには、オリジナルで開発したパーツを採用)。さらに、「館カタナ」のイメージカラーのブラックを再現するため、フレームはツヤ消し、エンジンは7分ツヤから8分ツヤなど、同じブラックでもツヤの色合いまでパーツごとに調整したそうだ。

sn180402-01-08.jpg

「雷神」の名称が与えられた、アルティメット仕様の1台。アルティメット仕様の製作は、まずベース車両の全パーツの分解から始まる。隅々のバリ取りや溶接ビート跡の研磨作業から丹念に行っていく。エンジンもすべてパーツごとに分解し、ケース裏表のバリ取り、ブラスト加工、特殊耐熱加工などが施される。ミッションなどのWPC加工(ディンプル加工などともいう)、バルブ研磨、ポート研磨など、エンジン精度を限界まで上げるチューニングを施しているという。

→ 次ページ:
JAFブースでも往年の名車を展示! エンジン音も聴ける!

JAFブースでは「HAPPY BIKE!!」から2台+2台

 JAFはバイクを扱ったサイト「HAPPY BIKE!!」を公開中だ。その中にあるコーナーのひとつが、懐かしの名車のエンジン音をハイレゾ音源でも聴ける「名車図鑑」だ(リンク先は新しいタブで開きます)。今年のJAFブースもその中に収録したバイクを展示。カワサキ「Z900」とホンダ「NSR 250R」だった。

 なお、昨年展示されたヤマハ「RZ350」とドゥカティ「900 MHR」も併せて紹介しておく。

sn180402-01-01.jpg

1976年式のカワサキ「Z900」。総排気量903ccの空冷4ストロークDOHC直列4気筒エンジンは、最大出力81ps(59.6kW)、最大トルク7.3kg-m(71.6N・m)。全長2215×全幅830×全高1170mm。車重233kg。ちなみに、同車の名を継いだ最新モデルが18年4月2日から販売を開始した。エンジン音を聴きたい方はこちら

sn180402-01-02.jpg

ホンダのレーサーレプリカ「NSR250R」。サーキットでの技術がフィードバックされて、1986年から販売を開始した。展示車両は、1990年代前半から後半にかけて発売された最後期のモデル「NSR250R SP」のうちの1台。エンジンは249cc・水冷2ストロークV型2気筒、最大出力は45ps(33.1kW)、最大トルクは3.7kg-m(36.3N・m)。全長1975×全幅655×全高1060mm、車重132kg。エンジン音を聴きたい方はこちら

sn180402-01-09.jpg

東京モーターサイクルショー2017のJAFブースで、名車図鑑の1台として展示された、ヤマハ「RZ350」。”ナナハンキラー”と呼ばれた「RZ250」の排気量をアップさせた1台。エンジンは、347cc・水冷2ストローク並列2気筒、最大出力は45ps(kW)、最大トルクは3.8kg-m(37.3N・m)。全長2080×全幅740×全高1085mm、車重143kg。エンジン音を聴きたい方はこちら

sn180402-01-10.jpg

同じく東京モーターサイクルショー2017のJAFブースで、名車図鑑の1台として展示された、ドゥカティ「900MHR」。往年の名レーサーであるマイク・ヘイルウッドの優勝記念限定レプリカだ。エンジンは、864cc・空冷4ストローク・ベベルギアL型2気筒、最大出力は72ps(53.0kW)、最大トルクは8.5kg-m(83.4N・m)。全長2220×全幅699×全高1280mm、車重195kg。エンジン音を聴きたい方はこちら

2018年4月3日(JAFメディアワークス IT Media部 日高 保)

この記事をシェア

  

応募する

応募はこちら!(3月31日まで)
応募はこちら!(3月31日まで)