『Zパトカー』これカッコよすぎでは!? 警視庁最速のNISMO仕様
NISMO仕様の日産「フェアレディZ(Z34型)」のパトカー。警視庁に3台が配備されている。
パトロールカーにもさまざまな車種があるが、街中でよく見かけるのは、クラウン(トヨタ)が多いのではないだろうか。一般的なパトカーは犯人を護送するなど、人を乗せることも多いことからセダンが選ばれているという。
しかし、中にはレアな車種もあり、俗に「高速機動隊」などと呼ばれる「高速道路交通警察隊」には、スピード違反車を追跡するために速度の出る車両が配備されている。
そして現在、警視庁最速といわれるが、この日産「フェアレディZ(Z34型)」のNISMO仕様(フェアレディZ NISMO)だ。
Zパトカーを横から。Z34型は、ショートデッキ&ロングノーズが先代のZ33型よりも強調されるデザインとなり、初代「S30型」に近いデザインとなった。
このカッコよさは、パトカーとして反則ではないだろうか? というリアビュー。
NISMO仕様とは?
NISMO仕様Zパトカーは、背後に張りつかれたら絶対に逃げ切れないというオーラを漂わせる。
NISMOとは、ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル(NISsan MOtorsports International)のことで、世界的にその名を知られた日産のモータースポーツ部門。そして同時にモータースポーツで鍛えられたテクノロジーを市販車にフィードバックし、ハイスペックのパーツを市販したり、NISMOのチューニングを施した日産車を販売したりしている。
このNISMO仕様Zパトカーも、エンジン周り、足回り、エアロパーツなどが、スーパーGTマシンからフィードバックされるなどした高性能パーツへ交換され、そしてNISMOのプロフェッショナルたちによるチューニングが施されており、ノーマルの「フェアレディZ」よりも大幅に性能がアップしている。
日産から警視庁に納入されたのは2016年3月のことで、現在、警視庁には3台が配備。高速道路交通警察隊に配備されているが、こうしてイベントで展示されることも多い。
フロントビュー。迫力が違うため、こうした展示イベントでは、一緒に記念撮影する人たちも多い。
リアビュー。太いツインマフラーを見ただけでも、モータースポーツ仕様であることを感じさせる。右のテールランプ近くには、NISMOのロゴが見て取れる。
各部をアップで紹介!
フロント部分。専用LEDハイパーデイライト、専用フロントバンパーのNISMO仕様に変更されている。表からはわからないが、専用サスペンションとして、スプリング、ショックアブソーバー、スタビライザーも変更されている。
フロントタイヤ。ホイールはレイズ製アルミ鍛造に交換されている。ブレーキ周りは、専用高剛性ブレーキホース、高性能ブレーキフルード、4輪アルミキャリパー対向ピストンブレーキに変更されている。
車体下部のサイドシルプロテクターもNISMO専用。フロア下への空気の流入を抑制し、なおかつ後方への空気の流れを整流する。
リアスポイラー(リアウィング)とリアバンパーもNISMO専用だ。高速走行時のハンドリング、ステアリングレスポンスに加え、加速時のノーズアップを抑制している。
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パトカーとしての装備とNISMO仕様Zのスペック!
パトカーとしての装備
外見からわかる装備として、当然パトランプがあり、また助手席側のドアミラーが助手席に乗車している警察官の視界も考慮した2段構成となっている点がある。おそらく車内にも通信装備などがあると思われるが、そこまでは確認できなかった。
空気抵抗を考慮したV字型のパトランプ(赤色回転灯)。クラウンなどに装備されている上方に伸び上がる仕組みは装備されていない。
教習車や警察車両でお馴染みの2段構成の助手席側ドアミラー。
NISMO仕様フェアレディZスペック
サイズ・重量
全長×全幅×全高:4330×1870×1315mm
ホイールベース:2550mm
トレッド(前/後):1555/1580mm
地上最低高:120mm
車両総重量:1660kg
エンジン
排気量:3696cc
最高出力:261kW/7400rpm
最大トルク:374N・m/5200rpm
燃費:9.2km/L
NISMO仕様Z市販車両価格
7M-ATx(7速AT):640万1160円(税込)
6速MT:629万3160円(税込)
2017年8月4日(JAFメディアワークス IT Media部 日高 保)