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道路・交通最終更新日:2022.04.20 公開日:2022.04.20

自転車3人乗りは法律違反?親子の3人乗りが許される条件とは

手軽な移動手段として生活に密着している自転車。子どもの幼稚園や保育園への送迎に利用しているという人も多いはず。しかし、2人乗りや3人乗りをする場合には、ルールがあることをご存じだろうか。今回の記事では、自転車に子どもを同乗させる場合のルールについてまとめてみた。

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子ども2人と3人乗りに「幼児2人同乗基準適合車」

幼児用座席に乗車する幼児

幼児用座席に座る子ども © apple713 – stock.adobe.com

 自転車は日常生活における手軽な移動手段だ。買い物や幼稚園、保育園の送迎の際に子どもを自転車に同乗させるという機会も多いだろう。しかし、自転車は原則として1人乗りであることが都道府県の公安委員会が定めた道路交通規則で定められている。例えば、東京都道路交通規則101項では「自転車には運転者以外の者を乗車させないこと」と規定されており、これに違反すると道交法違反で2万円以下の罰金又は科料となってしまう。

 では、幼児等を乗せての2人乗りがすべて違反かというと、違反とならない例外がある。同規則によると、2人乗りが認められる対象は以下の通り。

16歳以上の運転者が幼児用座席に小学校就学前(※1)の子どもを1人乗車させる時

6歳未満(※2)の幼児1人を子守バンド等で確実に背負っている場合

1 6歳の誕生日を迎えた年度の3月末日まで ※2 6歳の誕生日を迎えるまで

子ども2人を乗車させる場合「幼児2人同乗基準適合車」でなければならない

子ども2人を乗車させる場合は、「幼児2人同乗基準適合車」でなければない © moonrise – stock.adobe.com

 では、子ども2人を同乗させた3人乗りは違反になってしまうのだろうか。引き続き、規則を辿ってみよう。これによると、「16歳以上の運転者が幼児2人同乗用自転車の幼児用座席に小学校就学前の子どもを2人乗車させる時」も、乗車人員制限の例外となることが規定されている。幼児2人同乗用自転車とは、運転者のための乗車装置及び2つの幼児用座席を設けるために必要な強度や制動性能等、一定の要件を満たした特別構造または装置を有する自転車のこと。つまり、子どもを自転車の前後に同乗させる場合には、3人乗り用に作られた自転車「幼児2人同乗基準適合車」が必要であるということだ。

「BAAマーク」(左)、「幼児2人同乗基準適合車」マーク(右)

「BAAマーク」(左)、「幼児2人同乗基準適合車」認識マーク(右) 出典=警視庁

 一般財団法人製品安全協会が定める安全基準によると、幼児2人同乗基準適合車の体重上限は前形の幼児用座席(前乗せタイプのチャイルドシート)が15kg、後形の幼児用座席(後ろ乗せタイプのチャイルドシート)が22kgとなっている。さらに安全基準を満たした当該自転車には「BAAマーク」に加えて「幼児2人同乗基準適合車」の認識マークがついている。

 ちなみに、子守バンド等で子どもを背負っている場合でも、幼児2人同乗基準適合車であれば前後いずれかの幼児用座席にもう1人同乗が可能である。注意しなければならないのは、幼児用座席に2人を同乗させた上で、さらに子どもを背負うことは違反となるということだ。

ヘルメット着用状態別 死者の割合(2007年~2011年)

ITARDAインフォメーションNo.97より「ヘルメット着用状態別 死者の割合(2007年~2011年)」 出典=ITARDA

 保護者には、13歳未満の子どもにヘルメットを着用させるよう努力する義務もある。これは、道路交通法第63条の11で定められているもので、保護者は子どもを自転車に同乗させる場合も、それが前後どちらの席であっても関係なくヘルメット着用をさせる努力義務がある。罰則はないが、ヘルメット着用で頭部を守ることは、子供の命を守るために必須だ。必ずかぶらせるようにしたい。

 少々古い資料ではあるが、ITARDAインフォメーションNo.97でも、ヘルメット非着用時と着用時では事故による死者の割合が4分の1にまで低下することが明らかとなっている。ただし、ヘルメットを着用していても、衝撃を受ける前にヘルメットが脱げてしまっては意味がない。着用とともに顎ひもを正しく締めることも重要だ。大切な子どもの命を守るために、正しい自転車選びと乗り方を心がけたい。

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