2022年01月24日 06:00 掲載

交通安全・防災 75歳以上の免許更新、違反歴があるドライバーに実車試験を義務付け

高齢ドライバーによる交通事故対策として、一定の違反歴がある75歳以上のドライバーに免許更新時の実車試験を義務付ける等、新たな内容が道交法に加わる。改正道交法は2022年5月13日に施行される。

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くるくら編集部 会田 香菜子

実車試験の合格率、事前実験では8割弱

高齢ドライバーのイメージ

© buritora - stock.adobe.com

 日本の社会は、高齢者人口が総人口の約28.4%を占める(2019年)超高齢社会である。当然、ドライバーの高齢化も下図のように急速に進んでいる。

75歳以上・80歳以上の運転免許保有者数の推移

出典=内閣府「令和2年交通安全白書」の「令和元年度 交通事故の状況及び交通安全施策の現況」から

 そして、池袋で発生した暴走事故など、高齢ドライバーによる交通事故が社会的な問題となっていることは言うまでもない。たとえば、前述の事故で問題となったブレーキとアクセルによる踏み間違い事故は、75歳未満では事故全体の0.5%であるのに対し、75歳以上は7%以上となる。

  こうした現状を踏まえ、高齢運転者対策を新たに盛り込んだ改正道路交通法が、2022年5月13日に施行される。高齢者に関わる改正としては、高齢者講習の内容の変更、手数料の改定とともに、運転技能検査制度が導入される。これは、75歳以上で過去3年間に一定の違反歴があるドライバーに、免許更新時の実車走行検査を義務付けるというものだ。

 兵庫県警が公表している資料によると、改正道交法での70歳以上の免許更新の流れや、運転技能検査の対象となる違反行為は以下の通り。

 運転技能検査の受検期間は、運転免許証の有効期間の満了日前の6か月間で(認知機能検査・高齢者講習と同じ)、この期間内であれば合格するまで何度でも繰り返し受検ができるという。また、前記の受験期間があるため、実際に対象となるのは10月12日以降に誕生日を迎えるドライバーからになる。

道交法改正にともなう高齢者の運転免許証更新時の手続きについて

道交法改正にともなう高齢者の運転免許証更新時の手続きについて 出典=兵庫県警

運転技能検査の対象となる違反行為(11類型)

運転技能検査の対象となる違反行為(11類型) 

 では、実車試験はどのくらい厳しいのだろうか。

 警察庁資料「改正道路交通法の施行に向けた調査研究報告書について」によれば、実車試験は教習所や免許センター等の定められたコースで実施され、100点満点のうち70点で合格。期間中に合格しなければ免許更新が不可となる。

 減点要因は、一時不停止(交差点に入るまで停止しないもの)や脱輪がマイナス20点で、2回行うと合格できない。車両全体が道路の中央線から右の部分へはみ出す走行や信号無視はマイナス40点で、一発不合格となるようだ。同資料によると、事前に行われた実車走行実験では、22.9%が不合格だったという。

 ちなみに、現在も70歳以上の高齢ドライバーの運転免許更新時には高齢者講習を受ける必要があり、75歳以上では認知機能検査が加わる。これらの点は、改正道交法でも同様である。

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