2022年11月01日 19:20 掲載

交通安全・防災 ドライブレコーダー動画のヒヤリハットで運転上手に!第3回「早朝ジョギング」


文=くるくら編集部

「二段階横断施設」にも注目を!

 少し脱線しますが、ここで、先に触れた交通島について解説します。この動画を視聴された際に、中央分離帯の中を移動する人たちについて、違和感を覚えた方もいらっしゃるのではないでしょうか?

赤い丸で囲まれた設備は「歩行者横断点滅機」などと呼ばれます。この光を点滅させている装置には、横断中、あるいはこれから横断する歩行者がいることを、周囲のドライバーに対して認識させる役割があります。手動でボタンを押して横断を周知させるタイプや、この動画のように、自動検知によって点滅するタイプなど、いくつかのバリエーションが存在します。赤い丸で囲まれた設備は「歩行者横断点滅機」などと呼ばれます。この光を点滅させている装置には、横断中、あるいはこれから横断する歩行者がいることを、周囲のドライバーに対して認識させる役割があります。手動でボタンを押して横断を周知させるタイプや、この動画のように、自動検知によって点滅するタイプなど、いくつかのバリエーションが存在します。

 この交通島を利用した無信号の横断歩道は「二段階横断施設」や「無信号2段階横断歩道」などと呼ばれるものです。各設備の呼称や配置位置については地域や道路のつくりによって変わりますが、もともとは横断歩道がない場所での歩行者の乱横断の対策として、全国での運用がはじまっています。

画像=国土交通省

画像=国土交通省

 警察庁が発表した資料によると、2021年において、歩行者の死亡事故の69.3%が横断中によるもので、65歳以上の高齢者に絞ると75.2%まで上がります。横断のリスクがこれほど高いことに驚きます。

 この二段階横断施設では、中央分離帯に歩行者用の待避所を設け、信号のない横断歩道を2回に分けて横断してもらう機能を備えています。歩行者による安全確認は、横断時に片側車線ずつで済み、一度に横断する距離も短くなるため、高齢者でも安全に横断することができます。さらに横断歩道は一本の直線ではなく、柵で囲ったうえで、互い違いがあるクランク型を採用することで、一度での無理な横断を抑制する効果もあります。

 今回の動画でも、もし二段階横断施設が設置されていなければ、後方確認を怠ったジョギング中の人が、さらに危険な位置やタイミングで飛び出した可能性もあります。また、動画の終盤には別の歩行者が交通島の柵を乗り越えそうな挙動を見せていますが、このような行動をとる人は、危険な横断を繰り返す傾向にあります。二段階横断施設のような設備は歩行者の行動を制限させ、ドライバーにとっても注意すべき場所が絞り込まれる効果を期待できそうです。

まとめ

 今回の動画のように、明らかに歩行者の行動に問題があったというケースは決して少なくありません。それでも、実際に自動車と歩行者と間で事故が起こった場合、自動車側も過失を問われることが多くあります。

 しかし、このように記録映像を残しておけば、もし事故が起きても、公平に判断される可能性は高くなるでしょう。車を運転する人は、自分を守るためにもドライブレコーダーは必ず搭載しておきましょう。

 また、あまり見慣れないつくりをした道では、車も人も、次の行動が予測しづらくなります。そんなときのために、今回の動画のような疑似体験を増やしておくことで、予測経験値が蓄積されます。これからも是非、このコーナーを運転技術の向上にお役立てください。

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