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道路・交通最終更新日:2019.08.06 公開日:2019.08.06

台風・豪雨によるクルマの故障を防ぐ5つのポイント

2019年の夏、局地的な豪雨や台風8号の影響により九州北部は大きな被害を受けた。JAF九州本部によれば、そのときはクルマの浸水被害の救援要請は合計235件あったという。クルマの浸水被害を防ぐため、JAF九州本部では5つのポイントを掲げている。

JAFが2010年に実施した、冠水しているアンダーパスを通過することを想定したユーザーテスト「冠水路走行テスト」の様子。水深60cmの冠水の場合、セダンでは坂路を降りて冠水区間に突入した瞬間、フロントウインドーにまで水が押し寄せ、完全にフロントグリルなどは水没、多量の水を吸ってしまい、エンジンが止まってしまう事態が確認された。詳細は、「JAF」のトップページから「交通安全とエコ(エコ&セーフティ)」→「JAFユーザーテスト(資料編)」→「水没テスト」で。動画も用意されている。

 台風が接近中である。このあと、何事もなく過ぎてくれればいいのだが、実は台風が過ぎ去ったあとも警戒を怠ってはならない。特に、クルマのユーザーならではの注意すべき点がある。

 実際、2019年7月20日に九州北部を襲った大雨では、福岡県や佐賀県でも多数のクルマが浸水被害を受けた。21日の段階で福岡県久留米地区を中心に九州全体で235件(速報値。内訳は福岡県199件、佐賀県36件)の浸水被害に関わる救援要請がJAFに対して行われたのだ。

クルマの浸水被害を防ぐ5つのポイント

 このような事態を受け、JAF九州本部では、これから台風などが増えて大雨の時期に入りつつあることから、大雨・集中豪雨時にクルマの浸水トラブルを防ぐ5つのポイントを発表している。

1 大雨・集中豪雨の際はなるべく運転を控える
 視界や見通しが悪くて事故に遭う危険性も高いため、運転を極力控える。いわゆる”ゲリラ豪雨”といわれる短時間の局地的な豪雨などは、ワイパーを最高速で稼働させても視界を確保できないほどのときもある。やむを得ず運転せざるを得ない場合は、安全第一で決して無理をしないこと。

2 周囲より低い位置にある道路を避ける
 地下道や鉄道などの下を通るアンダーパスは周囲から低い位置にあるため、雨水が流れ込みやすい。しかも、多量の雨水が一気に流れ込むと排水処理が追いつかなくなり、短時間で冠水、さらには水位が上昇して水没する危険性がある。そこを通過しようとすれば、まさに上画像のような状況になってしまう可能性があるのだ。

3 冠水している道路を避ける
 水深が浅そうに見えても、水面下の様子はわかりにくいため、水圧の変化などによりマンホールや排水路のフタなどが外れている可能性もある。その結果、落輪するなどの恐れもあるため、近道だからといって無理して通過せず、遠回りでも安全な道を通ること。実際、7月のJAFへの救援要請では、冠水路を渡ったことが原因と考えられる救援要請もあったという。

4 クルマの保管場所の安全を確認する
 駐車場や車庫が周囲より低い位置にある場合は、高い位置に一時的に移動させるなど、安全を確保しておきたい。また、すでに大雨が降っている最中に駐車場や車庫の様子を確認する際は、安全を確保した上で行うこと。豪雨の中で確認することにならないよう、あらかじめ保管場所の地形的条件は把握しておきたい。

5 万が一クルマが浸水してしまった場合は
 クルマは水没すると、水圧により窓やドアが開かなくなることがある。また車内まで浸水するような事態になると、シートベルトが外れなくなってしまうといった危険性も起こりうるだろう。乗車中にこうした非常事態に遭遇したときに備え、ウインドーを割れるハンマーや、シートベルトカッターを車内(それも手の届くところ)に常備しておくこと。また冠水してしまったクルマは、水が引いたあと、一見無事に見えてもいきなりエンジンをかけてはいけない。電気系統の漏電により、火災が発生する可能性があるのだ。中でも、ハイブリッドカーやEVなど、大容量バッテリー搭載車は注意が必要。専門家にきちんと確認してもらい、問題ないことを確認してから利用すること。


 足元の悪い雨の日こそ、クルマを利用したくなるもの。ただし、それが大雨になるとクルマが無事には済まない可能性もあるし、大雨が上がってもその直後は爪痕が残されている。油断せず、「自分や同乗者の命に関わる」という自覚を持って、慎重にクルマを運転していただきたい。

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