2018年02月18日 00:30 掲載

読者プレゼント & 展覧会情報 【2018/2/8~5/20】
夢想世界の住人ルドンが誘う
花の世界!「ルドン展」


色彩に溢れた装飾画へ

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[ドムシー男爵の城館の食堂壁画15枚のうち]A.《黄色い背景の樹》1900-1901年 木炭、油彩、デトランプ/カンヴァス オルセー美術館蔵 Photo©RMN-Grand Palais (musée d'Orsay) / Hervé Lewandowski / distributed by AMF

 本展覧会のみどころのひとつに、ルドンの作品の収集家で、親しい友人であったロベール・ド・ドムシー男爵の城館を飾った装飾画が介した大展示室がある。
 壁の上から下までを覆うほどの大判の作品群は、まさに植物と色彩の百花狂乱だ。水面のようにやわらかな色のグラデーションで描かれた背景に浮き出て咲く花々、木々と花々が幾重にも重なりあい調和をなす作品は、近づくと絵画の世界に入りこんだと錯覚するほどに美しく幻惑的である。

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[ドムシー男爵の城館の食堂壁画15枚のうち]D.《黄色い背景の樹》1900-1901年 木炭、油彩、デトランプ/カンヴァス オルセー美術館蔵 Photo©RMN-Grand Palais (musée d'Orsay) / Hervé Lewandowski / distributed by AMF

 三菱一号館美術館が収蔵する《グラン・ブーケ(大きな花束)》も、ドムシー男爵の食堂壁画の内のひとつであり、ルドンの装飾壁画作品全体の中でも最も重要な作品のひとつと言えよう。
 この作品でも、ルドンは花束を写実するのではなく、華やかで幻想的な独自の世界、花と夢が渾然一体となった小宇宙を描いている。

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《グラン・ブーケ(大きな花束)》1901年 パステル/カンヴァス 三菱一号館美術館蔵

 「天から授かったものに従うことも、自然の命ずることです。私の授かったものは、夢にふけることでした。」とルドンは言っている。黒の世界から色彩の世界へと足を踏み入れ、感じ取った自然を幻想的に描くことで、夢の世界を普遍化していったルドンの稀なる画業世界に触れられる展覧会である。

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