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クルマ最終更新日:2023.06.19 公開日:2020.04.24

エレベータにも乗れた!無人配送ロボット「YAPE」の建物内移動に日本郵便が成功

日本郵便株式会社(以下、日本郵便)は、2020年3月3日~4日にかけて配送ロボット「YAPE」の自律移動(自動運転)による実証実験を実施、ビルやマンションなど立体的な移動が必要になるシーンを想定し、エレベータの利用も検証された。

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日本郵便が配送ロボット「YAPE」の実証実験を実施

2020年3月3日~4日にかけて、日本郵便は配送ロボット「YAPE」の自律移動による実証実験を実施した。

出典:株式会社Drone Future Aviation

 日本郵便は2020年3月3日~4日にかけて、配送ロボット「YAPE(ヤペ)」の自律移動による配送実験を実施した。今回の実験目的は、屋内環境における配送ロボットの実用化の可能性の検証である。
ところで、そもそも「YAPE」とは何かというと、イタリアのハイテクメーカーe-Noviaの子会社であるYape社によって開発された陸上用配送ロボットだ。最新のAIが搭載されており、小道や狭い空間を機敏に動くことが可能。また、イタリア出身だけあって、ヨーロッパ特有の凹凸のある石畳などの路面でも、走行が可能だという。

独立した電気モーターを備えた2つの車輪でエネルギー消費を極力抑え、機敏な動きを実現するという構造になっている。この構造と「360度ヴィジョン」により、人間の目よりも早く障害物を予測することが可能。最大可搬積載量は70kg。大きさは60cm×70cm×80cmとコンパクトなサイズだ。

実証実験に参加したDFAは、日本郵便が実施した「POST LOGITECH INNOVATION PROGRAM 2017」の採択企業パートナーに選ばれている。

出典:株式会社Drone Future Aviation

 日本では、ドローンのオペレーションに特化した、株式会社Drone Future Aviation(以下、DFA)が「YAPE」の国内独占取扱権を有している。日本郵便が実施した「POST LOGITECH INNOVATION PROGRAM 2017」の採択企業として、同社が「配送ロボットの物流分野への活用実現に向けた実証実験の実施」パートナーに選ばれたという経緯があり本実験に参加、YAPEを提供した。

フロア間を自律移動で走行。エレベーターの自動乗降も可能

オートナビによるフロア間のルート設定、インターネットを介したエレベーターとの連動によりフロア間の移動が可能となった。

出典:株式会社Drone Future Aviation

 今回の実験では、エレベーター乗降を含めた自律移動によるフロア間の配送を実施。個人宅やオフィスへの配送をするにあたって必要となる、エレベーター等による立体移動の可能性を実証することが狙いだ。

実験の結果、オートナビによるルートの設定や、インターネットを介したエレベーターとの連動により、「YAPE」からエレベーターに扉の開閉や指定階の指示を出し、フロア間の移動が可能であることが実証された。今回設定されたルートは、14階のメールセンターで社内便を積み込んだ後、9階や6階のオフィスフロアの指定場所まで配送し、その後再びセンターへ戻るルートだ。停止時やエレベーターの降車時には、音声アラートが流れるなど安全面にも配慮されている。

「YAPE」から送信されるメール画面を車体のセンサーにかざすことで、本体上部のロックが解除される。

出典:株式会社Drone Future Aviation

 気になるセキュリティー面については、「YAPE」が指定場所に到着すると送信されるメールによって個人認証が可能。車体前方のセンサーに、受信したメール画面をかざすことでロックが解除され、荷物が受け渡しできる仕組みとなっている。

2019年、福島県双葉郡浪江町ではふたば自動車学校敷地内の道路を自律走行、同県南相馬市では災害公営住宅で屋外の実証実験も行われた。それらの実証実験では、歩行者の飛び出し回避、自転車とのすれ違い、自動車の一時停止確認後の横断歩道横断など、より実際の環境に近い実験を行い個宅配送できることが確認されている。深刻な人手不足などの社会的課題を解決するためにも、このような配送ロボットによる自動配送実用化への期待は高まる。また、新型コロナウイルスの流行を考えても、感染リスクのないYAPEのような無人配送ロボットのニーズは高まりそうだ。

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