2018年09月29日 00:59 掲載

ニュース・プラス 地震後のレシピ検索ニーズを調査。
「電気を使わないご飯の炊き方」や「パンの作り方」が人気だった。


JAFメディアワークス IT Media部 大槻 祐士

 クックパッド株式会社は、9月6日に発生した北海道胆振東部地震と、2016年4月14日に発生した熊本地震発生後のレシピ検索動向から、被災地域におけるレシピ検索についての分析結果を発表した。

 これにより、被災地の状況変化とレシピ検索が密接に関係していることが明らかになっている。

レシピ検索頻度一時的に大幅減少。

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北海道胆振東部地震前後の検索数の推移。発生から3日後に検索数が回復している。

  まずは北海道胆振東部地震の検索頻度から見てみよう。グラフは震度5弱以上の揺れを観測した地域(震源地からおよそ75km圏内)において、地震発生3日前を100とした場合のレシピ検索回数の推移である。

 北海道全域のレシピ検索頻度は地震発生後に大幅に減少、一時的に73%減となっている。ライフライン復旧に伴って徐々に検索頻度は回復し、約3日で地震発生前の水準に戻った。

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熊本地震発生前後の検索数の推移。前震時は夕食後だったため大きな低下はないが、本震時に大きく低下した。

 つぎに熊本地震発生時の検索頻度を見てみよう。こちらのグラフも同様に、震度5弱以上の揺れを観測した地域(震源地からおよそ75km圏内)を対象とし、前震発生3日前を100として、レシピ検索回数をグラフ化している。

 前震発生が夕食後の時間帯だったため検索頻度への影響が出ていないが、翌日の検索頻度は大幅に減少している。本震発生後に最も検索頻度が減少し、前震3日前に対して77%減となっている。北海道と比べるとゆっくりではあるが、5日後には約60%まで検索回数は増えている。

 はたしてそのような被災時に検索するワードはいったいどんなものなのだろう。

地震発生直後の検索ワードは「ご飯の炊き方」に集中

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北海道胆振東部地震(震度5弱以上)の地域における、2018年9月3日〜9月9日の検索キーワードの推移。出典:クックパッドの検索データ分析サービス「たべみる」

 北海道胆振東部地震(震度5弱以上)の被災地域を対象とした、クックパッドのレシピ検索ワードの推移をまとめたのが上表である。検索ワードと閲覧データを分析し、地震発生前後で比較すると時間経過に伴い検索キーワードに変化があったことから、災害発生時に必要なレシピは日を追って変化していくことがうかがえる。

 9月6日の地震発生直後には「ご飯の炊き方」に関する検索が大幅に増加。3位に「土鍋でご飯」や5位に「炊き方」が入っていることから、北海道全域の大規模な停電により電子炊飯器が使用できず、ガスを使う土鍋や圧力鍋を使った炊飯方法が検索されたと考えられる。

 9月8日からは「パン」の検索が上昇しているが、一体なぜなのだろうか。

なぜパンが注目されるのか

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地震発生3日前の検索数を100とした時の検索増加率のランキング。

 北海道胆振東部地震と熊本地震の被災地域(震度5弱以上)における、レシピ検索ワードの増加率をまとめた上表を見てみよう。北海道と熊本の検索ワード増加率を比較すると、どちらも地震発生の数日後に「パン」に関する検索が上昇している(上グラフの水色部分)。特に北海道においては「パンの作り方」を知りたいというニーズが顕著に上昇していることがわかる。

 クックパッドのSNSアカウントに寄せられたコメントによると、スーパーなどで食材が品薄になる中、小麦粉をはじめとした粉物は比較的手に入りやすい状況にあったという。また、「ご飯ばかりで飽きが生じた」「停電によりパンの生産・入荷が止まり、パンが食べたい」などの事情が重なり、パンの検索頻度が上昇したと考えられる。

 「パン」と組み合わせて検索されているキーワードには「フライパン」「牛乳なし」「ノンバター」があり、限られた食材を使い、電気の無い状況でもパンを作ることのできるレシピが求められていることも分かる。

災害発生時に役立つレシピ

 同社は、災害発生時の生活において「食」が心身を支える鍵になると考え、電気・ガス・水などのライフラインが制限された状況下で役立つ「災害時にも役立つレシピ集」を公開している。今後も災害時に必要となる料理に関するノウハウの蓄積と、情報提供を行っていくそうだ。

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