アメリカでEVスクールバスが登場!レトロながらエミッションフリーのバスが通学の足として普及する!?
クラウン車体のEVスクールバス(C型)。(c) Business Wire
世界中の公共交通で、エミッションフリー(CO2排ガス規制)化の動きがみられる。通学の足としてアメリカで長い間、活躍し続けているスクールバスに、この度はじめてEV(電気自動車)が登場したことを米Business Wireが伝えた。
1830年代から存在する米スクールバス
米国でのスクールバスの歴史は古く、1830年代の馬車式にその起源をさかのぼる。1930年代になると法律により、他のバスと区分するために黄色(スクールバス・イエロー)の塗装と安全のための独自の装備が施されるようになる。
1927年創立のスクールバス製造会社ブルーバード社(Blue Bird Corporation)は1948年、「オールアメリカン」と呼ばれる箱型車体(D型)の車両を発表し成功を収めた。これは当時ベビーブームによる人口の急激な増加により、丈夫でシート数の多いスクールバスの需要が高まったためである。
アメリカに現存する3大スクールバス・メーカーのひとつであるブルーバード社は、プロパン動力や圧縮天然ガス動力といった代替燃料をいち早く導入してきたが、今年1月にEVスクールバスを発表。現在アメリカ各地でお披露目ツアーを行っている。
EVスクールバスとして発売されたのは、冒頭の写真で紹介したクラウン車体のブルーバードビジョン(C型)と、オールアメリカン(D型)モデルである。
オールアメリカン(D型)モデル。(c) Business Wire
C型もD型も、古き良きアメリカを思わせるレトロなデザインに、フロントにはブルーバードのロゴがついた、環境にやさしいスクールバスの登場である。
160kWhのリチウムイオン電池の容量は、1回の充電で100~120マイル(約160~190km)の距離を走行可能とする。バッテリーは7年間の保証期間を有し、一晩で充電が完了する。
スクールバスは、全米でおおよそ44万台が存在し、毎日約1,800万人の生徒を学校に運んでいるという。そんなアメリカの学校のシンボルのひとつでもあるスクールバスが、伝統のデザインを保持しつつエコに生まれ変わることに、各学校関係者や市民から賛同の声が挙がっており、既にいくつかの学校から注文を受けていることをブルーバード社が伝えている。
2018年4月13日(JAFメディアワークス IT Media部 荒井 剛)