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クルマ最終更新日:2018.07.14 公開日:2018.07.14

路面電車がいる場合の交通ルール

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写真内の青い標識が何を示しているかご存知だろうか。答えは記事の後半で!

 先日旅行先でクルマを運転していたところ、路面電車に遭遇した。私は東京に住んでいるため、路面電車の付近を走ることはめったにない。そのため「あれ? 路面電車のそばを走る時ってどうするんだっけ?」と、一瞬困惑してしまった。

 運転中に知らないことがあると、誰でもつい不安になるもの。そこで今回は、自動車教習所で教わっているはずだが、つい忘れがちな交通ルールについて紹介したい。

路面電車と併走する場合の交通ルール

 路面電車は限られた地域でしか遭遇することがないため、自動車教習所でルールを教わっていても忘れてしまっている人が多いかもしれない。実際、私も急に路面電車に遭遇して戸惑った。しかし、基本的なルールを押さえていれば、心配なく運転することができる。

 慣れていない道で、急に路面電車に遭遇すると、まずは「線路を跨いで右折してもいいのだろうか?」という疑問が生じる。原則として、路面電車の軌道敷(道路上において路面電車が通行するのに必要な部分)内を走行することは許されないが、右折をする時など、やむを得ない場合は通行することが可能だ。しかし、右折の合図を出して待っている間は、軌道敷内に入らず、走行車線で待たなければならない。

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路面電車は文字通り「路面を走行している電車」なので、写真のように線路と車道が交差する場所も多く見受けられる。なお、路面電車が走行するための軌道敷は「レールの幅に左右それぞれ610mmを加えた部分」と定められている(軌道建設規程 第11条)。

→ 次ページ:
軌道敷内の走行と安全地帯について

軌道敷内の走行

 続いては、道路上において路面電車が通行するのに必要な軌道敷内の走行について紹介する。軌道敷内の走行は原則禁止だが、下の軌道敷内通行可の標識があるところでは走ることもできる。この場合の走り方は、道路交通法第21条3項に「軌道敷内を通行する車両は後方から路面電車が接近してきたときは、当該路面電車の正常な運行に支障を及ぼさないように、すみやかにエリア外に出るか又は当該路面電車から必要な距離を保つようにしなければならない。」と定められている。軌道敷内はあくまで路面電車優先と覚えておこう。

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軌道敷内通行可の標識。この標識があれば、軌道敷内でも上記のルールを守った上で車両の走行が可能だ。

安全地帯について

 路面電車のそばを走行する際は、安全地帯にも気を付けなければならない。安全地帯とは、路面電車を利用する人が乗り降りするためにある区画。小島のように車道の中に位置している場合が多い。そのため、人の往来が頻繁なことが多く、信号機がない場所でも急に人が飛び出して来る可能性が高いので注意が必要だ。

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安全地帯を示す指示標識。この指示標識を目にしたら、意識的に人の行き来に気を配りたい。

 そんな安全地帯に関して知っておくべきルールがある。

① 車両は安全地帯に進入してはいけない
② 歩行者がいる安全地帯のそばを通る時は徐行する
③ 安全地帯の左側と、その前後10m以内は駐停車禁止

 上記の3つのルールさえ覚えていれば、急に安全地帯を見つけても慌てずに運転することができるだろう。

 路面電車が身近に走っていない地域でしか運転した経験がない人は、すっかり忘れてしまっているかもしれないが、これらはすべて自動車教習所で学習する内容。旅行などで路面電車が走る地域を訪れる際は、改めてこれらのルールを確認しておこう。

2018年7月13日(雨輝・山里 真元)

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