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ライフスタイル最終更新日:2016.09.27 公開日:2016.09.27

第2.5回 そうめんが回るよ回る「そうめん流し器」Ver 2.0

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動くな! 芝大門署グッズ特別捜査班だ!!

 おう、大間啓(おおま・けい)だ。グッズや小型家電専門のその便利さや使い勝手を実際にハコを開けて捜査を行う、芝大門署の特別捜査班、別名”芝大門バイス”のデカだ。

 俺のこと、覚えてくれていたか? でも、家電量販店とかで見かけても、店内ではサインを求めないでくれよな。お店に迷惑がかかるし、捜査(買い物)中かも知れないからよ。…いっとくけど、芝大門署のオマケって覚えんなよ!

 さて今回は、以前から長いこと内偵を進めていたある小型家電を、いよいよ取り調べることになる…はずだった。

 第1回で課長から受けた指令「夏らしいもの」を調べるというあれ。まだ続けてるのよ。しかし、もう10月も目前で、どうにもこうにも夏なんてどっこかにいっちまったけどな! はっはっは。段取りが悪いわ、遅筆だわでこんな時期になっちまったよ(汗)! …あ、これ、中の人のいいわけな。

なんじゃぁ第2.5回って!?

 でも、それよりも最大の疑問は、タイトルにある第2.5回…のはず。第2.5回ってなんじゃそりゃ…? だよな。これが、いろいろとあったのよ。いや、いろいろはねーわ。

 実は一度、リポートを提出したんだけどよ、これがなんと、ピンクすぎて掲載不可! 過激すぎて、「これは無理だよ」! しかし、それがどういうわけか、内部的に評判だけはよくて、どこかに載せたいよねぇ…といってもらえてさ。

 というわけで、そのピンク部分をカットしたVer2.0として、第2.5回として掲載することで、幻の第2回があったってことにしてしまえ! ってなわけよ。

 第2回よ、お前ってピンク過ぎてボツった原稿があったことを、俺は生涯忘れないぜ!! まぁ、想像してみたい読者の方は、どれだけ過激だったのか、あれこれ妄想して楽しんでくれ。

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そんなこんなで今回は「そうめん流し器」だ!

「そうめん流し器」の回なので、来年の夏にもまた読んでくれ!

 ともかく、今回、俺はある小型家電に目をつけていた。何かというと、「そうめん流し器」だ! 今さらかよ!! 季節ものの記事を書くときは、すばやく記事にしないとこうなるぜ! という、まさに悪い見本だ。ぜひ、来年の暑くなった頃にまた読んでくれ。いや、こうなったら、その頃にこそっとタイトルを変えて再掲載しちまうか。手間も省けて記事も増やせて一石二鳥ってやつだな。

 何はともあれ、そんな内部的な話はさておき、そうめん流し器に話を戻そう。そうめん流しといえば、夏のイベントのひとつだよな。竹で作った流し台でそうめんを流して食べるのは、大人も子どもも大喜びだ。俺はそんな経験したことないんだけどよ。

 その竹の流し台をプールに置き換え、モーターの力を使って水流を作って流れるプールとし、そうめんを延々とループさせる…。開発者の発想はすばらしく、実に見事だ。コロンブスの卵的で、感銘を覚えるぜ。

 しかし…。疑問があるのも事実。本当にそう都合よく流れるのか? きれいにそうめんを箸ですくえるのか!? そんな疑問は、俺が確かめて明らかにするしかない!

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今回、取り調べるのは、この小型家電、そうめん流し器だ!

長いこと内偵していた…はず

 「大間さん」

 そこへ現れたのは、経理の麗しきA女史。数少ない、俺に話しかけてくれる人である。女性じゃ、かーちゃんを除けば、署内外問わず唯一かもな。交通課の婦警なんて、ロコツに避けてるもんな。はっはっは…はぁ~。

 「3日前に提出されたそうめん流し器の領収書ですけど、書類に不備があるので、直して再提出してください」

 「あ、いや、それはすみませんでした…」

 …いっとくけど、領収書を出したのが3日前であって、その日に思いついて、慌ててそうめん流し器を買いに行ったわけじゃないぞ。決してな。

 しかしA女史、本当に俺によく話しかけてくれるな。「受け取りました」「ありがとうございます」「不備があるので直してください」ぐらいしかいってくれないんだけど、あれは照れだな! 間違いなく、脈があるぜ!? おい!

 二十も年下の若い子をそんな気にさせちまうなんて、俺も罪作りだな…。自分で自分を逮捕しちまうってか? うっしゃっしゃ(笑)。

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浮かれてないで、脳内取り調べ(妄想ともいう)を早速開始だ!

そうめん流し器を早速取り調べるぜ!

 俺は少々浮かれてしまって、思わず脳内でお花畑を1kmぐらいスキップしちまったが、気分を入れ替えて、脳内取調室で取り調べをすることにした。

 脳内取り調べは俺だけの特殊能力、グッズや小型家電を擬人化していろいろ聞き出す、もはやス○ンド能力といっていいような能力だ! …ただの妄想ともいうけどな。

 ちなみに、脳内取調室ってのは、俺の頭の中にある想像の取調室だ。薄汚れたコンクリートの壁に囲まれ、鉄格子のはまった小さな窓がひとつあるだけの殺風景な、取調室・オブ・取調室。そこには、容疑者や重要参考人と向き合う古びたデスクが中央にあり、部屋の角には相棒の刑事が取り調べの内容を記録するための机があるという具合だ。相棒、いねーけどよ。

 いっとくけど、ここでの取り調べはキツイぜぇ。口を割らないヤツには、伝説の80年代ポリスアクションドラマや、伝説の5人組コミックバンドの身体を張ったコントのように、どんなことをしてでも吐かせるぜ。

 殴る蹴るのシンプルで効果バツグンの暴力行為はもちろんのこと、ガムテープで顔をぐるぐる巻きにして引っぱがす、服の下に風船を入れてどこまで膨らむか限界に挑戦するといった、訓練を受けた屈強なスパイすら青ざめるような危険極まりない拷問を加えるからな! 俺がルールの脳内だから、ハードな取り調べをしても、おとがめなしってなもんよ!

 というわけで、まずは観察だ。そうめん流し器のキャラクターを想像するぜ。うーむ、こいつ、ピンク色か…。くびれもあるし、まるでへそを出してるみたいだな…。

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この色味といい、くびれといい、ヘソ出しルックといい…。

「名前は?」
「…パール金属の『嬉しクルクル 電池式 フロストそうめん流し器〈S〉(クリアピンク)』だよ。いったい、何なのさ!」
「Sサイズか。ということは、兄弟姉妹にはLLとか他のサイズもいるのか?」
「そうだよ、何か文句ある! アタイが何をしたっていうんだよ!?」

 なんと! こいつは、絶滅危惧種、レッドデータ入りしている女性用一人称『アタイ』の使い手か! 本当に、使うヤツ、いたのか!? 会ってみたかったんだよ! …まぁ、俺の願望が反映されてるんだから当然か。

「何をしたかしてないかは、これから調べるんだよ。ところでお前、その成形色といい、その口ぶりといい、オンナだな?」
「失礼なことをいうデカだね! アタイがオンナなのは、一目見りゃ、わかるだろ!」

 グッズや小型家電がオトコかオンナか。購入者の性別や年齢などが限定されている場合は簡単だが、今回のような老若男女問わずに使われるような製品の場合、性別や年齢などを判断するのは難しい。大概は、成形色から判断するしかないからな(つまり、同じ製品でもカラーの違いで男女が変わる)。

 ただし、今回は他にも女性っぽいイメージがあるので、わかりやすい方といえるだろう。

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そうめん流し器を徹底的に取り調べだ!

取り調べでそうめん流し器は3つのパーツがあることが判明!

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何か、俺のイメージする薄汚れた取調室とは違うのだが、取調室のイメージだぜ。

 俺のハードな取り調べは続くぜ。でも、取調室のイラストがホンワカ気味で、ちっともハードじゃないって!? 仕方ねーだろ、低予算の部署なんだから、俺の脳内イメージをイラスト化するには、無料素材サイトからダウンロードするしかねーんだよ。プロのイラストレーターには頼んでられねーの。そんなヤボなことを聞くなよ、ツラくなるから。

「ところで、お前、どうやってそうめんを流すんだ」
「何で、そんなことあんたに答えなきゃならないんだよ! 知らないね!! 知りたけりゃ、勝手に調べりゃいいだろ!」
「なかなか反抗的じゃねーか。そうか、なら覚悟しな!」
「デ、デカだからって、何をしてもいいってのかい!? 殴ったり蹴ったり、ひどいことしたら、訴えてやるから!!」
「残念だったな、お前に人権はないからな。裁判なんて起こせやしないし、ここは俺の頭の中だぜ!」

 俺はいうが早いが、早速こいつを手に取り、(妄想の中で)暴れるのを押さえつけてパーツごとに分解した。3つに分かれるようだ。さて、じっくりと拝ませてもらうぜぇ…。

 水を入れる『桶』(後列)と、その中央にセットして水流を作り出す『駆動部』(前列左)、そして駆動部にフタのようセットする『薬味入れ』(前列右)ってわけか!

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3つのパーツに分解。奥が桶、手前左が駆動部、手前右が薬味入れ。

 そして次のページ辺りから、いよいよ本格的(?)R-18展開を見せていたんだが、もちろん修正済みだぜ。老若男女誰が読んでも笑ってもらったり、なるほど~と思えたりする(はずの)、ナイスな文章にしたから、おじいちゃん・おばあちゃんが小さい子に読み聞かせてやっても大丈夫ってなもんよ!

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まずは中核パーツの駆動部から取り調べるぜ!

まずは駆動部の徹底的な調査だ!

 3つあるパーツは、それぞれ役目があるわけだが、中でも重要なのが駆動部だ。こいつがあるからこそ、「そうめん流し器」という家電になるわけだ。

「何、人をバラバラにしてジロジロ見てんだよ!」
「お前、人じゃねーだろ。それも、普通にパーツごとに分解しただけじゃねーか。よく見せてみろ。この駆動部が、3つのパーツの内で一番重要なんだな」
「…そうだよ、アタイの本体っていっていいパーツだよ」
「おう、素直になれるじゃねーか。最初から、そうやって答えれば、いいんだよ」

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こいつが中核パーツの駆動部だ! さっきまでの画像と机の色が違うのは、何度も取り調べてるからだぜ!

「しかしこのピンク色は…、まるで、シ○ア専用○クの太ももみてーな色じゃねーか」
「や、やめてよ! そんなオタクな目で見られたの、アタイ、初めてだよ!」
「何いってんだ、きれいなピンクだってほめてんだろうが。最上級のほめ言葉だぜ。この赤い○星が! そうめんを通常の3倍速く流してみろ!」
「アタイ、そんな無茶いわれたの初めてだよ…」

側面にふたつある謎の穴の正体は!?

 俺は、側面に穴があるのを発見した。前後にひとつずつある。何か重要な穴なのは間違いないな。こいついは、いったい何だ!?

「…むっ! おい、お前、これは何だ? 側面にあるこのふたつの穴は!」
「そ、それは水流口だよ! そこから水流が出て、桶の水を回すんだ。あ、あんまりジロジロ見ないでおくれよ!」

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前後面両方に設けられた水流口。ここから水が噴き出して、流れを作るぜ!

 そうか、基本的には流れるプールと同じ仕組みってわけだな? これで、一方向に水の流れを作るわけだ。ということは、ひっくり返せば、モーターなどがあるはず!

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駆動部を下から見せちゃうぜ。中央にモーターにつながったファン、前後面にそれぞれ水流口があるぞ。

「人をひっくり返して下から見るなんて失礼じゃないか! この、人でなし!
「内側のメカを見るにはこうするしかねーだろーが」

 やはり、こういう仕組みだったか…。モーターがファンを回して、水が一方向に向かって流れ出るようになっていて、それで水流を生み出すんだな。よく考えられているぜ!

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開梱デカのハードな取り調べは続く!

電池は単2を2本必要だ!

 続いては、こいつのエネルギー源を調べるぜ。コードレスなことからも、電池式なのは確かだ。何を食ってやがるんだ?

「おい、お前の主食は、乾電池だったよな? どのサイズの電池を使うんだ?」
「た、単2だよ…。単2を2本。アタイ、単2電池が2本ないと、何もやる気が起きないんだよ。単2電池、おくれよ!」
「やるから待ってろ」

 しかし、単2を使うとはなかなか珍しい。少なくとも、俺は単2を使うような製品を個人的には所有していないな。単3や単4なら常備している家も多いだろうが、単2はそうそうないだろう。こいつを購入するとき、一緒に買っといた方が無難だな。

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あまり他に使われている製品を俺は所有していないのだが、単2電池2本で動くぜ。

次は水を1.7L注ぐぜ!

 電池をセットしたら、次に必要なのは水だ! ただ、どれだけ入れればいいのかちゃんと知っておかないとな。

「じゃあ、次は水を注ぐぜ! どのぐらいの量が必要なんだ?」
「1.7Lよ…。駆動部に白の水位線があるから、そこまで入れて。あ、それからもちろんだけど、水を注ぐ前に駆動部を桶にセットしておいてよ。駆動部は向きがあるから、桶と印を合わせるのを忘れないで」
「1.7Lか。結構あるな。桶にセットする前に、駆動部には電池をセットしておいた方がよさそうだな。そして薬味入れ、と。薬味はどうするかな…。そうか、この薬味入れが、駆動部の電池カバーに水がかからないようにするわけだな」
「水は、桶を平らなところに置いてから入れてよ」
「わかってるよ。やけに親切だな」
「アタイだって、そうめん流し器の端くれだよ。アタイを購入してくれた人には、正しく使ってもらって、そうめんをおいしく食べてほしいからね…」

 なかなかいい心がけだ。アタイなどという、まるで昭和のスケバン(死語)のような一人称を使っていやがるから、もっと反抗的なヤツかと思っていたぜ。案外、根はいいやつじゃねーか。

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桶に駆動部をセットした後、水をたっぷりと入れるぜ。1.7Lってことは、1.7kg重くなるから注意が必要だぞ。

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いよいよ次はボタンを押して水を回すぜ!

駆動部の準備OK! 水もOK!

 電池の向きも間違えてないし、薬味入れもセットして電池カバーに水がかからないようにしたし、水もぴったり水位線まで注いで1.7L! 準備完了だ。いよいよスイッチを入れて、水を回すぜ。スイッチは、画像を見れば誰でもすぐわかると思うが、黒いゴム製のぽっちだ。俺はこのスイッチを見て、最初にへそみたいだと思ったぜ。それでは、「ぽちっとなっ」てな具合で、押してみるぜ!

 すると、モーターの駆動音がし始め、あっという間に水流が生じ、水が流れるプールのごとく回り始める。なかなか勢いのある水流だ。

まずは水だけで回転させてみせるぜ。ずいぶんと激しいぜ! まるで洗濯機だ!

続いてはいよいよそうめんを投入!

「次は、いよいよそうめんを流すぜ! ほら、できあいのを買ってきたからな。たっぷりと流してやるぜ!」
「待って! あんまり、一気に入れないで! 流れが悪くなるから。それから、もし水位線より下がったら、水をちゃんと足してよ!」

 一気にそうめんを流し込むのはダメらしい。なので、適量を取って少しずつ流す。おぉ! ぐんぐん回るぜ。マグロの回遊ならぬ、そうめんの回遊だ。流れが悪いときはほぐせばOKだな。

そうめんを流したぜ。そしてすくって食べるぜ!

 そうだ、忘れてた。箸を入れてそうめんをすくう前に、ガラスの器におつゆを作らないとな。スイッチを入れる前に作っとくんだったぜ。つゆは3倍濃縮だぜ。3倍と聞くと、ついシャ○専用か? って思っちまうなんて、因果だな俺も。

 薬味入れにわけぎを入れて、そこからおつゆに入れて、食べる準備は完了だ! 薬味入れからわけぎを取るのは結構取りづらいかも。でもなにはともあれ、準備もできたし、いよいよそうめんをすくうぜ!

 おぉ! 水の中に箸を入れるだけで、そうめんが自分からどんどん引っかかっていく! これなら、すくうのに苦労しないな。よし、早速つけて食べるぜ!

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普通にすくえて、食べやすい。うまい! 何の問題もなし!

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お前ならもっと太いめん類もいけるぞ!

もっと太いめん類が流れるか実験だ!

 そして俺は、流しては食べ、流しては食べた。あっという間に1袋を平らげちまったぜ。でも、何か足らねーな。もうちょっと食べたい気分だ。そうだ!

「お前、そうめん以外のめん類は流せないのか?」
「そんな! ダメだよ、刑事さん! アタイ、そうめん流し器なんだよ。説明書にだってそうめん以外はダメって書いてあるじゃん! カンベンして!! アタイ、壊れちゃうよ!」
「いや、待て、お前のこのパワー、見事な水流は、そうめん以外のめん類も必ずいけるぜ。ちょっと待ってろ!」

 いうが早いが俺は署を飛び出し、近所のスーパーであるものを購入してきた。

「け、刑事さん、それをアタイに流せと…!?」
「そうだ。…うどんだ! それも普通のだけじゃなくて、きしめんも買ってきたぜ!」
「そんな、やっぱりアタイには無理だよ、刑事さん!」
「どうした、お前。根性を見せてみろ! 俺に反抗的だった、最初の頃のガッツはどうした!」
「そんなこといったって…」
「自分で自分をそうめん流し器と、限定しちゃダメだろ。カラを突き破れ、限界を突破しろ! お前ならできる、うどんだろうがきしめんだろうが、いや、パスタや中華そばやラーメンだって流せるはずだ!!」
「い、いや、後の3つは流したら変だよ!?」
「グダグダいうな。怖がってないで、習うより慣れろだ! …まずは、きしめんを流すぞ!!」
「そ、そんな…! 無茶だよ、刑事さん…!!」
「おい、よく見ろ、ちゃんと回ってるぜ! こいつを平らげたら、次はうどんをいくぞ!!」

きしめんも余裕で流せるぜ! しかも思った以上にすくいやすいぜ!

続いてはうどんに挑戦だ! トライーッ!!

 きしめんがいけたんだから、うどんなんて余裕だろ?

「ちょ、ちょっと待って、うどんを一気に入れないで!」
「さすがにまとめて入れると、流れが遅くなるな。でもな、こうしてほぐせばなんとかなるぜ!」
「本当だ…! アタイ…、そうめん以外も大丈夫なんだ。きしめんもうどんも流せたんだ!!」
「さすがに多いと流れは悪くなるが、ほぐせば、ちゃんと回るぜ! お前はこれで、ただのそうめん流し器から、『うどんやきしめんも流せるハイパワーなそうめん流し器』になったんだ! お前は生まれ変わったんだ!!」
「刑事さん…、アタイ、やったんだね…!!」

今度はうどん! 一気に1袋分を入れてしまったせいか、ほぐすまでは流れが悪かったぜ!

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そうめん流し器の運命は!? そしてあまりにもニガすぎるラスト!

かくしてそうめん流し器もゲットする開梱デカであった!

 ちなみに、今の一般的な機械製法では、乾めん類の内、そうめんは直径が1.3mm未満のものをいい、ひやむぎは1.3mm以上1.7mm未満、うどんは1.7mm以上ってJASで決められてるんだぜ。きしめんは、幅4.5mm以上、厚さ2.0mm未満だ。手打ち式はまたちょっと違うらしいけどな。全国乾麺協同組合連合会の公式サイトで確認したぜ。

 俺は合計3袋も食って、すっかり腹一杯だ。我ながら見事な取り調べだったな。前回の取り調べも食べたけど、今回も食べたな。眠くなっちまうぜ。シエスタでもするか。

 ちなみに、試しにそうめん流し器を30分間連続稼働させたが、電池がへたることはなかった。新品の電池なら、少なくとも連続で1時間はいけることだろう。

「刑事さん、アタイ、これからどうなるの?」
「お前はな、これから俺のために、そうめんを筆頭に、ひやむぎやうどんなども流すんだよ」
「でも、もう秋だし、来年の暑い時期まではアタイ、しまわれちゃうんだよね…?」
「そうだな…。お前のことは必ず思い出して、来年の夏にはめん類を流しまくってやるから、大人しく待ってるんだぜ」

 夏の終わりを思わせるような、切なげなシチュエーションだが、もう完全に季節がひとつずれてるし! 段取りの悪さで台無しだ! そのだらしないスケジューリングを何とかしろ!

 ともかく、こうして、そうめん流し器も高評価を得て、そしてこれまた芝大門バイスの所有となるのであった。芝大門バイスは俺ひとりしかいないから、結局のところ、そうめん流し器も俺のものみたいなものなんだけどな。来年、また使ってやるぜ。それに、別に冬に使ったって犯罪ってわけじゃないんだから、夏以外の季節に引っ張り出すのもありだな。

 こうして、そうめん流し器に対する(脳内)取り調べは終了した。

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そうめん流し器。正直、秋になっちまったのは残念だが、寒くなったって使おうと思えば使えるぜ!

ハードボイルド!! 泣きたい心を軟弱な意志で包んでるぜ!

 しかし、このまま本当にしまっちまうのも何だな…。予想外に使えたからなぁ。めん類が回る様子は見ていてなかなか楽しいし。プライベートで、1回ぐらい使わせてもらってもいいよな?

 うん、待てよ…! そうか、75本とか75g食べれば!! そうめんだけに、そうめん’75じゃねーか! なーんちゃって(笑)。

 いやー、俺ってばそんなこと思いつくなんて、ハードボイルドだぜ! さすがに75束や75袋だと、多すぎだけどな!

 でもなー、一人で食べるってのも寂しいもんだ。対面に座ってもらえば、このSサイズでも二人で食べられるから、誰か誘ってみるか!

 となったら、やっぱり、A女史しかいねーよな。何だよ俺、ちゃんと伏線張ってるじゃん! 年の差がありすぎて何だけどよ!

 俺は急いで書類の不備を直してA女史のところへ持って行き、他の人もいる手前、書類に付せんを貼ってこっそりお誘いしてみた!

 その手が付せんに伸びる! おーしおし! はがす! OKか!?

 そして、女史は目もくれずに、残像現象を起こしそうな勢いで破き始めて、そこまで小さく破くの? というぐらい、破いては重ねて、破いては重ねてと次々と半分、その半分にしていく! そのままパルプ繊維の1本1本にまで分解しそうな勢いだ!!

 そして、最後はまるで汚物でも扱っているかのように、傍らのゴミ箱に投げ捨て、除菌スプレーを吹きかけ、手はアルコール除菌シートで念入りに拭くのであった…。その間、わずかに5秒!

「直ってるみたいですね。大丈夫です。受け取りました。ご苦労様です」

 まるで何事もなかったような、冷静な応対。俺の想いは、あっさり事務的に処理された。天然シュレッダーにかけられて。

 このあまりにもニガすぎる展開に、俺はバナナでクギが打てるぐらいに瞬間冷凍するしかなかった! バラもご覧の通り、パリパリのバラバラだぜ!!

 そして、凍てつき、ブリザード吹きすさぶ俺の脳裏には、女性コーラスをメインとした、あの荘厳で重厚なテーマソングが流れてくるのであった。何だか今日は、無性に何人かで横一列に並んで空港を歩きたい気分だぜ…。でも、俺はぼっちだから一緒に歩いてくれる人はいないけどな…。

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ウィキペディアより。撮影者はTony Webster氏。(c) Tony Webster

 次回は、「死闘!! 簡易ビールサーバー! アルコール飲料特別処理班出動せよ!(仮)」だぜ。芝大門署の誇る、アルコール飲料特別処理班の豪傑たちに協力してもらう予定だから、「次回をご期待ください」だ!

芝大門署、グッズ特別捜査班、そして登場人物はすべてフィクションです。
「嬉しクルクル 電池式 フロストそうめん流し器〈S〉(クリアピンク)」とパール金属は、実在する製品とそのメーカー名です。

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