2022年上期・新車販売台数ランキング!【乗用車・小型車】
一般社団法人 日本自動車販売協会連合会(自販連)は、2022年1~6月における車名別新車販売台数(軽自動車を除く)を発表した。新型コロナウイルス感染症や半導体不足の影響により、乗用車・小型車の総販売台数は前年比84.7%と減少。車種別にみると、「トヨタ・ヤリス」が昨年上期に続いて2年連続でトップとなった。
2022年上期の新車販売台数は前年比84.7%の大幅減
2022年1~6月における新車売台数(軽自動車を除く)は、普通乗用車と小型乗用車の合計が111万793台(前年比84.7%)と、大幅に減少した。
昨年上期の新車販売台数は、普通乗用車(一昨年比127.0%)で増加、小型乗用車(一昨年比90.4%)で減少したが、全体としては109.4%と増加。新型コロナウイルス感染症の影響が大きかった2020年から回復基調にあった。しかし、本年上期は様相が一変し、普通乗用車(前年比83.7%)、小型乗用車(前年比86.2%)ともに大幅に減少した。
新車販売台数が減少した原因は、需要の低迷ではなく生産台数の減少にあるといわれている。これは、新型コロナウイルス感染症やロシアによるウクライナ侵攻などの影響により、半導体や電子部品の製造・流通が滞り、自動車メーカーが部品の調達難に陥っていることが原因。その影響は2022年7月現在も継続していて、回復には年末までかかる見通しだという。
2022年上期・ブランド別新車販売台数ランキング
2022年上期のブランド別新車販売台数。 出典=一般社団法人 日本自動車販売協会連合会の資料をもとに編集部で作成
次にブランド別の新車販売台数(※)を見てみよう。1位はトヨタで62万1525台(前年比81.2%)。2位は日産で14万1184台(前年比95.3%)とどちらも2年ぶりに販売台数を落とした。3位のホンダは13万3411台(前年比99.1%)とトップ3の中で最も減少幅は小さいが3年連続の販売台数減少となった。
乗用車ブランドで唯一販売台数を伸ばしたのは三菱で2万5350台(前年比130.2%)と2年連続で増加。昨年12月に発売した新型「アウトランダー」PHEVモデルの販売好調による後押しがあった。
また、最も販売台数が減少したのは、いすゞで1万8618台(前年比53.0%)と約半分に減少。昨年7位から10位まで順位を落とした。
2022年上期 車名別新車販売台数ランキング
2022年上期 車名別新車販売台数ランキング トップ10(乗用車・小型車)。 出典=一般社団法人 日本自動車販売協会連合会の資料をもとに編集部で作成
次に2022年上期における車名別の新車販売台数(乗用車・小型車)をランキング形式で見てみよう。
トヨタ・ヤリスクロス 画像=トヨタ
1位:トヨタ・ヤリス 8万1580台(前年比68.5%)
1位は、トヨタ・ヤリスで販売台数は8万1580台だった。
ヤリスは前年上期に約12万台を販売。他車を大きく引き離していた。そのため、今年は前年比68.5%と販売台数を落したが2年連続で首位をキープすることができた。ヤリスは通常の5ドアハッチバック以外に、スポーツモデルの「GRヤリス」、コンパクトSUVモデルの「ヤリスクロス」をラインナップ。コンパクトカーながら多様なニーズに応えられるモデルを有することが功を奏したようだ。
2位:トヨタ・カローラ 7万988台(前年比131.8%)
昨年4位のトヨタ・カローラが2位へと上昇。販売台数も7万988台(前年比131.8%)と大きく伸ばした。
カローラは2019年9月にセダン・ワゴンともにフルモデルチェンジ。無印の”カローラ”というネーミングが復活して話題となったが、新車効果が薄れてきた昨年は販売台数が減少傾向にあった。しかし、昨年9月にカローラ初のSUVモデル「カローラ・クロス」が発売。その後押しによって順位が底上げされた。
3位:トヨタ・ルーミー 6万5525台(前年比84.6%)
3位のトヨタ・ルーミーは、販売台数6万5525台(前年比84.6%)と減少、昨年の2位から順位を1つ落とした。
ルーミーは2016年にデビューしたコンパクト・トールワゴン。2020年9月のマイナーチェンジ以降、目新しい変更はないにも関わらず、人気が継続している車両だ。トールワゴンは、通常の車両より天井高が高くとられているため、車内空間が広々と感じられるのが特徴。近年、軽自動車でも売れ筋のタイプである。
軽トールワゴンも気になるが、普通車が良い。コンパクトカーでもいいが、ちょっとだけ大きな車に乗り換えたい。そんなユーザーに響く、絶妙な立ち位置が人気継続の理由だろう。
4位:日産・ノート 5万6948台(前年比121.5%)
昨年7位の日産・ノートが4位へとランクアップ。販売台数5万6948台(前年比121.5%)と前年より大きく伸ばした。
2020年12月末にフルモデルチェンジしたノートだが、新車効果も薄れ徐々に販売台数を落していた。しかし、昨年8月に内外装を一新した3ナンバーモデルの「ノートオーラ」を新設定。さらに昨年10月にスポーツモデル「ノートオーラ NISMO」、SUVモデル「ノート AUTECH クロスオーバー」と矢継ぎ早に新しいモデルを追加した。幅広い選択肢が用意されたことが販売台数増の後押しになったのだろう。
5位:トヨタ・ライズ 4万5380台(前年比94.6%)
5位は、トヨタ・ライズで販売台数は4万5380台だ。前年比94.6%と販売台数は微減したものの、順位は1ランクアップした。
ライズは、ダイハツが開発・生産を行うOEM製品。ダイハツではロッキーとして販売されている。ライズとロッキーは、昨年11月にハイブリッドモデル(HEV)を発売。これまでHEVモデルがなかったことで、ライズを選択肢としなかった顧客層を、新たに取り込むことができたようだ。それによって販売台数減を最小限に抑えられたのだろう。
順位こそ変動はあるものの、昨年上半期と同様、ヤリス、カローラ、ルーミーがトップ3に入り、顔ぶれは変わらなかった。また、ルーミーを除いたトップ5のクルマには、SUVタイプを新設定している、もしくはSUVタイプのクルマであるという共通点があった。昨今のキャンプ、車中泊ブームもあってか、レジャーにも対応できるような見栄えのSUVタイプの人気は継続しているようだ。下半期のランキングにも注目したい。
※2022年上期の車名別新車販売台数ランキングのトップ50は、次ページにて一覧でご覧いただけます。