知ってる? 手に汗握るガンアクションアニメ「ヨルムンガンド」に登場する4台のSUV
2012年に放映され、熱狂的なファンも生んだアニメ「ヨルムンガンド」。若き女武器商人と元少年兵、そして彼女の部下である私兵8人の日々を描くガンアクションアニメだが、さまざまな組織と繰り広げられる迫力のカーアクションも見どころの一つであった。そんな知る人ぞ知る作品で活躍したSUVにスポットをあててみた。
アニメ「ヨルムンガンド」は、2012年に放映されたガンアクション作品だ。女武器商人のココが、少年兵ヨナを含めた8人の私兵たちと世界を旅しながら、ビジネスを行う日々が描かれている。巧妙なストーリーには、今でも根強いファンが絶えないが、緻密な兵器や武器の描写、キャラクターたちの印象深いセリフ回しなども魅力として挙げられるだろう。さらに見逃せないのが、一癖も二癖もある私兵たちと敵が繰り広げる派手なカーアクションシーンである。本記事では、アクションシーンを含めて作中に登場するSUVをまとめてみた。
ホンダ CR-V
1995年に、クロスオーバーSUVとしてデビューしたホンダ CR-V。オフロード走行に重点を置いたラダーフレーム式のSUVとは一線を画すスタイリッシュなデザインと、乗用車譲りの運転のしやすさからライトクロカンとも呼ばれ、世界中で人気を博した。
「ヨルムンガンド」では、ココが率いる私兵部隊が所有するクルマのひとつとして登場する。しかし、残念ながら、物語序盤のドバイ滞在中に、殺し屋グループ「オーケストラ」のピックアップトラックと海岸線沿いの道路で交戦した際に、機関銃による被弾で大破してしまう。オーケストラに所属する殺し屋2人の個性的なキャラクターの人気も高く、ファンとっては印象的なシーンのひとつといえよう。
ルノー コレオス
フランスの自動車メーカー、ルノー初のクロスオーバーSUV として登場したコレオス。その特徴のひとつが、SUVのいかつさを感じさせないフランス車らしいオシャレなフォルムだ。搭載されているサスペンションが、オン・オフロードなどの路面状況に応じて路面の凹凸を受け止める機能を持っていたほか、遮音性にも優れた乗り心地への評価も高い車種だ。
作中では、PMC(民間軍事会社)エクスカリバー社のオペレーターたちが乗車するクルマとして登場する。彼らは、小学校建造のためにイラクを訪れたココ一行の護衛を請け負ったが、民間人であっても見境なく攻撃する犯罪者紛いの行為によって解雇されてしまう。解雇を逆恨みして、身代金目当てにココ一行を襲った際に、コレオス プレミアム グラスルーフで激しい銃撃戦を繰り広げた。コレオスの洗練されたフォルムや走破性も、こういった人間に利用されてしまうのでは、と少々残念な思いだ。ともあれ、その後はオペレーターたちもろとも爆破されてしまったため、残念ながらカーアクションシーンで走行する姿はこの1話限りだ。
メルセデス・ベンツ Mクラス
ダイムラーがメルセデス・ベンツブランドとして展開している高級ミドルクラスSUVのMクラスは、ファミリーユース向けとして開発され、1997年にデビューした。映画「ジュラシックパーク」にも登場し、世界中で認知度を高めた車種である。エクステリア、インテリア、そして安全性の面においても、メルセデス・ベンツのブランドにふさわしい高級車と評価されている。
作中では、2代目が登場。イラクの国家情報局が、前述のエクスカリバー社に送り込んだスパイの男ナザルを迎えに来た際に使用していたクルマだ。こちらは残念ながら数カットのみの登場で、カーチェイスシーンで見ることはできなかったが、高級車としての風格は作中でも圧倒的な存在感を演出していた。
フォルクスワーゲン トゥアレグ
ドバイで大破したCR-Vの後継車として、私兵部隊の中でも卓越した運転技術を持つウゴに引き渡されたクルマ、それがこのトゥアレグだ。2002年に発売されたトゥアレグは、SUVらしい力強さと高級感を両立させたデザインが特徴の人気車である。フォルクスワーゲン車においてハイブリットモデルが採用されたのも、このトゥアレグが初。ドライバーの疲労感知システムやアラウンドビューカメラなども標準装備されていた。
注目のカーチェイスシーンが繰り広げられた場所は、なんと日本の東京湾アクアライン。ココの仲間の一人、トージョがかつて所属していた日本の秘密諜報組織「SR班」との銃撃戦において、川崎方面のアクアトンネル内でトゥアレグが活躍した。トンネルを抜けた先の首都高湾岸線では、味方のヘリによる空中からの銃撃援護もあって無事に敵を撃破できたわけだが、見慣れた日本の高速道路での銃撃戦というのは、なんとも刺激的なシーンであった。
「ヨルムンガンド」は、武器商人たちの話だ。それゆえに、登場人物たちにとって死は日常である。そんなある意味ダークな存在ともいえる彼らに対して、それでも、彼らなりの正義に共感したり、登場人物を悪人だと思えないのは、この作品のキャラクターたちの造形の深さからくる魅力があってこそだろう。本記事で紹介したSUVの剛健かつ爽快なカーチェイスシーンからも、そんな彼らの魅力や潔さが伝わってくる。少し古い作品だが、もし観る機会があれば、カーアクションとともにぜひ楽しんでもらいたい。