ナンバーの新しい装着基準を知っているか?適用は10月1日以降に延期
国土交通省は、ナンバープレートの表示の位置や方法について、2021年4月1日から新基準を適用する予定だった。しかし、新型コロナの感染拡大から適用開始を10月1日に延期すると発表。そもそも、あまり知られていない基準ではあるが、ナンバープレートの着け方等を細かく規定するもので、ユーザーも知っておいた方がいい基準の一つだ。そこで、この機会に、新基準の内容も含めて紹介しよう。
コロナ禍でナンバープレートの新基準適用開始が延期
2016年4月1日に試行された法改正により、ナンバープレートの取り付けや表示に関する新基準が明確化された。ナンバープレートの取付け角度や装着するフレーム、ボルトカバーの大きさについては、今年4月1日から新基準が全面適用される予定だったが、国土交通省は新型コロナの感染拡大により国内の自動車購入需要が停滞したこと等を踏まえて、適用開始を10月1日に延期することを発表した。
猶予期間を延長する告示は以下のふたつだ。
【猶予期間を延長する告示】
・自動車登録番号標等の表示の位置及び表示の方法の基準を定める告示(平成 27 年国土交通省告示第 1265 号)
・自動車登録番号標、臨時運行許可番号標、回送運行許可番号標又は車両番号標に取り付けることのできる物品を定める告示(平成 27 年国土交通省告示第 1266 号)
この延期にともない、新基準が適用されるのは、2021年10月1日以降に初めて登録・検査・使用等の届け出をするクルマとなる。適用が半年ほど先に伸びたわけだが、そもそもこの新しい新基準を知らない人も多いのではないだろうか。そこで、ナンバープレートの新基準とはどのようなものなのかを見ていこうと思う。
上下角度やフレームカバー基準について新たな基準
クルマの場合、まず角度については、前側のナンバープレートの上下角度が「上向き10°~下向き10°」、後ろ側の上下角度が上端1.2m以下の場合は「上向き45°~下向き5°」、上端1.2m超えの場合は「上向き25°~下向き15°」とされている。左右の角度は、前側が「左向き10°~左右向き0°」、後ろ側が「左向き5°~左右向き0°」だ。
ナンバープレートのフレームについては、幅が「上部10mm以下、左右18.5mm以下、下部13.5mm以下」、厚さが「上部6mm以下(上部の幅が7mm以下の場合は10mm以下)、その他30mm以下」で、脱落するおそれがないものを装着する必要がある。
ボルトカバーについては、直径が「28mm以下であって番号に被覆しないもの」、厚さが「9mm以下」で、こちらも脱落するおそれがないものが基準として定められている。
また、バイクの場合には、上下角度が「上向き40°~下向き15°」、左右角度が「左右向き0°」で、フレームは禁止される。
国土交通省では、2021年9月30日までに登録・検査・使用の届出があるクルマについては、新基準は適用されないが、従来の基準に合致するよう「運転中に番号が判別できるよう見やすい位置に取り付ける」必要があるとしている。フレームやボルトカバーについては、「運転中に番号が判別できるもので、番号を被覆せず、脱落するおそれがないもの」であれば装着できる。
とはいえ、2016年4月1日の法改正により、全車両を対象に、ナンバープレートカバーの装着やシール等の貼り付け、回転や折り返しての装着等、番号の認識に支障が生じる方法全てが禁止されている。違反した場合には、懲役刑として最大で3年以下、罰金刑では最大100万円以下に処されるので注意したい。