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クルマ最終更新日:2022.03.27 公開日:2022.03.27

「目標は表彰台に上がること」角田裕毅2022年の抱負

2022年、2シーズン目のF1を戦う角田裕毅。第1戦バーレーンGPで8位完走を果たした角田の、開幕直前テストでのオンライン会見を紹介。「目標は表彰台に上がること」と力強く今年の抱負を表明した様子を、モータースポーツライターの大串信がレポート。

文・大串信(モータースポーツライター)

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日本でのオフは「友人とカニ」

バーレーンテスト記者会見での角田裕毅

バーレーンテストで行われたドライバー会見での角田裕毅 ⓒGetty Images / Red Bull Content Pool

 2022年、2シーズン目のF1を闘う角田裕毅は、F1グランプリシーズン開幕直前、事前テストとして最後の機会となるバーレーンでのテストに出走し、18人中7番手のタイムを記録した。今季F1マシンは新しい車両規定に基づいて様変わりするので、事前テストでは各チームさまざまな試行錯誤を重ねており単純なタイム比較には余り意味はないとはいえ、期待できる結果ではある。

 そんな角田が開幕に向け、オンライン記者会見に登場した。シーズンオフ、角田は一時帰国していたが自由になる時間は7日くらいしかとれず、友人と会って日本の味覚を楽しんだと言う。中でもカニは好物で美味しかったと笑った。

シーズンオフは肉体とメンタルのトレーニング

「自分自身、トレーニングは大嫌いなのですが、昨年はコーナリング中、首に負担を感じたので首を重点に、その他体力系のトレーニングもして全体レベルアップできるようにしました。その成果はあって、昨年よりも大幅にレベルが上がって良い感じです」

 アスリートとして考え方が変わって、トレーニングに対する意欲が湧いてきた、と角田は言う。

 変わったのはどうやら肉体面に対する取り組み方だけではなさそうだ。昨年、ルーキーとして快調な滑り出しを見せた角田は、シーズン途中で焦りからクラッシュを重ね、いわばスランプに陥った。苦しみの中、シーズン終盤に状況を立て直し最終的にはルーキーオブザイヤー賞を獲得するが、その反省からシーズンオフにはメンタル面での改善も心がけたようなのだ。

「去年、クラッシュが続いたときには自分を見失ってしまい、自分のレース生活の中でも一番のどん底を味わいました。でも親しいトレーナーに『どうやったらクラッシュしないかと考えているからなおさらクラッシュするんだ』と言われて考え方を改め、それまでレース前には音楽を聴いたりするのがルーチンだったのですが、頭の中で1周をイメージしながら姿勢が乱れたときにどう対処するかを含めてすべてのコーナーをシミュレーションするように走ってみるようにしました」

 こうして角田はシーズン終盤に勢いを取り戻した。

「去年は何の経験もないまま、目的も見えないままだったけど、今年は自分のやるべきことが見えてきました。去年の自分には、自分を信じることをアドバイスしたいです」

オンライン取材での角田裕毅

オンライン取材での角田裕毅 写真=小林祐史


新車両規定F1マシンの第一印象は?

新車両規定のF1マシンの第一印象は?

バーレーンテストで走行する角田裕毅

バーレーンテストで走行する角田裕毅 ⓒGetty Images / Red Bull Content Pool

 問題は、2年目のシーズンに角田が乗るのが昨年とは大きく特性が異なる新車両規定マシンであることだ。開幕前テストで新しいマシンに乗った角田が新車の印象を語った。

「去年のマシンは、(前を走っているマシンに近づいて)後ろを走っていると、本来のグリップがなくなって離されてしまいがちでしたが、今年のマシンは後ろにつきやすくて、オーバーテイクも容易になっています。また、タイヤが13インチから18インチになりますが、これまでは高速コーナーで後ろが滑り出すとコントロールしにくかったのですが、今年はコントロールしやすくなりました。トラクションも良くなっています。その結果、レースはエキサイティングで見応えのあるものになると思います」

ポーポイズ現象は視界に影響あり

 ただし新しい課題もある。たとえば開幕前テストで各チームが直面したポーポイズ=バウンシングの問題だ。これは新しい車両規則に基づく空力デザインに起因する現象である。

「自分たちのマシンにも起きています。速度が上がるにつれ上下動し始めるので視界に影響することもあり1コーナーのブレーキングなどに影響するかもしれません。これまで感じたことのない現象なので(走りに)集中しきれなくなります。なんとか解消したいです」

 2年目のF1を闘う角田は、こうした新しい課題をどのように解決するか、問われることになる。

「昨年まではすでに開発され尽くしたマシンに乗っていましたが、今年は新車から作っていかなければなりません。でもそれが楽しいです」

 ライバルとの格闘とともに角田がどのようにF1マシンを熟成していくのかもファンにとっては大きな見どころとなる。

今度(日本GP?)は好きなラーメンを食べたい

「今年は自分がやるべきこと、ターゲットが明らかに見えているので、もちろん表彰台に上がることが目標ですが、その前に1戦1戦を大事に闘い、ポイントをできるだけたくさん獲って、今年こそ日本グランプリに出て日本ファンの前でF1を走らせたいです。もちろん、チームメイトの(ピエール)ガスリーよりも良い成績を残すことも目標です。今度日本に帰ったら、このオフにカニは十分食べたので今度は好きなラーメンを食べたいですね」と角田は会見を締めくくった。

2022年シーズン用の角田裕毅のヘルメット

2022年シーズン用の角田裕毅のヘルメット ⓒGuido De Bortoli / Red Bull Content Pool


2022年シーズンF1の開幕は3月20日!

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