2022年03月03日 12:10 掲載

クルマ さよならエンジン時代のスーパーカー。それでもスーパーカーの未来が明るい訳とは?

電動化がいっそう進む自動車業界で、まもなくエンジン時代のスーパーカーが終わりを迎えようとしている。スーパーカーの未来はいったいどこに向かっているのか? フェラーリからマクラーレンまで、世に存在するありとあらゆるモデルをドライブしてきた当代きってのモータージャーナリスト、西川 淳が回答する。

文=西川 淳

T30に搭載されるコスワース製のV型12気筒自然吸気エンジン

ゴードン・マレー T.33に搭載されるコスワース製のV型12気筒自然吸気エンジン

スーパーカーとは何者なのか

 昭和40年生まれ、だから、ゴリゴリのスーパーカー世代。多感な小学校高学年の頃にブームの洗礼を受けたものだから、同輩ともども一生"スーパーカー"を追い求める人生になった。高じていわゆる「自動車評論家」(それもスーパーカーメインの)というのはデキ過ぎだったとしても、フェラーリに乗りたい一心で自動車メディア業界に潜り込んだことは間違いない。

 ギョーカイ人生も早30年。思えば仕事はもちろんプライベートでも数々のスーパーカーに乗ってきた。子供の頃に憧れたフェラーリ BBやランボルギーニ カウンタックから、果てはハイパーカーブランドのブガッティ、パガーニまで、マーケットシェアでいえば99%のモデルを体験しただろう。

 心残りといえば、コンセプト的に「スーパーカーの元祖」というべきフェラーリ 250LMを試したことがないくらいか。実質的なスーパーカーの元祖であるランボルギーニ ミウラは幸いにも何度となくドライブすることができた。逆にもっとも印象に残ったモデルを一台あげろと問われれば、躊躇うことなくマクラーレン F1と答える。

 車名を挙げた5台に筆者の思うスーパーカーの純定義が全て現れていると言っていい。言ってみればスーパーカーピューリタンの信条だ。

 5台に共通する点は、「12気筒のエンジンをリアミドに積んだ3ペダルマニュアルミッション車であること」。12気筒エンジン(もちろんそれ以上でもいいが)をキャビンの背後に積んで初めて、普通のクルマとは違う、すなわちスーパーなシルエットが"必然的"に生まれ、同じ時代に走る他のクルマとはまるで違うスタイルとなって人々を驚かせる存在となりうる。

 8気筒や10気筒でも良いが、その場合もまた純粋にリアミドシップでなければならない。6気筒になってしまうとV型ではエンジンも小さく、結果的にスタイルがまとまってしまう。ストレート6ならM1のように違和感があってスーパーだ。

 もう少し条件を緩めたとしても「8気筒以上のエンジンをフロントもしくはリアにミド置きとするモデル」、がギリギリである。以上、まとめて言うと「マルチシリンダーエンジンを前後アクスルの間に積んでキャビンレイアウトを犠牲にした結果、ワッと驚くカタチを手に入れたクルマ」が、筆者の思うスーパーカーだ。

フェラーリ BB|Ferrari BB
フェラーリのロードカーとして初めてミドシップレイアウトを採用し、1973年に登場した365GT4/BB。ランボルギーニ カウンタックのライバルとして、スーパーカーブーム火付け役の1台となった

フェラーリ BB|Ferrari BB
フェラーリのロードカーとして初めてミドシップレイアウトを採用し、1973年に登場した365GT4/BB。ランボルギーニ カウンタックのライバルとして、スーパーカーブーム火付け役の1台となった

ランボルギーニ カウンタック|Lamborghini Countach
カウンタックがはじめて披露されたのは、1971年3月、ジュネーブモーターショーでのこと。ベルトーネデザインスタジオのマルチェロ・ガンディーニによってデザインされ、コンセプトカーとして発表されたカウンタック LP500は、またたく間に世界中で話題となり衝撃を与えた。2021年には誕生50周年を記念し、オリジナルを忠実に再現したLP500が再製作された

ランボルギーニ カウンタック|Lamborghini Countach
カウンタックがはじめて披露されたのは、1971年3月、ジュネーブモーターショーでのこと。ベルトーネデザインスタジオのマルチェロ・ガンディーニによってデザインされ、コンセプトカーとして発表されたカウンタック LP500は、またたく間に世界中で話題となり衝撃を与えた。2021年には誕生50周年を記念し、オリジナルを忠実に再現したLP500が再製作された

フェラーリ 250 LM|Ferrari 250 LM
最初のスーパーカーはどれか。その論争において度々登場するのが、ランボルギーニ ミウラと、このフェラーリ 250 LMである。デビューは1963年と250LMの方が3年早いが、実際は極めてレーシングカーに近い存在だった

フェラーリ 250 LM|Ferrari 250 LM
最初のスーパーカーはどれか。その論争において度々登場するのが、ランボルギーニ ミウラと、このフェラーリ 250 LMである。デビューは1963年と250LMの方が3年早いが、実際は極めてレーシングカーに近い存在だった

ランボルギーニ ミウラ|Lamborghini Miura
ベルトーネの手による美しいボディを纏い1966年に発表されたランボルギーニ ミウラ。このモデルの誕生を機に、12気筒エンジンをリアミドに積む2座のスポーツカーは、徐々にスーパーカーという愛称で呼ばれるようになっていく

ランボルギーニ ミウラ|Lamborghini Miura
ベルトーネの手による美しいボディを纏い1966年に発表されたランボルギーニ ミウラ。このモデルの誕生を機に、12気筒エンジンをリアミドに積む2座のスポーツカーは、徐々にスーパーカーという愛称で呼ばれるようになっていく

マクラーレン F1|McLaren F1
アイルトン・セナと共にホンダF1黄金期を築いた元F1カーデザイナー、ゴードン・マレーが1993年に手掛けた伝説のスーパーカーがマクラーレンF1だ。1+2というユニークなシートレイアウトを採用する

マクラーレン F1|McLaren F1
アイルトン・セナと共にホンダF1黄金期を築いた元F1カーデザイナー、ゴードン・マレーが1993年に手掛けた伝説のスーパーカーがマクラーレンF1だ。1+2というユニークなシートレイアウトを採用する。

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