2021年10月12日 10:50 掲載
クルマ ホンダ、レッドブルへF1エンジンの権利移譲等で、協力体制を本格構築。
モータースポーツはホンダのDNA
本田技研工業本社前に並べられた歴代F1マシンたち 写真=ホンダ
ホンダは1年前、2021年シーズン限りでF1グランプリでの活動を終了すると発表した。さらにその後、現行NSX及びS660の生産を2022年で終えるとの発表が続き、新しい形のモビリティ開発へ大きく舵を切ったように見えた。そのような中、同社は10月8日に2022年以降の4輪モータースポーツ活動について説明会を開き、新しい取り組みについてその考え方を明らかにした。
席上、渡辺康治本田技研工業株式会社ブランド・コミュニケーション本部長は、「ホンダはモータースポーツ活動によって育てられてきた会社であり、モータースポーツはホンダのDNAであって、今後も参加するすべてのカテゴリーにおける活動に注力する一方、社としてモータースポーツを盛り上げていくことが使命である」と語ったうえで具体的な説明に入った。
2022年のF1は、レッドブル・グループと協力
2021年F1第16戦トルコGPでは、RA272をモチーフにした特別カラーリングで出走したレッドブル・ホンダ・レーシング 写真=ホンダ
それによると、今年いっぱいでF1活動を停止するものの、現時点で使用しているパワーユニットに関する知的財産権は、レッドブルが新たに設立したF1用パワーユニット製造会社であるレッドブル・パワートレインズへ委譲するとともに、ホンダからはパワーユニット関連の技術者がレッドブル・パワートレインへ転籍し、来年のパワーユニット組み立て支援や、レース運営サポートなど業務支援を行う予定になっている。つまり、名称は変わるものの、今季シリーズチャンピオン争いを展開しているホンダ系のパワーユニットが、来季もF1サーキットを走ることになる。
国内モータースポーツは、子会社HRCへ全面移行
2021年のSUPER GTのGT500クラスに5台のNSXを参戦させているホンダ 写真=ホンダ
国内での4輪モータースポーツ活動についても大きな改革が行われる。SUPER GTやスーパーフォーミュラなど国内で展開してきたモータースポーツ活動は、これまでは本田技術研究所に属するプロジェクトだったが、これをモータースポーツ専門の別会社であるHRC(株式会社ホンダ・レーシング)が運営する体制に移行する。HRCは1982年に設立されたモータースポーツ専門の子会社で、これまでは国内外の2輪モータースポーツを運営してきた。今回の改革によりここに4輪モータースポーツ部門が統合される形だ。これにより、今後予想される2輪及び4輪モータースポーツにおけるカーボンニュートラル化に向け、電動パワーユニットやeフューエル(脱炭素型合成燃料)などの技術に対応するための開発体制が強化される。また、モータースポーツ活動の全面別会社化には、これまではプロジェクトが終了してチームが解散すると散逸しがちだったノウハウを1カ所に蓄積し活動の持続性を向上させる効果もある。
HRCは世界GPのMotoGPクラスに参戦するワークスチームの運営を行いつつ、バイクの開発も行っている 写真=ホンダ
HRCは写真のトライアルや、モトクロス、パリダカなどさまざまな世界選手権を冠するカテゴリーのレースにチームで参戦し、専用マシンを開発している 写真=ホンダ
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