2021年08月04日 06:00 掲載

クルマ デザイナーのガンディーニが語る
カウンタックに宿る“motion主義”とは


文・西川 淳

「野蛮」から「永遠の存在」へ

カウンタックを眺めるマルチェロ・ガンディーニ

50年という歳月を経た"emotion"カウンタックに寄り添うガンディーニ 写真=ランボルギーニ

 「車が動き出すと、たとえどんなにゆっくりであっても、それはホログラフィックのようなイメージになります。見えているパートのみならず同時に見ることのできないはずのパートもあなたは見ていることになるのです。目と脳がそれぞれの瞬間に記憶するイメージが少しずつ違うおかげで、本来なら見えているはずのないイメージさえ脳が動き(motion)を加えることができます。小さな奇跡と言ってもいいでしょう。

 当時の人々にとってカウンタックは、ちょっと下品に、もっというと野蛮にすら見えたことでしょう。けれどもそんな目で見られることなど長くは続きませんでした。次第に認めてもらえることになったという背景には、カウンタックの登場から何年経っても、それ以上に衝撃的なデザインが生まれなかったからだと思います。

 車のようにとてもありふれた、人々の日常に存在するモノのイノベーションは、ほかのもののイノベーションと比べると、大きくないかもしれません。しかしカウンタックのデザインは、全く新しい導き(イノベーション)となったようにも思います。たとえ僅かであっても、人々の生活そのものに影響を及ぼす刺激を与えることができた。

 カウンタックそのものがすでに夢のような存在です。それは空飛ぶ絨毯や理想の家のような他の何ものにも変え難い存在になったゆえ、"永遠"の存在となり得たのです。」

マルチェロ・ガンディーニ談


 筆者も例に漏れず、子供心にカウンタックに刺激され、人生を決定づけられた。実際に所有もした。あまりの影響力に驚いた。いつの間にかカウンタックの人になっていた。その存在は決して小さいものではない。

カウンタックよ、永遠なれ。

歴代のカウンタック

歴代のカウンタックたち 写真=ランボルギーニ

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