2021年03月24日 14:40 掲載

クルマ 7年ぶり、日本人ドライバー角田裕毅F1デビュー。3月26日開幕

F1の2021年シーズンが3月26日にバーレーンで開幕する。今年の見どころは、7年ぶりとなる日本人ドライバー「角田裕毅」がデビューすること。また、ベテランを擁する2つの新チームや、マシンの新しいトレンドについても注目だ。モータースポーツライターの大串信が解説する。

文・大串信(モータースポーツライター)

事前テストで2番手タイムを記録! 期待高まる角田裕毅のデビュー

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今年の注目はゼッケン22の角田裕毅。ヘルメット頂部のゼッケンには日の丸が入る  ©Getty Images / Red Bull Content Pool

 いよいよ2021年のF1グランプリが開幕する。昨年は新型コロナウイルス感染拡大に伴いF1のシーズンも大きな影響を受け、開幕が延期されたり開催スケジュールが大幅変更されたりなど大混乱に陥ったが、今シーズンはあらかじめウイルス対策を講じたうえで、開幕にこぎつけた。

 今シーズンのF1は、日本のファンにとっては特別な位置づけになる。というのも、7年ぶりに日本ドライバーがスターティンググリッドに並ぶことになるからだ。小林可夢偉以来の日本代表となるのが、角田裕毅だ。角田は今年21歳になる期待の若手選手で、レーシングカートからホンダの育成ドライバーとなって頭角を現し、レッドブルの育成ドライバーにも選抜されてヨーロッパで実績を積み、4輪レースデビューからわずか6年目の今年、とうとう4輪レースの最高峰であるF1に到達した。

 角田が所属するアルファタウリはレッドブルのセカンドチームで、レッドブル同様ホンダ製パワーユニット(PU)を使用する。ホンダは昨年、F1活動を今シーズンいっぱいで停止することを発表しており、その後は従来とは異なる形でF1活動が継続されるのではないかと観測されてはいるが、現時点で角田は「ホンダF1最終シーズン」にF1デビューを果たすことになる。

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先日行われたオンライン取材に、英国のミルトンキーンズから出席した角田裕毅。最近のリフレッシュは日本の友達とオンラインゲームをすること。イギリスはロックダウンのため外出禁止となっているため、アウトドアでのリフレッシュが難しいとのこと 写真:小林祐史

 アルファタウリの本拠地はイタリアのファエンツァにあるが、角田はレッドブルの本拠地でシミュレータ施設のあるイギリス・ミルトンキーンズに住み、各国のレースに出撃する予定だ。このような活動になる理由は、レースのインターバルに、レッドブルのシミュレータを使ってこれまで経験のないコースを習熟するためのトレーニングを重ねるためだ。

 その角田のチームメイトになるのは、4回目のF1フルシーズンを迎えるピエール・ガスリー。日本で1シーズンにわたってレースをした経緯もあって日本でもファンの多い選手である。すでにガスリーはF1で初優勝を遂げており角田にとってはお手本になると同時に最初のライバルとなりそうだ。開幕前テストでホンダPUを搭載するアルファタウリとレッドブルは快調で、角田は開幕戦が開催されるバーレーンテストでなんと全体の2番手になるラップタイムを記録し、一躍期待の新人として世界の注目を浴びる存在となった。日本のF1ファンにとっては、これまでになく胸高まる状況でのシーズン開幕である。

アロンソの復帰、ベッテルは新天地へ

 角田以外にも今年のF1にはいくつか注目すべき変化が起きる。たとえばF1から一時期離れていた元ワールドチャンピオン、フェルナンド・アロンソの復帰である。アロンソが所属するのはアルピーヌF1チーム。昨年までは「ルノー」として活動していたチームが、組織の内容はそのままにルノーのスポーツブランドであるアルピーヌへ名前を変えたチームである。アロンソにとってはいわば古巣で2年ぶりのF1を闘うことになる。アロンソは開幕前、自転車トレーニング中の事故で負傷し調整の遅れが懸念されるが、2年ぶりのF1でどんな走りを見せるか楽しみではある。

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アロンソが駆るアルピーヌF1チームの2021年型マシンA521 写真:アルピーヌ

 昨年までの「BWT・レーシング・ポイント」が「アストンマーティン・コグニザント・F1チーム」へ名称を変更し、アストンマーティンが正式にコンストラクターとしてF1に参加するのも話題の1つだ。ここに新たに加わりランス・ストロールとコンビを組むのは、フェラーリから離脱したセバスチャン・ベッテルだ。アロンソ同様、新天地で闘う元ワールドチャンピオンの闘いぶりには注目したい。

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ベッテルが駆るアストンマーティン・コグニザント・F1チームの2021年型マシンAMR21 写真:アストンマーティン

 このように日本のF1ファンにとっても世界のF1ファンにとっても今シーズンのドライバー布陣には見どころが多くなりそうだが、マシンの方でも気にとめておきたいことがある。

新たなトレンドとなるか? マクラーレンの新ディフューザー

 本来は今年から新しい車両規則に基づいたシャシーが使用される予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で新規開発は凍結され基本的には昨年型シャシーが引き続き使われるが、空力デザインについては規制強化に伴い各チームが見直しを迫られる。

 今回の規制強化は全体のダウンフォース量を昨年比で10%削減する方向で行われ、フロア面積やリヤディフューザーサイズの削減などが義務づけられるが、マクラーレンがユニークなディフューザーをテストで使用するなど各チームともすでにダウンフォースを取り戻す方向で改良を進めているようだ。ただしこの改良がどれだけの効果を発揮するか、マクラーレンのディフューザーが当たるのか外れるのかはレースが始まってみないとわからない。こうした点でも今シーズン序盤の展開が気になる。


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