2020年上期・新車販売台数ランキング!1位はライズ【乗用車・小型車編】
一般社団法人 日本自動車販売協会連合会(自販連)は、2020年1~6月における車名別新車販売台数(軽自動車を除く)を発表した。新型コロナウイルスの影響により、乗用車・小型車の総販売台数は前年比80.1%と減少。車種別にみると、1位が「トヨタ・ライズ」で、昨年上期トップだった「トヨタ・プリウス」は9位となるなど、売れた車種も大きく変化した。
※2020年の年間新車販売台数は、こちら(https://kurukura.jp/car/20210114-20.html)の記事でご覧いただけます。
2020年上期の新車販売台数は前年比80.1%の大幅減
2020年1~6月における新車売台数(軽自動車を除く)は、普通乗用車と小型乗用車の合計が119万8424台(前年比80.1%)と、大幅に減少した。
これは新型コロナウイルスの感染拡大による影響が大きい。昨年上期の新車販売台数は、普通乗用車(一昨年比102.5%)で増加していて、小型乗用車(一昨年比96.2%)では僅かに減少したことにより全体で微減となっていた。しかし、本年上期は様相が一変し、普通乗用車(前年比74.6%)、小型乗用車(前年比88.8%)ともに大幅に減少したのだ。
2020年上期の新車販売台数を月別にみると、1~3月までは前年比約90%で推移。しかし、緊急事態宣言の発出された4月になると一気に前年比72.5%へと減少。さらに、飲食店などへの休業要請や県をまたぐ移動の自粛期間中であった5月の販売台数は、前年比58.2%とさらに大きく減少した。
新型コロナによって世界規模で経済活動が停止したことの影響は、一般的にリーマン・ショックをも上回るといわれている。これは個人の消費行動にも大きな影響を与えており、一時は各自動車メーカーの製造ラインもストップしたほどだ。自動車産業は就業人口も多く、経済への影響も大きいため、一刻も早い回復が望まれる。
2020年上期・メーカー別新車販売台数ランキング
次にメーカー別の新車販売台数を見てみよう。1位はトヨタで68万5802台(前年比85.6%)。2位はホンダで14万5975台(前年比73.8%)とどちらも前年より販売台数を落とした。昨年2位の日産は3位に転落。販売台数も13万2981台(前年比64.8%)とトップ3の中で最も減少している。
唯一販売台数を伸ばしたのはダイハツで3万894台(前年比146.8%)。これは昨年発売された新型SUVダイハツ・ロッキーの販売好調によるものだ。
残る各社はいずれも減少しているが、マツダ(前年比86.7%)が最も減少幅が少なく、三菱(前年比53.6%)が最も減少幅が大きかった。マツダは、昨年秋に発売したマツダ・CX-3とMAZDA2の好調によって、新型コロナの影響の中でも善戦と言える結果を残した。
車名別新車販売台数ランキング
次に2020年上期における車名別の新車販売台数(乗用車・小型車)をランキング形式で見てみよう。
1位:トヨタ・ライズ 5万8492台(2019年11月発売)
1位は、トヨタ・ライズで販売台数は5万8492台だった。
ライズは、昨年11月に発売された新型SUVでダイハツが開発・生産を行うOEM製品。ダイハツではロッキーとして販売されている。昨年復活を果たして売れ行き好調だったトヨタ・RAV4に似たワイルドなデザインを持つことや、価格・サイズともにRAV4よりも手頃であることが勝因の1つだと思われる。
2位:トヨタ・カローラ 5万7235台(前年比119.6%)
昨年6位のトヨタ・カローラが2位へと上昇。販売台数も5万7235台(前年比119.6%)と大きく伸ばした。
カローラは2019年9月にセダン・ワゴンともにフルモデルチェンジ。セダンでは国内13年ぶりとなる無印の”カローラ”というネーミングが復活した。また、ハイブリッド車のカローラアクシオ(2代目)に設定されなかった4WD車が新たに加わるなど、多様なニーズに応えられるラインナップとなり、結果につながった。
3位:ホンダ・フィット 5万29台(前年比111.0%)
3位のホンダ・フィットも昨年の11位から急上昇。販売台数を5万29台(前年比111.0%)と伸ばしてトップ3にランクインした。
フィットは、この2月にフルモデルチェンジして発売開始。幅広いユーザーのニーズに応えるため、それぞれ特徴を持った5種類のモデルをラインナップしたことが功を奏したようだ。
4位:トヨタ・ヤリス 4万8129台(20年2月発売)
4位に登場したのはトヨタ・ヤリスで販売台数は4万8129台。国内では発売から20年間、トヨタ・ヴィッツの名称で親しまれてきたが、フルモデルチェンジを機に海外モデルと同様にヤリスへと名称が統一された。
ヤリスは、トヨタのクルマづくりの構造改革「TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャ)」に基づく新プラットフォーム「GA-Bプラットフォーム」を初採用。WRC世界ラリー選手権に参戦するなど、ヴィッツの持っていたファミリーカーというイメージを一新し、スポーティーなイメージを定着させたことが販売台数増の後押しとなったのだろう。
5位:日産・ノート 4万1707台(前年比60.8%)
昨年2位の日産・ノートは5位へと転落。販売台数4万1707台(前年比60.8%)と前年より大きく減少している。現行のノート(2代目)は、2012年9月に発売されたモデルで発売からすでに約8年が経過。2016年11月のマイナーチェンジ以降に大きな刷新はないため、2018年から徐々に販売台数を落としていた。今年は同価格帯にフィットやヤリスといった新型車が登場し影響を受けたようだ。なお、今秋には新型ノートのフルモデルチェンジが予定されている。
昨年上半期までは、順位に変動はあるものの、プリウス、ノート、アクアがトップ3を守り続けてきた。しかし今年は、新型車やフルモデルチェンジした車両がトップに食い込み、ラインナップが大きく変動した。1位のままライズが逃げ切るのか、それとも他車の追い上げがあるのか、下期の新車販売台数にも注目したい。
新型コロナウイルスの影響により、移動のニーズが変化しており、感染症対策のためにマイカー購入を視野に入れるユーザーが増加したといわれている。そういった変化が追い風となって新車販売台数が増加することに期待したい。
※2020年上期の車名別新車販売台数ランキングのトップ50は、「この記事の画像を見る」ボタンよりご覧いただけます。