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クルマ最終更新日:2020.04.15 公開日:2020.04.15

家にいながら美術館巡り!各メーカーのバーチャルミュージアムが楽しい。

メーカーの歴史や往年のモデルを楽しむことができるミュージアム。それらをバーチャルでも楽しむことができるコンテンツを、現在各社が配信している。本記事では、自宅にいながら名車の見学ツアーなどが楽しめる、バーチャルミュージアムをまとめてみた。

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 クルマファンにとって、歴代のモデルが一堂に会している美術館は楽しく嬉しい場所だ。事業の成り立ちや変遷が展示されていることも多く、メーカーをより深く知るきっかけにもなるだろう。それらを自宅にいながら楽しむことができるのが、バーチャルミュージアムだ。本記事では、国内外のメーカーが “開館” しているバーチャルミュージアムについて紹介しよう。バーチャル見学ツアーの動画もあわせて紹介するので、見どころを一挙に観たい人はぜひチェックしてみてほしい。

世界初のガソリン自動車もバーチャルで再現。メルセデス・ベンツ・ミュージアム

メルセデス・ベンツのバーチャルミュージアムでは、実際の館内に展示されているモデルなどを観ることができる。

出典:DAIMLER

 ドイツ シュトゥットガルドにあるメルセデス・ベンツ・ミュージアムは、世界中から年間80万以上もの人が訪れる人気スポットだ。16,500平方メートルにもおよぶ館内には、160台の車両とベンツの歴史を伝えてくれる1,500以上もの展示物がテーマ別に並んでいる。
 その館内の様子は、公式Webサイトで公開されているバーチャルミュージアムでも楽しむことができるのだ。メルセデス・ベンツブランドの誕生から年代別に7つに分けられたエリアを、360°ビューで自在に見学。運送や救助に利用される車両を役割別に展示しているコーナーでも、同様に360°ビューにて往年のモデルを堪能することが可能だ。中でも、カール・ベンツの手によって作り出された、世界初のガソリンエンジン自動車「パテント・モートルヴァーゲン」が堪能できるのはバーチャルミュージアムならではだ。現在のモータリゼーションへの懸け橋、といっても過言ではない風格はバーチャルでも十分に伝わってくる。

メルセデス・ベンツ・バーチャルミュージアム:館内の展示を360°ビューで自在に見学することができる。

出典:DAIMLER

 さらにその魅力をより堪能するのなら、YouTubeの公式チャンネルの動画もおすすめしたい。チャンネルでは、一部のインフルエンサーと写真家限定で開催された夜間見学ツアーやYouTuberShmee150によるガイドツアーが公開されている。特に、Shmee150によるガイドツアー「みんなが知らないメルセデス・ベンツの5つ真実」は興味深い。よりディープにベンツを知ることができる内容だ。

往年モデルのエンジン音も楽しめる。シトロエン・オリジン・バーチャルミュージアム

シトロエン・オリジン・バーチャルミュージアムでは、75台の歴代モデルをさまざまな角度から見ることができる。

出典:プジョー・シトロエン・ジャポン株式会社

 フランスの代表的な自動車メーカー「シトロエン」。その歴史は実に100年以上に及ぶ。メーカーが掲げる「独創と革新」というブランド哲学が象徴するように、独創的なデザインモデルと革新的技術は自動車業界の中でも高い評価を得てきた。
 2016年に開設したシトロエン・オリジン・バーチャルミュージアムでは、リアルな博物館に引けを取らない充実ぶりで、アイコニックな75台の歴代モデルの展示を楽しむことができる。

シトロエン・オリジン・バーチャルミュージアム:外装、内装だけではなく、エンジン音やクラクション、ドアの開閉音も公開されている。

出典:プジョー・シトロエン・ジャポン株式会社

 特筆すべきは、75台の展示方法だ。360°自在に見ることができる画像は、外装と内装の切り替えが可能。さらに、エンジン音やクラクション、ドアの開閉音など、余すところなく車両の魅力を堪能することができるという。各モデルページの下部には、「あなたのシトロエン」という参加型コーナーもある。ここでは、世界中のシトロエンオーナーが、愛車写真を投稿することができる。各時代を思い起こさせる洒落たBGMも流れ、まるでカフェにいるような感覚で楽しめるところはさすがシトロエンだ。

最古のトラックもドローン動画で見学できる。いすゞプラザ

いすゞプラザでは、いすゞ自動車歴代の車両やディーゼルエンジンなどの展示を観て楽しむことができる。

出典:いすゞ自動車株式会社

 いすゞ自動車が創立80周年記念行事の一環として、2017年に開館したいすゞプラザ。館内では、いすゞの歴史とともに、歴代の車両やブランドが誇るディーゼルエンジンの展示のほか、商用車を見て触って知ることができる施設となっている。残念ながら新型コロナウイルス感染拡大防止のため現在は休館中となっているが、YouTube公式チャンネルでは、いすゞプラザをドローン視点で楽しめるバーチャルツアーの動画を公開中だ。

いすゞプラザ バーチャルツアー:ドローン視点で館内の様子をガイドと共に楽しめる。

出典:いすゞ自動車株式会社

 動画内では、日本に現存する最古のトラック、ウーズレーCP型トラックの展示から始まり、普段は間近で見ることのない自衛隊車両などが次々と登場する。ほかにも、実際の車両生産ラインが120スケールで再現されたコーナーや、いすゞのトラックの稼働サポートシステム体験などの紹介もある。

トリビア的情報満載のバーチャル見学ツアー。日産ヘリテージコレクション

日産ヘリテージコレクションは、3月20日にLIVE配信で見学ツアーを実施した。

出典:日産自動車株式会社

 独自性に溢れ、革新的なクルマやサービスを創造することをミッションに掲げている日産は、これまでに数々の名車を送り出してきた。日産の座間事業所敷地内に位置する日産ヘリテージコレクションには、メーカーの集大成ともいえる1930年代~2000年代の記念車や乗用車が、総台数約400台も展示されている。

日産ヘリテージコレクションは、3月20日にLIVE配信で見学ツアーを実施した。

出典:日産自動車株式会社

 320日、そんな日産ヘリテージコレクションの魅力がYouTubeでLIVE配信された。現在は、配信画像がバーチャル見学ツアーとして再編集され公開中だ。このバーチャル見学ツアーでは、日産のPRスタッフである「ミスフェアレディ」らが、約2時間たっぷりと日産の歴代モデルを解説する。普段は公開されていないエンジンルームや車内の様子も収録されるなど、バーチャル見学ツアーならではの演出にも注目だ。さらに、電気自動車が生まれた歴史的背景や、ケンメリ・ハコスカの名称の由来などトリビア的情報も紹介してくれる。ツアーの進行に合わせて、LIVE配信時にファンが書き込んだコメントも同時に楽しめるライブ感も大切にされているところが嬉しい。
 日産ヘリテージコレクションの公式Webサイトに掲載されている記念車一覧で、各車のスペックやルーツを予習しておけば、このバーチャル見学ツアーを一層興味深く視聴することができるだろう。

「おうちミュージアム」公開中。ヤンマーミュージアム

ヤンマーミュージアムは、子どもが楽しみながら学べる体験型ミュージアムだ。

出典:ヤンマー株式会社

 ヤンマーは、農業機械の国内シェアトップクラスを誇るメーカー。ヤン坊、マー坊のCMでも有名だ。事業は、農業機械を筆頭に、漁船やプレジャーボート、建設機械、エンジン開発など多岐にわたる。中でも、同社のディーゼルエンジンは、効率の良さと力強さから高い評価を得ている。
 滋賀県長浜市にあるヤンマーミュージアムのシアターでは、世界で初めて小型ディーゼルエンジンの実用化に成功した、創業者の山岡孫吉氏のチャレンジ精神を学ぶことができる。館内には、ほかにもパワーショベルの操縦体験やエンジンの仕組みをリズムゲームで学べるコーナーなど、子どもが楽しみながら学べる仕組みが盛りだくさんとなっている。

ヤンマーミュージアム:「おうちミュージアム」コンテンツとして、ぬりえ(左)、山岡孫吉氏の生涯を学べる漫画(右)などを公開中だ。

出典:ヤンマー株式会社

 残念ながら現在は休館中だが、公式Webサイトでは子どもが家にいながら楽しめるコンテンツを提供中だ。ヤンマーのトラクターやショベル、企業マスコットキャラクター ”ヤン坊マー坊” のオリジナルぬりえのほか、間違い探しをDLすることが可能だ。また、山岡氏の生涯を学べる漫画も公開されている。

重機シュミレーターアプリ「重機でGO」の紹介も、ヤンマーミュージアムHP内で公開している。出典:トライアロー株式会社

 Webサイトでは、本格的な重機シミュレーター「重機でGO」のアプリも紹介。これは、開発元のトライアロー株式会社に許可を取り掲載しているそうだ。「重機でGO」は、実機に合わせたレバーパターンで、さまざまな訓練をシミュレーションすることが可能。技能実習の訓練も想定した本格的な操作システムは、ゲームとしてもやり込み甲斐がありそうだ。

 新型コロナウイルスの影響で自宅で過ごす時間が増えた分、時間の使い方に悩んでいる人は多いのではないだろうか。そんな時には、バーチャルミュージアムや見学ツアー動画など、目に映るモノが変わるコンテンツで気分転換をすることをおすすめしたい。

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