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クルマ最終更新日:2022.01.08 公開日:2022.01.08

愛知の渋滞の名所で、道路幅を変えずに車線を増やす工事が始まる。

慢性的な渋滞区間の一つであるE1 名神高速の一宮IC~一宮JCT間。従来から小規模な対策は行われていたものの、今回、本格的な車線増に着手することが発表された。ユニークなのは道路幅をほぼ変えることなく、車線を増やすところ。工事開始は2022年1月下旬。NEXCO中日本では、今回の工事で大幅な渋滞削減を見込んでいる。

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一宮IC~一宮JCT間を6車線化。道路幅は変更せず

渋滞のイメージ

渋滞のイメージ © naka – stock.adobe.com

 E1 名神高速の一宮IC~一宮JCT間は、全国有数の渋滞発生区間である。2019年実績でみると、1日の交通量が約9万台もあり、朝夕の通勤時間帯や交通混雑期などには約1400回もの渋滞が発生していた。

 この渋滞を少しでも減らそうと、NEXCO中日本では2019年11月から、一宮JCT付近の合流部にラバーポールを設置。1台ずつ交互に合流することでクルマの流れをよくする「ファスナー合流」の運用を開始した。結果は、運用開始2か月間で渋滞件数が若干減少し、渋滞区間の平均通過時間が約13分から約10分に短縮された。ただし、根本的な解決策とはなり得ず、依然一宮IC~一宮JCT間では渋滞が発生している。

渋滞対策として2019年11月に運用開始した「ファスナー合流」では、渋滞区間の平均通過時間が約13分から約10分に短縮されるなどの効果があった。

E1 名神・一宮JCTにおける「ファスナー合流」による渋滞対策効果について。
対策前(2018年12月~2019年2月)と対策後(2019年12月~2020年1月)の比較 出典=NEXCO中日本

E1 名神・一宮IC~一宮JCT間の6車線化工事区間図

E1 名神・一宮IC~一宮JCT間の6車線化工事区間図 出典=NEXCO中日本

 こうした現況の中、同社は、現状の4車線(片側2車線)を6車線(片側3車線)とする本格的な対策を発表した。しかも道路幅全体はほぼ変えないで、1車線の幅員を3.6mから3.25mに狭めるなどして車線増を実現するという。合わせて、非常駐車帯の設置や橋梁補強なども行われる。工事開始は1月下旬からで、完成時期はまだ発表されていない。

E1 名神・一宮IC~一宮JCT間における6車線化工事の標準横断図(橋梁部)

E1 名神・一宮IC~一宮JCT間における6車線化工事の標準横断図(橋梁部) 出典=NEXCO中日本

 工事期間中は、仮設防護柵設置による路肩幅の縮小や、夜間車線規制などが実施される予定なので注意したい。通行規制の詳細や運用開始時期については、今後改めて公式Webサイトなどで発表されるという。

 NEXCO中日本は、同様の渋滞対策を実施したE1 東名高速・音羽蒲郡IC~豊田JCT間で渋滞が約9割削減されたことから、今回の工事でも大幅な渋滞削減効果を予想しており、この区間をよく利用するユーザーにとっては早期の完成を期待したいところである。

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