2021年08月28日 06:00 掲載

ライフスタイル 7つの円から成る複雑すぎる交差点、世界一狭い通りなど、ユニークな道5選

世界には、実にさまざまな道が存在している。不思議な構造だったり、美しい景観が一望できたり、ギネスに登録されていたり、観光地として人気が高かったり。そして、今では現地へ行かなくても、ストリートビューで仮想ドライブを楽しめるようになった。本記事では、ストリートビューで訪れることができる一風変わった道を5つ紹介しよう。

くるくら編集部 会田 香菜子

アトランティックオーシャンロードのイメージ画像

アトランティックオーシャンロード(ノルウェー)のイメージ画像 © steffus / PIXTA(ピクスタ)

一度は訪れてみたい!そこにしかないユニークな道をストリートビューで見る

モンサントの街並みイメージ

巨岩が道に張り出しているモンサントの街並み © LaureanoJesus - stock.adobe.com

 道、といって思い浮かべる形状や景色は人によってさまざまだろう。例えば、都会の大通りを思い浮かべる人もいれば、田舎の田んぼの中にあるあぜ道を郷愁とともに思い浮かべる人もいるかもしれない。そして、この広い世界には実にさまざまな道が存在している。絶景が楽しめる道路やもはや隙間といって過言ではない程に狭い道、そして7つの円がある複雑すぎるラウンドアバウトまで、世界にあるちょっと変わった道をストリートビューで訪れてみよう。

マジック・ラウンドアバウト(イギリス)

 最初に紹介するのは、イギリスのロンドンから西にクルマで1時間程のところにある街、スウィンドンに設置されているラウンドアバウトだ。ラウンドアバウトとは、日本でも環状交差点として知られており、左側通行であれば、中央の円の周囲を時計周りに走行する環状部分と、そこに進入するための道路によって成り立っている。日本ではまだ馴染みの薄いラウンドアバウトだが、海外では広く普及している。イギリスでも1960年代から導入のための調査や研究が行われ、1993年にガイドラインを発行して、導入が推進されてきた。

 そんなラウンドアバウトの先進国ともいえるイギリスだが、スウィンドンにある1972年に設置された「マジック・ラウンドアバウト」は、通常のラウンドアバウトとは一味違う。その違いとは、大小7つの円が組み合わさった複合ラウンドアバウトになっていることだ。もちろん、巨大でもある。具体的には、中央に円が1つあり、その周囲に小さな円が5つ並ぶ。さらにこれら6つの円を囲うように大きな円が存在している。

 ストリートビューや動画などで見る限り、かなり複雑そうなこのマジック・ラウンドアバウト。しかし、非常に効率的に走行できるようになっており衝突事故なども起きにくいのだそうだ。では、実際にどのように機能しているのかというと、内側の円は「反時計回り」に、外側5つの円は「時計回り」に回る仕組みになっている。走行方向が異なるということで、走りながらどちらに行けばよいのか混乱してしまいそうだが、路面にある進行方向表示に従えば行きたい方向へ最短ルートで通り抜けられるようになっているようだ。

 実際、このマジック・ラウンドアバウトを設置したことで、交差点の交通事故の発生率は30%も引き下がったというのだから、その効果は絶大といえよう。

アトランティックオーシャンロード(ノルウェー)

 アトランティックオーシャンロードは、アトランティックロードとも呼ばれており、その名の通り大西洋の上を通る道路である。ノルウェーのアヴェロイ島と本土とを結ぶ県道64号の一部で、その間にある複数の島を8つの橋梁で繋いでいる。約8kmの道中では、フィヨルドと大西洋の絶景を一望することができ、その壮大な景観から2006年にはイギリス大手新聞のガーディアン紙が「世界最高のドライビングロード」に選出したという。

 自動車やタイヤメーカーがCM撮影のロケ地に選ぶこともよくあるそうなので、ストリートビューの風景に見覚えがある人もいるのではないだろうか。この区間には4つの駐車場、展望スポットがあるほか、カフェもあるなど、ストリートビューからも観光地としての賑わいをうかがうことができる。

 そして、アトランティックオーシャンロードといえば、もうひとつ、迫力ある勾配と急カーブも有名だ。見る角度によっては道の先が見えない程の勾配と急カーブは、実際に走るとまるでジェットコースターのような迫力なのだとか。

モンサント(ポルトガル)

 モンサントはポルトガルの東部、スペイン国境近くに位置する小さな村の名前だ。「聖なる山」の意を持つこの村の特徴は、巨岩と共存した街並みである。村に入ると、美しい石畳や石壁が建ち並ぶ中、巨大な岩が点在している風景を目にすることになる。

 実は、この村では元々あった岩をそのまま家や壁の一部に利用しているのだ。そのため、巨岩が家の屋根に乗っていたり、道にせり出していたりと奇妙な光景が広がっている。一説には、かつてこの地には「巨石信仰」があったのではないかといわれており、そのため古くから巨石を用いることでそのパワーにあやかろうとしたのではないかという。

 ストリートビューでも、数百年前に岩をくり抜いて作られた家や、今にも家を圧し潰さんばかりの迫力で道の両端にある巨岩などを確認することができる。岩は花崗岩で、今でも昔のままの姿を見ることができる。自然の大いなる力をも感じさせてくれる古き街並みだ。

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