クルマのある暮らしをもっと豊かに、もっと楽しく

道路・交通最終更新日:2023.06.16 公開日:2021.08.28

7つの円から成る複雑すぎる交差点、世界一狭い通りなど、ユニークな道5選

世界には、実にさまざまな道が存在している。不思議な構造だったり、美しい景観が一望できたり、ギネスに登録されていたり、観光地として人気が高かったり。そして、今では現地へ行かなくても、ストリートビューで仮想ドライブを楽しめるようになった。本記事では、ストリートビューで訪れることができる一風変わった道を5つ紹介しよう。

記事の画像ギャラリーを見る

アトランティックオーシャンロードのイメージ画像

アトランティックオーシャンロード(ノルウェー)のイメージ画像 © steffus / PIXTA(ピクスタ)

一度は訪れてみたい!そこにしかないユニークな道をストリートビューで見る

モンサントの街並みイメージ

巨岩が道に張り出しているモンサントの街並み © LaureanoJesus – stock.adobe.com

 道、といって思い浮かべる形状や景色は人によってさまざまだろう。例えば、都会の大通りを思い浮かべる人もいれば、田舎の田んぼの中にあるあぜ道を郷愁とともに思い浮かべる人もいるかもしれない。そして、この広い世界には実にさまざまな道が存在している。絶景が楽しめる道路やもはや隙間といって過言ではない程に狭い道、そして7つの円がある複雑すぎるラウンドアバウトまで、世界にあるちょっと変わった道をストリートビューで訪れてみよう。

マジック・ラウンドアバウト(イギリス)

最初に紹介するのは、イギリスのロンドンから西にクルマで1時間程のところにある街、スウィンドンに設置されているラウンドアバウトだ。ラウンドアバウトとは、日本でも環状交差点として知られており、左側通行であれば、中央の円の周囲を時計周りに走行する環状部分と、そこに進入するための道路によって成り立っている。日本ではまだ馴染みの薄いラウンドアバウトだが、海外では広く普及している。イギリスでも1960年代から導入のための調査や研究が行われ、1993年にガイドラインを発行して、導入が推進されてきた。

そんなラウンドアバウトの先進国ともいえるイギリスだが、スウィンドンにある1972年に設置された「マジック・ラウンドアバウト」は、通常のラウンドアバウトとは一味違う。その違いとは、大小7つの円が組み合わさった複合ラウンドアバウトになっていることだ。もちろん、巨大でもある。具体的には、中央に円が1つあり、その周囲に小さな円が5つ並ぶ。さらにこれら6つの円を囲うように大きな円が存在している。

ストリートビューや動画などで見る限り、かなり複雑そうなこのマジック・ラウンドアバウト。しかし、非常に効率的に走行できるようになっており衝突事故なども起きにくいのだそうだ。では、実際にどのように機能しているのかというと、内側の円は「反時計回り」に、外側5つの円は「時計回り」に回る仕組みになっている。走行方向が異なるということで、走りながらどちらに行けばよいのか混乱してしまいそうだが、路面にある進行方向表示に従えば行きたい方向へ最短ルートで通り抜けられるようになっているようだ。

実際、このマジック・ラウンドアバウトを設置したことで、交差点の交通事故の発生率は30%も引き下がったというのだから、その効果は絶大といえよう。

アトランティックオーシャンロード(ノルウェー)

アトランティックオーシャンロードは、アトランティックロードとも呼ばれており、その名の通り大西洋の上を通る道路である。ノルウェーのアヴェロイ島と本土とを結ぶ県道64号の一部で、その間にある複数の島を8つの橋梁で繋いでいる。約8kmの道中では、フィヨルドと大西洋の絶景を一望することができ、その壮大な景観から2006年にはイギリス大手新聞のガーディアン紙が「世界最高のドライビングロード」に選出したという。

自動車やタイヤメーカーがCM撮影のロケ地に選ぶこともよくあるそうなので、ストリートビューの風景に見覚えがある人もいるのではないだろうか。この区間には4つの駐車場、展望スポットがあるほか、カフェもあるなど、ストリートビューからも観光地としての賑わいをうかがうことができる。

そして、アトランティックオーシャンロードといえば、もうひとつ、迫力ある勾配と急カーブも有名だ。見る角度によっては道の先が見えない程の勾配と急カーブは、実際に走るとまるでジェットコースターのような迫力なのだとか。

モンサント(ポルトガル)

モンサントはポルトガルの東部、スペイン国境近くに位置する小さな村の名前だ。「聖なる山」の意を持つこの村の特徴は、巨岩と共存した街並みである。村に入ると、美しい石畳や石壁が建ち並ぶ中、巨大な岩が点在している風景を目にすることになる。

実は、この村では元々あった岩をそのまま家や壁の一部に利用しているのだ。そのため、巨岩が家の屋根に乗っていたり、道にせり出していたりと奇妙な光景が広がっている。一説には、かつてこの地には「巨石信仰」があったのではないかといわれており、そのため古くから巨石を用いることでそのパワーにあやかろうとしたのではないかという。

ストリートビューでも、数百年前に岩をくり抜いて作られた家や、今にも家を圧し潰さんばかりの迫力で道の両端にある巨岩などを確認することができる。岩は花崗岩で、今でも昔のままの姿を見ることができる。自然の大いなる力をも感じさせてくれる古き街並みだ。

シュプロイアーホフ通り(ドイツ)

ドイツの南部に位置するロイトリンゲンには、まるで隙間のように狭い通りが存在する。全長約50mのこの通りは、シュプロイアーホフ通りと呼ばれており、2つの建物の隙間と言った方が正しいくらいの幅しかない。ストリートビューで見ても、息苦しくなるほどの閉塞感を感じるこの通りの最峡部は、なんと31cm。A4サイズの長辺程しかないのだから驚きだ。

しかし、これでもれっきとした公道であり、2007年にはギネスワールドレコーズに「世界一狭い通り」として認定されている。通りの入口には、その証として銘板が掲げられており、今では観光スポットとしても名高い。その一方で、この通りは現在、消滅の危機に瀕しているそうだ。というのも、この通りを作り出している建物が築約300年のため老朽化により倒壊する恐れがあるのだ。観光関係者が、「世界一狭い通り」の維持のために奔走しているとのことなので、このユニークな「通り」が生き残ることを願いたい。

階段国道339号(日本)

最後は、日本にあるユニークな道を紹介しよう。国道339号は、青森県弘前市から東津軽郡外ヶ浜町に至る国道だ。階段国道はその一部、東津軽郡外ヶ浜町三厩竜飛の竜飛灯台付近から竜飛漁港付近の竜飛漁港バス停までを結ぶ歩道区間のことである。

その名の通り、階段なのに国道に指定されている場所で、総延長は338.2m、362段の日本で唯一の階段国道だ。国道ではあるが、階段なので当然のことだがクルマやバイクが立ち入ることはできず歩道区間となっている。青森県によると、1974年に国道指定されたそうで、徒歩では約15分の長さなのだとか。

南側区間では日本海の絶景を、北側区間では四季折々の山の景色を眺めることができるので、今や観光地としても名高い国道となっている。さらにユニークなのは、階段の最終地点から、「階段国道」の終点までの道である。赤い石畳が敷かれた道を通っていくのだが、この道が住宅の真ん前を通っているのだ。歩いていてすぐ横が一般住宅の窓、というのは目線を向ける先に戸惑ってしまいそうだが、こんな体験ができるのも「階段国道」だけと思えば楽しめるかもしれない。

世界には、まだまだたくさんのユニークな道が存在している。例えば、実際には通りたくないような断崖の道など、ストリートビューなら家にいながらバーチャルドライブを楽しむことができる。ぜひ、あなただけのユニーク街道をドライブしてみてはいかがだろうか。

記事の画像ギャラリーを見る

この記事をシェア

  

応募する

応募はこちら!(4月30日まで)
応募はこちら!(4月30日まで)