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ライフスタイル最終更新日:2023.07.06 公開日:2023.03.11

なぜオクシズの「縁側カフェ」が人気なのか?山奥の民家に故郷を求めて

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記事提供元/カエライフ

なぜオクシズの「縁側カフェ」が人気なのか?山奥の民家に故郷を求めて_01|くるくら

かわり映えのしない日常も、少しの工夫を加えると、新しい発見と素敵な連鎖が起こります。クルマは日常と、非日常を簡単に行き来できるアイテム。そんなクルマと一緒に出かければ、それはもう、旅。

「カエライフ」では日常に彩りをプラスするちょっと変わったドライブプランを紹介していきます。

今回は、

  • 田舎の原風景でおばあちゃんの笑顔に癒されたい
  • お茶の飲み比べをしたい
  • 地元新鮮食材のおもてなしを味わいたい

そんな人にオススメのドライブ旅プラン!

わくわくする出会いを求めて、さあ、出発です!

オクシズ=奥静岡の民家:おおさわ縁側カフェ

なぜオクシズの「縁側カフェ」が人気なのか?山奥の民家に故郷を求めて_02|くるくら

奥静岡・大沢地区の景色

今回選んだ場所は、今ひそかに人気を集めているオクシズ=奥静岡。オクシズというのは、静岡市の中でも豊かな自然が残る山間地域のことで、日本の原風景が見られると、近ごろオクシズという愛称で親しまれている場所です。

そのオクシズに第2、第4日曜日の月2回のみ営業している「おおさわ縁側カフェ」というカフェがあるとの情報をキャッチしました。

静岡市街から離れた山の中。しかも月2回のみの開催。いったいどんな人がやっているのだろう。それにどこか懐かしく、癒される雰囲気がある”縁側”というネーミングにも心をつかまれます。

さっそく場所を調べてみると、クルマがないとなかなか行きにくい場所。よし、今回はここで決まり! オクシズの縁側カフェへGO~。

【shop data】
おおさわ縁側カフェ
住所:静岡県静岡市葵区玉川地区大沢
営業日:毎月第2・4日曜日開催
営業時間:春・夏(4〜10月)10:00~15:00ごろまで、秋・冬(11〜3月)は14:00ごろまで

※本記事に掲載された情報は、カエライフ掲載時点(2019年5月2日)のものです。

どう行く?静岡市内からクルマで約1時間のドライブ

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【アクセス】
クルマ:JR静岡駅から約50分。新静岡インターからはクルマで約40分。
バス:JR静岡駅から安倍線「横沢」行きで約1時間15分「大沢入口」下車、そこから徒歩20分

オクシズへは静岡駅からバスでも行けますが、平日は1日2本、土日でも1日4本という少なさ。しかも最寄りのバス停からは徒歩約20分。というわけで、今回はクルマで向かうことに。

新東名高速道路、新静岡インターから車で約40分。今回の旅の相棒、FIT Modulo styleに装備されたカーナビゲーションを頼りにクルマを走らせると、どんどん山奥へとガイドされていきます。

途中、道幅が狭くなり対向車のバスとのすれ違いもぎりぎりで通れるかどうか。「本当にこの先にカフェなんてあるの?」と少し不安が高まったところに、おおさわ縁側カフェの看板を見つけてほっとひと安心。

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この看板から先はさらに細い道。ここから目的地まではあと1km!

全23戸の集落が隔週でオープン

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一軒、一軒、異なる心地よい空間。

到着すると、縁側カフェを開催している村のお母さんたちが笑顔で出迎えてくれて、縁側カフェマップを手渡してくれました。

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赤い丸で囲われた場所がその日の縁側カフェが開催されている家。マップを頼りに歩いて巡る。

月2回開催される縁側カフェは1軒だけがやっているのではなく、この村の23の家のすべてが行なっています。

ただ月によって営業している家もあれば、お休みの家もあり、営業するかどうかはその家の主の都合次第。そんなゆるやかなルールもほっこり癒されます。

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駐車できるスペースがいくつかあって、場所は案内してもらえるので安心です。

どの縁側でもおばあちゃんが笑顔でおもてなし

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クルマを駐車場に停め、さっそくマップを頼りに縁側カフェ巡りを開始!

最初はどきどき、キョロキョロしながら家の庭から入ったのですが、どの家に行っても来場者を見つけると縁側カフェの主が「空いている席にどうぞ。どこから来たの? 東京から? 遠いところからありがとう。ゆっくりしていってね」と気さくに声をかけて迎えてくれました。すぐに打ち解けてしまうのはお母さんたちの優しい人柄のおかげ。

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お客さんだけでなく、カフェを開催していない近所の方も集まってきて、笑い声が絶えない楽しい雰囲気。

お茶うけ付きで1軒300円、地元新鮮食材を使ったお茶うけに舌鼓!

1軒につきお茶代はお茶うけ付きで300円。

お茶うけは季節にあわせて家でとれた野菜やしいたけ、家で作ったゆずみそやこんにゃくといった食材を使い、お母さんたちが真心込めて手作りしたもの。お茶はもちろん、このお茶うけが本当においしい。

お茶とお茶うけをいただき、お母さんとおしゃべりを楽しんだら、また次の縁側カフェへ。

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お汁粉、こんにゃくの白あえ、抹茶ムース。味の濃いお茶との相性抜群。

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写真のお茶うけはお茶マドレーヌ、きんぴらごぼう、チンゲン菜のいためもの。

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心こもったお母さんたちが作るお茶うけはどれもおいしい。

※2023年3月より、一人500円に価格変更となります。

「縁側」のハシゴとお茶を飲み比べできる楽しみ

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スタンプラリーも用意されている。8つの家を回って家紋シールを集めると大沢のお茶がプレゼンされる。楽しい試み。

1軒、1軒、お母さんたちが作るお茶うけが違うので、どんなお茶うけが用意されているのかも楽しみになってきます。

そして驚いたのがお茶の味も1軒、1軒、違うこと。「同じ地区の茶畑なのに、どうしてお茶の味が違うんですか?」と尋ねると、「各家に茶畑があって、各自で製造しているから違いがでるんですよ」と教えてくれました。

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「お母さん手作りの抹茶ムース、おいしかったー」、「ほんと、よかったー。ゆっくりしていってね」。

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23世帯あるうち15軒にお茶の工場があり、それぞれの茶畑でとれた葉を各自が製造。お茶の飲み比べも縁側カフェの楽しみ方の1つ。

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縁側カフェマップを手に散策も楽しい。一番遠くの家も歩いて15分程度。訪れた日は4軒ハシゴしてお茶巡り。

大沢地区のお茶の特徴

大沢地区のお茶は、引き締まった濃い味で、色味は薄いのにしっかりとした山の香りがします。これは寒暖差が激しく、山に深い霧がよく降りる気候条件が、この地区ならではの特有の味を育んでいるのだとか。

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各家の茶畑から茶摘みされた葉で製造されたオリジナルのお茶が購入できる。野菜やしいたけ、卵などのお土産も。

縁側カフェの始まりは「おいしいお茶をふるまいたい」という熱意

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縁側カフェの始まりは今から6年前の2013年。お茶農家の内野 正樹さんが「お茶のよさを知ってもらうために、自分たちの家の縁側で、自分たちの作ったお茶をふるまおう!」と村の人に呼びかけたのがきっかけ。

当初はこんな田舎まで本当に人が来るのか心配もあったようですが、ふたを開けてみると静岡市内だけでなく県外からも来場者があり、多いときは村の人口73人に対して200人を超えることもあったそう。

縁側カフェを始めてから、なにがいちばん変わったのかを内野さんに尋ねると「村の人たちが元気になったことです。無理をせず、まずは自分たちが楽しもうといつも言っています。自分たちが楽しまなければお客さんも楽しめないと思うんですよね」と楽しそうに語る内野さん。

縁側カフェの人気の秘密は「皆が楽しんでいること」

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「縁側カフェでいろいろな方とおしゃべりするのが、なにより楽しいの」。自分たちが楽しんでいる様子が伝わってきます。

初めて訪問したのにも関わらず、祖父母の家、親戚の家を訪れたかのような感覚に包まれたのは、大沢の方々自身が来場者の訪れを楽しみにし、心からおもてなしてくれているからなのだなーとしみじみ。

1度訪れると、また行きたくなる……もとい、帰りたくなる。この”帰りたくなる”ような気持ちにさせてくれるのは、おおさわ縁側カフェの最大の魅力なのかもしれません。

おばあちゃんの笑顔に出会いたい人におすすめ

縁側カフェでもらったすてきな笑顔と温かい出会いに、身も心も充電完了。明日からの活力をしっかりといただいて、相棒FIT Modulo styleとともに帰路につきました。

いつもの日常から離れて、知らない土地へクルマとともに出かければ、想像を超えたすてきな出会いが待ち受けています。さぁ、次はどこに出かけよう。いまからワクワクです。

【shop data】
おおさわ縁側カフェ

住所:静岡県静岡市葵区玉川地区大沢
営業日:毎月第2・4日曜日開催
営業時間:春・夏(4〜10月)10:00~15:00ごろまで、秋・冬(11〜3月)は14:00ごろまで
アクセス:[クルマ] JR静岡駅から約50分。新静岡インターからはクルマで約40分。[バス] JR静岡駅から安倍線「横沢」行きで約1時間15分「大沢入口」下車、そこから徒歩20分(安倍線「横沢」の時刻表

※2023年3月より、休憩料は一人500円に変更となります。

※本記事に掲載された情報は、カエライフ掲載時点(2019年5月2日)のものです。おおさわ縁側カフェは、新型コロナウイルス感染拡大防止等の影響により、お休みをしておりましたが、2023年3月26日(第4日曜日)から再開することが決定しました。詳しくはおおさわ振興会ホームページにて必ずご確認の上、お出かけください。

文/鈴木 珠美

写真/オフィスタマ

※この記事は、カエライフに2019年5月2日に掲載されたものです。

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