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クルマ最終更新日:2022.07.24 公開日:2022.07.24

心が折れた…本格レーシングシミュレーター、体験動画つき

トムスは2022年7月14日から18日に、レーシングシミュレーター「TOM’Sマルチシミュレーションシステム」と、ドライビングプログラム「TOM’S FORMULA COLLEGE」を伊勢丹浦和店で展示。そのレーシングシミュレーターにくるくら編集員が試乗した。

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FIA-F4を使用したドライビングプログラム

TOM'Sマルチシミュレーションシステム

伊勢丹浦和店に展示されたレーシングシミュレーター「TOM’Sマルチシミュレーションシステム」 写真=小林祐史

 トムスは2022713日~18日に伊勢丹浦和店で、ドライビングプログラム「トムス・フォーミュラ・カレッジ」で使用されているFIA-F4マシンと、レーシングシミュレーター「TOM’Sマルチシミュレーションシステム」を展示した。

 「フォーミュラカーを操ってみたい。サーキットをもっと速く走りたい。レーシングドライバーになりたい」という夢をかなえるために、トムスが20224月から展開しているドライビングプログラムが「トムス・フォーミュラ・カレッジ」だ。ドライバーのレベルに応じたプログラムが組まれているが、初級のエクスペリエンス・コースからFIA-F4マシンを使用したカリキュラムを用意していることが最大の特徴である。

ワイドスクリーンとモーション装置でリアルなフォーミュラカー体験

2シーター仕様のTOM'Sマルチシミュレーションシステム

伊勢丹浦和店での展示用に製作された2シーター仕様のTOM’Sマルチシミュレーションシステム 写真=小林祐史

 今回はFIA-F4マシンに加え、トムスが開発したドライビングシミュレーター「TOM’Sマルチシミュレーションシステム」も展示された。このドライビングシミュレーターは、大型スクリーンや6DoFなどのモーション装置により、人の空間視認知や姿勢認知を正確に再現し、質の高いトレーニングが可能なものとなっている。具体的にはシートを前後左右上下に傾けるモーション装置によってフィジカルで感じる躍動感が生まれる。さらに大型スクリーンによって没入感の高いバーチャル空間が眼前に広がるので、フォーミュラカーのドライビング感覚をリアルに体験できるシステムとなっている。このシミュレーターは「トムス・フォーミュラ・カレッジ」でも実車へ乗車する前の慣熟や、データロガー解析によるドライビングテクニックの向上などの用途で使用されている。

 同機はスクリーンやモーション装置の仕様違いで、ハイエンド仕様の大型半球体スクリーンSIM、マルチユース仕様の小型半球体スクリーンSIM、レーシング仕様のシリンドリカルスクリーンSIM、モーション連動型モニタ仕様の4 種類が用意されている。

 特にスクリーンシステムは、システム全体のサイズが大きくかかわってくるものだ。その違いは大型半球体スクリーンSIMが幅5.8m×高さ4.2m×奥行3.5m、小型半球体スクリーンSIMが幅3.4m×高さ2.3m×奥行2.1m、シリンドリカルスクリーンSIMが幅4.2m×高さ2.3m×奥行2.4mになる。なおモーション連動型モニタ仕様は湾曲型ゲーミングモニタを利用するのだが、モニタのインチ数や画面の数によって大きさが異なってくる。特に高さに関して大型半球体スクリーンSIMは一般住宅の天井よりも高く、小型半球体スクリーンSIMでもギリギリ。倉庫のような天井の高い建物でないと設置できない高さだ。

 さて価格だが、大型半球体スクリーンSIM5000万円(税込)から。小型半球体スクリーンSIMとシリンドリカルスクリーンSIM2500万円(税込)から。モーション連動型モニタ仕様は180 万円から、とお値段もホビーレベルを超えたプロ仕様となっている。

コクピット

展示されたTOM’Sマルチシミュレーションシステムの上位3仕様で使用されているコクピット部。FIA-F4のモノコックがそのまま使われている 写真=小林祐史

本格的レーシングシミュレーター「TOM’Sマルチシミュレーションシステム」

 今回の展示では同機の体験試乗も行われているが、その仕様はフォーミュラカーのシングルシートから乗用車のような並列の2シーターに変更した特別なもので行われた。それにくるくら編集員が試乗してきた。

やっぱりフォーミュラカーは簡単じゃない

試乗するくるくら編集員

くるくら編集員が体験試乗してみた 写真=海野亜矢子

 今回の仕様は2シーターであるが、スクリーンに映るのはFIA-F4のフォーミュラカーだ。フォーミュラカーなので強力なダウンフォースが発生する設定となっている。そのダウンフォースがかかっている状態では、大胆なハンドルやブレーキング操作をしても、ドライバーの意のままに車は動いていく。その代わりダウンフォースが低下する低速コーナーでは、スピンやブレーキロックが起きやすくなり、繊細な操作が求められる。つまりドライビングでは、大胆さと繊細さの両方を使い分ける必要がある。

 今回の試乗コースは富士スピードウェイ。日本国内のメジャーなサーキットなので、コースレイアウトは頭に入っていたので不慣れという感覚は無かった。

 が、実際にドライビングしてみるとフォーミュラカーの特殊なハンドル・ブレーキ操作に戸惑いっぱなしだった。

 まず時速200km前後から進入する1コーナーであるTGRコーナーでは、何度やってもブレーキのかけ具合とハンドル操作の連携が掴めず、コースアウトを連発。また時速160kmをキープして右にコーナリングするグリーンファイト100Rコーナーでは、車速が高まるほど重くなるハンドルに戸惑った。そして最後までスピンやコースアウトを連発したのが、13コーナーやGR Supraコーナー、パナソニックコーナーのあるコース終盤。上り勾配や路面左右の傾き(カント)などとの路面状況が目まぐるしく変化するので、ブレーキのかけ具合だけでなく、アクセル操作も慎重に行わないと簡単にスピンしてしまう。もちろんハンドル操作も路面に合わせないと、コースにとどまることすら難しかった。

 結果は、約10分の試乗で14回もコースアウトとスピン。そんなボロボロの試乗が終わって、トムスの担当者にハンドルの重さやブレーキ操作の難しさについての感想を伝えたところ、実は今回は「体験」ということでハンドルの重さやブレーキ操作に関しては控えめにしてあり、本来はもう少し重く、シビアと教えてくれた。いやー、当たり前ですがフォーミュラカーは簡単じゃない、と心が折れた体験試乗でした(涙)。

【動画】くるくら編集員が約10分間で14回もスピン&コースアウト


TOM’Sマルチシミュレーションシステムの細部写真や
くるくら編集員がFIA-F4モノコックに座った写真は
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