2021年11月28日 10:40 掲載
ライフスタイル これぞプロ魂!自転車ロードレースを支えるニュートラルカー
まるで秘密基地!トラックもあるんだぜ!
ニュートラルカーはレースに帯同する車だか、実はもう1台ロードレースを支えている車がある。「テクニカルサポートトラック」だ。トラックはレースには帯同せず、待機場所でレース前日~当日まで自転車の不具合や故障に対応している。プロチームのレースではチーム内に専属のメカニックがいるため、出番は少ないそうだが、学生や市民レースの日は、朝から50人が並ぶほどの大行列ができることも。
トラックとニュートラルカーが並ぶと迫力が増す
実際にトラックの中を見せてもらった。中はまるで秘密基地!入り口には本格的な作業台があり、奥には所狭しとパーツが入ったボックスやホイールがびっしり配置されていた。車内は狭いので作業がしやすいよう、使用頻度の高いパーツから取りやすい位置に置かれ、ボックスにもひとつひとつラベリングしてから収納されているなど、動線が計算されていてとても効率良く感じる。
本格的な作業台はみているだけでワクワクするような道具がいっぱい!
トラックの車内は細かなパーツから自転車のフレームまで揃っていた
ホイール、ホイール、ホイールだらけの壁! 写真=シマノ
サポート体制は万全!
シマノの本社は大阪にある。レースは日本全国で開催されているが、各地に車両を管理する拠点があるのだろうか。
「拠点はありませんよ。北海道や東北、南は沖縄まで、大阪のシマノから出発します。移動は陸路だったりフェリーだったり、いろいろ利用します。」
大阪から出発とは驚いたが、タイミングが良ければロードレース以外で走っているニュートラルカーを見かけることができるかもしれない。
今回の取材時、ニュートラルカーのドアポケットのあちこちに水のペットボトルを見つけた。何かの修理に使ったのかと思い聞いたところ、普通の飲料用。ロードレースでは、アップダウンやカーブのあるコースが多いうえ、時には選手がアタック(加速)をしたら、もちろん車両も加速しなくてはならない。勾配にもよるが、下り坂では最高速度で時速70キロほどになることもあれば、一転、上り坂では時速30キロほどまで減速することも。これが100km以上続くのだ。普通のドライブだったら間違いなく車酔いしてしまうだろう。しかしニュートラルカーに乗車している間は、車酔いしたからといって車を止めるわけにも、横になって休むわけにもいかない。車酔い対策のため、レース中は水分をこまめに摂取しているという理由だった。万全なサポートのためには、体調管理も大事な任務のひとつだ。
メカニック達の努力や役割がわかると、ロードレース観戦もまた違った観方や面白さがでてくる。
「競技を、選手の力ではなく、自転車の機材で勝敗を分けてしまってはなりません。そのために我々は出来るだけ選手に付き添い、レースをサポートします。」
ぜひ、ニュートラルカーの動きにも注目して観戦して欲しい。
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