写真で見る、首都高・横浜北西線の工事現場!後編
2020年3月の開通が発表された首都高・神奈川7号横浜北西線は、首都圏の交通を大きく変えると期待されている。今回は横浜青葉IC・JCTと横浜港北IC・JCTの地上からの景観とドローンによる空撮画像を掲載する。
首都高・神奈川7号横浜北西線(K7北西線)は、東名高速および厚木街道(国道246号)と接続する横浜青葉IC・JCTから、首都高・神奈川7号横浜北線(K7北線)および第三京浜と接続する横浜港北IC・JCTまでを結ぶ高速道路だ。開通時期は当初2021年度中とされていたが、2回の前倒しを経て2020年3月に開通する見通しが発表されている。
今回は、横浜青葉IC・JCTから北八朔(きたはっさく)地区のトンネルの出入口付近まで、そして港北IC・JCTから東方(ひがしかた)地区のトンネル出入口付近までの地上からの景観と、横浜市によって報道公開されたドローンによる空撮画像を掲載する。
横浜青葉IC・JCTから北八朔地区のトンネル出入口付近まで
画像Aは、K7号北西線と厚木街道(国道246号)および東名高速が接続する横浜青葉IC・JCTから北八朔地区のトンネル出入口にかけて、今回撮影したポイントを示したもの。青の矢印が撮影ポイントと向きだ。地上からの撮影はすべて9月29日に実施した。空撮画像は9月中の撮影だ。首都高広報資料「横浜北西線出入口」の横浜青葉IC・JCTの概念図をもとに作成した。
画像1は、横浜青葉JCTを下から撮影したもの。K7北西線と横浜青葉IC(厚木街道)をつなぐ連絡路と、K7北西線と東名高速を接続する連絡路が上下複数の層になって交錯しているのがわかる。
画像2は、横浜青葉JCTをドローンが空撮したもの。左下から右横へと走るのが東名高速。画像左が東京方面で、右が静岡・名古屋方面だ。東名高速をオーバーパスして画像正面奥へと向かうのがK7北西線と横浜青葉ICを結ぶ連絡路。横浜青葉本線料金所やトンネル出入口側を向いて撮影された。
画像3は、横浜青葉IC・JCTからトンネル出入口のある北八朔地区へ向かう途中で撮影したもの。横浜青葉IC・JCT側を向いて撮影した。周囲は田畑が広がる、農業の盛んな地域だ。
画像4は、壁面がある部分は盛土の区間で、横浜青葉IC・JCT側を向いて撮影したもの。北八朔地区のトンネル出入口は、地下へ潜り込む形なので横浜青葉JCTからは下り坂が続く。
K7北西線上の赤い屋根は横浜青葉本線料金所のもの。東名高速へ向かうK7北西線(下り)のNEXCO中日本の料金所だ。その右のグレーの屋根は横浜青葉IC(厚木街道)からの上り線の首都高の料金所。
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続いては料金所周辺の空撮画像など!
画像5は、K7北西線の横浜青葉本線料金所の脇に設けられた排出路(トンネル出入口側を向いて撮影)。違反車などは、ここから一般道に降ろされる。グレーの建物は首都高職員のための休憩所で、その奥で足場の組まれている建物は建設中のNEXCO中日本の計算所。
画像6は、K7北西線の横浜青葉本線料金所付近から、横浜青葉IC・JCT側を向いて空撮された画像。盛土区間は10月上旬の報道向け現場公開の時点でもまだ舗装されていなかった。
左の赤い屋根がK7北西線(下り)から東名高速へ向かうNEXCO中日本の料金所。グレーの屋根が横浜青葉IC(厚木街道)からのK7北西線(上り)の首都高の料金所。右の赤い屋根は、東名高速からK7北西線(上り)へのNEXCO中日本の料金所。そして右側の建物が、奥が首都高職員の休憩所で、手前(右下側)がNEXCO中日本の計算所。
画像7は、K7北西線の横浜青葉本線料金所付近から、北八朔地区のトンネル出入口側を向いて空撮された画像。料金所を過ぎると再び舗装されていることがわかる。左側の首都高職員の休憩所とNEXCO中日本の計算所の左側にあるのは画像5の排出路。その左を流れるのは鶴見川。
画像8は、K7北西線の北八朔地区にあるトンネル出入口の空撮画像。トンネル出入口の先にある白い大型施設は、北八朔換気所(地上1階・地下2階、敷地面積7800平方m、換気塔の高さ10m)。周囲の景観に配慮し、北西線と自然の調和をデザインコンセプトとし、極力建物が小さく見えるような壁面のデザインや塗装が施されている。
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続いては横浜港北IC・JCT!
横浜港北JCTには新たにICも建設
現在、K7北西線と、K7北線および第三京浜が接続する横浜港北JCTに第三京浜の港北ICはあるが、K7北線にICは存在しない。現状、横浜港北JCT付近で一般道に降りたくても、手前の新横浜ICを利用する必要がある。そうした不便をなくすため、K7北西線の開通に合わせ、横浜港北ICが建設中だ。
画像Bは、首都高の横浜港北IC・JCTおよび第三京浜の港北ICの撮影ポイント。赤が首都高本線。そのほかの色は首都高および第三京浜の連絡路だ。首都高広報資料「横浜北西線出入口」の横浜港北IC・JCTの概念図をもとに作成した。
横浜港北IC・JCTは、第三京浜の港北ICの連絡路と複雑に絡み合い、場所によっては連絡路と本線が5層構造になっているなど、横浜青葉IC・JCTに負けず劣らずとても複雑だ。港北IC・JCTから東方地区のトンネル出入口までの地上からの景観はすべて10月9日に撮影。空撮画像は9月中に撮影されたものだ。
画像9は、1ページ目冒頭に掲載した横浜港北JCTの全景。鶴見川にかかる小机大橋(新横浜元石川線)から撮影した。工事用のネットなどがかけられているのが、K7北西線。その右側にK7北線が続き、生麦JCT方面へ向かう。
3層構造の最上階の連絡路は、港北IC入口および第三京浜からのK7北西線(下り)に合流する連絡路。港北IC・JCT周辺のK7北西線と同北線は上下2層構造になっており、この連絡路はK7北西線の上り線をまたいでから下側の下り線に合流するという、まさにジェットコースターのようにループとアップダウンが続く。
画像10は鶴見川上空、第三京浜(画像左下から右中程へ向かう三車線道路)とその下流に位置する小机大橋との中間辺りで撮影されたもの。画像9でも触れたが、最上層の連絡路がまるでジェットコースターのようなループとアップダウンを描いているのがさらによくわかる。
画像11は、横浜港北IC・JCTの連絡路の建設現場。目の前に見えているのは、首都高からの横浜港北ICの出口へ向かう連絡路。そのカーブの内側には、横浜港北ICの入口からの連絡路が見えている。入口からの連絡路は、出口へ向かう連絡路をアンダーパスする構造だ。地上から見ると、右に左にコーナーが続き、ジェットコースターというよりはサーキットのような趣もある。
画像12は、横浜港北IC・JCTから少しだけ横浜青葉IC・JCT側へ寄った地点でK7北西線を撮影したもの。このちょうど正面の辺りに、一般道の川向線に接続する横浜港北ICの出入口が設けられる計画だ。
画像13は、横浜港北IC・JCT周辺の川向地区で整備中の一般道と共にK7北西線を撮影したもの。K7北西線への交通の転換が行われて交通量が減るだけでなく、一般道の整備によって川向地区の交通の利便性が向上するはずだ。
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最後は東方地区のトンネル出入口付近まで!
画像Cは、横浜港北IC・JCTから東方地区のトンネル出入口までの広域図および撮影ポイント。首都高広報資料「位置図・縦断図・断面図」の地図を用いて作成した。
画像14は、北西線の横浜港北IC・JCTから東方地区のトンネル出入口までの中間地点近辺で撮影したもの。左側に横浜港北IC・JCTの一部が見える。K7北西線の上下2層構造は、トンネル出入口直前まで続く。
画像15は、東方地区のトンネル出入口近辺で港北IC・JCT側を向いて撮影したもの。東方地区は丘陵地帯のために撮影した一般道は港北IC・JCT側からトンネル出入口に向かって急傾斜で上り坂となっている。K7北西線は北八朔地区では地下に潜る形だが、東方地区ではちょっとした山腹に突入するようなイメージなのでよりトンネルらしい。正面遠方(左側の鉄塔のすぐ右側)に見えるのは、高さ296mの横浜ランドマークタワー。
画像16は、東方地区の出入口上空から横浜港北IC・JCT側を向いて撮影されたもの。K7北西線は東方地区のトンネルを出るとすぐに上下2層構造になり、そのままK7北線の横浜北トンネル出入口まで続く。
画像17は東方地区のトンネル出入口を並走する一般道から撮影したもの。K7北西線の路面自体はすでに舗装されているが、周辺は未舗装である。
画像18は、トンネルの出入口を空撮したもの。正面に見える大型施設は、東方換気所(地上1階・地下2階、敷地面積8700平方m、換気塔の高さ15m)。北八朔換気所と同様、自然との調和を考慮してデザインされている。ただしデザインは異なり、カラーはグレーとゆず肌色が採用されている。
巨大な建築物は迫力があり、また入念な計算により設計され、美しさも備わっている。高速道路もそうした巨大建築物のひとつであり、近くから見ると圧倒される。そして、それがもうすぐ、実用に供されることになる。