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最終更新日:2023.06.16 公開日:2020.05.13

全国の都道府県道1号はどんな道路? 中日本編(北陸・中部・近畿)

都道府県道1号は「主要地方道」のひとつとして位置付けられており、国道や高速道路などと共に円滑な道路交通を担う重要な道路だ。ここでは中日本編として、北陸から近畿までの3地区13路線(そのうち3路線は欠番)を取り上げる。

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都道府県道は、高速自動車国道、国道、市(区)町村道と共に道路法第3条によって定められている公共の道路だ(※1)。都道府県道は地方的な幹線道路網を構成しており、中でも重要なのが、建設省大臣(現・国土交通省大臣)によって指定を受けた「主要地方道」だ(※2)。主要地方道は、ひとつの都道府県では収まらず、複数にまたがるものもあるところだろう。

※1 道路法第3条の都道府県道の定義に関する6つの条件については、最終ページ末に掲載。
※2 主要地方道:建設省大臣(当時)が1993年5月11日に行った6回目となる主要地方道の指定(建設省告示第千二百七十号「道路法第五十六条の規定に基づく主要な都道府県道及び市道」)が最新で、都道府県道だけでなく、市道も指定されている。

 都道府県道は、一部の例外を除くと1~100号までの路線番号がつけられている。一般県道は101号からだ。今回紹介している都道府県道1号も、基本的には主要地方道である(※3)。

※3 主要地方道は1号から、一般県道は101号からというルールは、1994年6月30日に、建設省道路局長から各都道府県知事宛に、都道府県道の路線番号の付け方として「建設省道政発第33号都道府県の路線認定基準について」の通達が行われ、一部の例外を除いて基本的にはこれに従ってつけられている。

 そんな全国都道府県道1号の「中日本編」。以下のリストにある北陸、中部、近畿の3地区合計13路線を取り上げ、起点・終点や総延長、その特徴などを紹介する。そのうち3路線は欠番だが、それぞれの理由の調査結果も掲載した。なお総延長と起点・終点に関しては、国土交通省が5年ごとに発表している「道路センサス」2015年版を参照した(※4)。そのほか、各都道府県の道路管理部門などが公表している公式データなども参考にしたほか、各自治体に直接確認した路線もある。

※4 道路センサス:5年ごとに発表されているが、原稿執筆時点の2020年4月末から5月中旬にかけての時点での最新版は2015年版。

【北陸】
●富山県:富山魚津線(とやまうおづせん)
●石川県:七尾輪島線(ななおわじません)
●福井県:小浜綾部線(おばまあやべせん ※5)

※5 小浜綾部線:福井県・京都府にまたがる。

【中部】
●岐阜県:岐阜南濃線(ぎふなんのうせん)
●愛知県:飯田富山佐久間線(いいだとみやまさくません ※6)
●静岡県:
飯田富山佐久間線(※6)
●三重県:欠番

※6 飯田富山佐久間線:長野、愛知、静岡の3県にまたがる。

【近畿】
●滋賀県:欠番
京都府:小浜綾部線(おばまあやべせん ※5)
●大阪府:茨木摂津線(いばらきせっつせん)
●兵庫県:日高竹野線(ひだかたけのせん)
●奈良県:奈良生駒線(ならいこません)
●和歌山県:欠番

→ 次ページ:
北陸3県+中部4県の県道1号を紹介

北陸地方の県道1号3路線

【富山県】富山魚津線
東へ向かって富山湾沿いに走る路線

読み方:とやまうおづせん
起点所在地
東側ルート:
富山市田尻東
 西側ルート:富山市田尻西
起点交差点名
 東側ルート:田尻
 西側ルート:なし(国道8号富山高岡バイパスとの交差点)
終点所在地:魚津市本町(うおづしほんまち)
終点交差点名:なし(県道2号と接する交差点)総延長:25.7km

富山市から東に向かい、間に滑川市(なめりかわし)を挟んで魚津市までをつなぐ県道。起点は2か所あり、どちらも国道8号富山高岡バイパスの交差点からで、1.5kmほど北に行った今市交差点で合流する。そこからわずかに150m北にある交差点の四方荒屋(よかたあらや)から2.5kmほど東に行った先の千原崎(ちはらざき)までは、国道415号との重複区間だ。そのあとは、富山湾に沿いに進むことになる。常願寺川(じょうがんじがわ)や上市川(かみいちがわ)など、一部の河川を渡るときには富山湾を見渡せる。

【石川県】七尾輪島線
能登半島を縦断する県道

読み方:ななおわじません
南部区間
 起点所在地:七尾市川原町(ななおしかわらまち)
 起点交差点名:川原町
 終点所在地:七尾市田鶴浜町(たつるはままち)
 終点交差点名:田鶴浜東
E41のと里山海道区間
起点所在地:
羽咋郡志賀町(はくいぐんしかまち)および七尾市大津町
起点交差点名:
徳田大津JCT(E41のと里山海道JCT名)および徳田大津インター(徳田大津IC連絡路への入口交差点名)
終点所在地:鳳珠郡穴水町(ほうすぐんあなみずまち)
終点交差点名:穴水IC
北部区間
 起点所在地:鳳珠郡穴水町(ほうすぐんあなみずまち)
 起点交差点名:鵜島(うしま)
 終点所在地:輪島市河井町(わじましかわいまち)
終点交差点名:河井中央
総延長:56.6km

能登半島の中ほどに位置する七尾市から、同半島北部に位置するうるし塗りで有名な輪島市までをつなぐ県道。3区間に分かれており、一般道の南部区間と北部区間、その中間にある自動車専用道路の「のと里山海道」からなる。

南部区間は七尾市内を横断するルートだ。市役所に近い川原町交差点から北西へ向かい、JR七尾線・田鶴浜駅(たつるはまえき)の東側にある田鶴浜東交差点で国道249号と接続して終点となる。

のと里山海道は複数の路線で構成され、七尾輪島線の区間は、田鶴浜東交差点から西に5kmほど離れた羽咋郡志賀町(はくいぐんしがちょう)の徳田大津JCTが起点。終点は、鳳珠郡穴水町(ほうすぐんあなみずまち)の穴水ICだ。また徳田大津JCTに近い徳田大津ICと、県道3号との徳田大津インター交差点の間をつなぐ連絡路も七尾輪島線の一部だ。

北部区間は、穴水ICに近い鵜島交差点(うしまこうさてん)からスタート。のと里山海道からの連絡路と北部区間は、此木交差点(くのぎこうさてん)で接続。北部区間はそこからさらに北上を続け、最終的に輪島市の河井中央交差点まで向かう。このように、七尾市内を横断する南部区間、のと里山海道という自動車専用道路区間、そして輪島市を縦断する北部区間と、3つの顔を持つのが石川県道1号・七尾輪島線である。

【福井県】小浜綾部線
若狭湾から山間部を抜けて京都府へ

読み方:おばまあやべせん
起点所在地:
小浜市(おばまし)
起点交差点:小浜伏原(おばまふしわら)
終点所在地:大飯郡おおい町川上(おおいぐんおおいちょうかわかみ)
終点交差点名:なし(京都府との府県境)
支線
 起点所在地:小浜市岡津
 起点交差点名:岡津
 終点所在地:小浜市岡津
 終点交差点名:E27舞鶴若狭道・小浜西IC
延長(福井県内):28.8km
総延長(福井・京都):56.7km

福井県小浜市から京都府綾部市までつながる小浜綾部線の起点は、市の中心部にあるJR小浜駅そばの小浜伏原交差点(おばまふしわらこうさてん)。ただし、ここは国道27号との重複区間であり、小浜綾部線が単独路線として姿を現すのは、そこから7.8km西へ行った岡津交差点だ。ここから支線として、E27舞鶴若狭道・小浜西ICまで約300mの連絡路がある。

この300mの支線も小浜綾部線の単独区間ではあるが、国道27号と完全に分かれるのは、岡津交差点から西へさらに4.6km進んだ、大飯郡おおい町の本郷交差点からだ。ここから南へ進み、しばらくすると若狭湾(小浜湾)に注ぐ佐分利川(さぶりがわ)に沿うようになり、南西方向の山間部(府県境)へと向かっていく。田園風景の広がる開けた景観が、徐々に視界の見通せない山間部の様相を呈するようになってくると、府県境は間近だ。

福井区間の延長は28.8kmで、京都区間もそれとほぼ同等の27.9km。小浜綾部線の総延長は56.7kmだ。

中部地区の県道4路線(1路線欠番)

【岐阜県】岐阜南濃線
ハナミズキの名を与えられた県道

読み方:ぎふなんのうせん
起点所在地:
岐阜市金園町(かなぞのちょう)
起点交差点名:金園町4
終点所在地:海津市南濃町安江(かいづしなんのうちょうやすえ)
終点交差点名:般若谷(ばんにゃだに)
総延長:38.5km

岐阜南濃線は、岐阜市の中心からやや南側に位置する金園町の金園町4交差点を起点とし、南西方向へ向かう市街路だ。羽島市(はしまし)を抜けて海津市の南濃町地区にある盤若谷交差点(はんにゃだにこうさてん)までをつないでいる。

岐阜県の主だった道路は、花の名前が愛称としてつけられていることが特徴だ。これは「花街道」と呼ばれる、1989年にスタートした岐阜県と、各路線の沿線自治体との共同事業によるもの。地域住民から地元の花を題材にした愛称を公募してもらい、その中から選定して命名しているという。岐阜南濃線については、岐阜市・薮田交差点(やぶたこうさてん)から終点の盤若谷交差点まで「水郷ハナミズキ街道」と呼ばれている。

また岐阜南濃線の道中の景観のポイントは、一級河川の長良川(ながらがわ)を渡るときや、その西を流れる揖斐川(いびがわ)の堤防沿いを走るとき。西側に鈴鹿山脈が見え、雄大さを味わえる。

【愛知県】飯田富山佐久間線
北は長野へ南は静岡へ

読み方:いいだとみやまさくません
起点所在地:
北設楽郡豊根村富山水ノ久保(きたしたらぐんとよねむらとみやまみずのくぼ)
起点交差点名:なし(長野県との県境)
終点所在地:北設楽郡豊根村古真立千尋(こまだてちひろ)
終点交差点名:なし(静岡県との県境、佐久間ダム上)
延長(愛知県内):29.4km
総延長(長野・愛知・静岡):91.7km

長野県に始まり、愛知県を抜け、静岡県に至る飯田富山佐久間線。都道府県番号順では静岡の方が先だが、道路のつながり方の関係で愛知を先に紹介する。路線名の経由地を示す富山(とみやま)とは、2005年に豊根村(とよねむら)と合併するまで愛知県内に存在していた富山村に由来する。

起点は、豊根村富山水ノ久保(とみやまみずのくぼ)。同地区は、長野県下伊那郡天龍村神原(しもいなぐんてんりゅうむらかみはら)と地続きとなっており、さらに日本屈指の急流として知られる天竜川を挟んだ対岸(左岸)は静岡県という、3県が接するポイントである。終点は、天竜川に設けられた日本最大級の佐久間ダム上。同ダムの上を飯田富山佐久間線は通過しているのだ。

また愛知県内区間の特徴は、長野や静岡以上に多くの区間で右に左にカーブが連続するところ。直線らしい直線は、佐久間ダムに近い4つのトンネルのみといってもいいほどで、全国の都道府県道1号の中でも屈指の山道だ。

【静岡県】飯田富山佐久間線
3県にまたがる県道の終点

読み方:いいだとみやまさくません
起点所在地:
浜松市天竜区佐久間町佐久間
起点交差点名:なし(愛知県との県境、佐久間ダム上)
終点所在地:浜松市天竜区佐久間町浦川
終点交差点名:なし(県道9号との交差点)
延長(静岡県内):14.8km
総延長(長野・愛知・静岡):91.7km

長野県飯田市から始まり、愛知北設楽郡豊根村(富山地区)を経て、そして静岡県浜松市天竜区佐久間町で終点となる、飯田富山佐久間線。3県の最後を締めくくる静岡県内の起点は、佐久間ダム上の中間地点からスタート。天竜川が県境であり、左岸が静岡県だ(※7)。

飯田富山佐久間線はJR飯田線・中部天竜駅近くで国道473号との重複区間となり、天竜川の西を流れる大千瀬川(おおちせがわ)を渡った錦橋交差点まで続く。単独となったあとは愛知県との県境である浜松市天竜区佐久間町浦川にて、県道9号に接続して3県にまたがる長い道のりも終点だ。

なお重複区間では、2015年1月に天竜川右岸斜面崩壊が起き、天竜川に架かる原田橋と新たに建設中だった新原田橋が落橋するという大事故が発生。この5年間は仮設道路が設けられて従来とは異なるコースとなっていたが、2020年3月24日に原田橋が全面開通となった。

※7 河川の左岸:上流側に背を向けて下流を見たときの左手が左岸。

【三重県】欠番
現在となっては不明の欠番理由

三重県道1号は欠番だ。県道についての歴史をまとめた公式資料も公開されていないことから、三重県に問い合わせてみたが、理由は不明とのことである。「新道路法」の施行以降、三重県道も1950~1960年代に最初の路線認定を受けたと思われるが、その時期から欠番なのか、東京都道1号のようにかつては存在したが統廃合などで欠番となったのかも確認できなかった。

あるいは神奈川県道1号のように、国道1号が通っていることから、混同を避けたということも考えられる。ただし、県内を通るほかの国道23号・25号・42号との混同は避けられていない。国道1号は重要な路線であることから、1号とだけは混同を避けて欠番とした可能性もあるが、真相は不明である。

→ 次ページ:
最後は近畿6県を紹介

近畿地方の府県道1号6路線(2路線欠番)

【滋賀県】欠番
国道との混同を避けるために県道の一部は欠番に

三重県に続き、滋賀県も県道1号が欠番だ。滋賀県に確認したところ、担当者が答えてくれた。「正式な書類での確認はできないけれども」という前置きの上、代々先輩から伝えられている話として、「国道1号との混同を避けるため」だという。滋賀県では国道と主要地方道の混同を避けるルールとしているようで、国道1号だけでなく、国道8号と21号も県内を通過していることから、県道8号と21号も欠番となっている。

【京都府】小浜綾部線
起点も終点も国道27号と接する

読み方:おばまあやべせん
起点所在地:
綾部市老富町川原田(あやべしおいとみちょうかわらだ)
起点交差点名:なし(福井県との県境)
終点所在地:綾部市鷹栖町(あやべしたかのすちょう)
終点交差点名:山家(やまが)
総延長:27.9km
総延長(福井・京都):56.7km

京都府と福井県にまたがる小浜綾部線の京都区間。起点は府県境で、この辺りは300m弱の海抜がある山間部だ。府県境から間もなくして上林川(かんばやしがわ)沿いに南西方向に進むようになる。終点は、上林川が由良川(ゆらがわ)に流れ込むすぐ近くの綾部市鷹栖町(たかのすちょう)の山家交差点(やまがこうさてん)だ。

実は、終点で小浜綾部線が接続するのは国道27号。福井区間では起点から12km以上も重複している国道である。つまり、福井県の小浜伏原交差点から山家交差点まではどちらの路線でも1本で来られるということ。総延長は小浜綾部線が56.7km、国道27号が66.4km。小浜綾部線の方がショートカットする形になっており、地図アプリなどによれば、渋滞さえなければ小浜綾部線の方が早く到着できるようだ。

【大阪府】茨木摂津線
万博記念公園を周回する環状区間が特徴的

読み方:いばらきせっつせん
北東部区間
起点所在地:
茨木市大字車作(いばらきしおおあざくるまつくり)
起点交差点:
なし(府道46号とのT字路交差点)
終点所在地:
茨木市大字忍頂寺「忍頂寺(にんちょうじ)」
終点交差点:
府道1号(北部区間)との交差点
北部区間
起点所在地:
茨木市大字忍頂寺「忍頂寺(にんちょうじ)」
起点交差点:
忍頂寺
終点所在地:
茨木市彩都あさぎ(さいとあさぎ)
終点交差点:
彩都西駅前
南部区間
起点所在地:
茨木市彩都あさぎ
起点交差点名:
なし(名称不明の路線とのT字路交差点)
 終点所在地:摂津市千里丘(せっつしせんりおか)
 終点交差点:千里丘7丁目
総延長:23.2km

茨木市内に複数の起点があり、それらが合流しつつ南へと向かい、吹田市(すいたし)を抜けて摂津市まで至る茨木摂津線。1本の府道というよりは、複数の道路を合わせて茨木摂津線としたイメージである。なお大阪府も国道1号が通っているが、府道1号を欠番とはしなかったようだ。

茨木摂津線の特徴は、複数の道路を合わせたことをうかがわせる、いくつもの顔を持つこと。まず茨木市内の北東部区間では、幅員もあまりなくカーブの連続する山道。北部区間は一部を除けば比較的直線ではあるものの、こちらも幅員のない区間が長い。そして大阪モノレール彩都線に沿って走る南部区間は、片側2~3車線ずつの幹線道路だ。また南部区間内の吹田市では、万博記念公園を巡る一方通行の周回道路もある。周回道路は時計回りとなっており、一部2車線になる区間もあるが、基本的には3車線だ。このように区間ごとに異なる顔を持つのが茨木摂津線の特徴である。

【兵庫県】日高竹野線
かつては町同士だったが現在は豊岡市内の2地域をつなぐ

読み方:ひだかたけのせん
起点所在地:豊岡市日高町土居(ひだかちょうどい)
起点交差点名:
土居西
終点所在地:豊岡市竹野町竹野
終点交差点:竹野
総延長:32.7km

豊岡市の中央南寄りに位置する日高町土居から、同市の日本海に面した竹野町竹野までを結ぶ日高竹野線。実は日高竹野線は、少々特殊な路線だ。ひとつの市内に収まる路線の場合、一般的には市道となるはずだが、日高竹野線は県道となっているからだ。

その理由は、豊岡市の成り立ちにある。現在の豊岡市は、旧豊岡市、城崎町、日高町、竹野町、出石町、但東町の1市5町が2007年に合併して誕生したからだ。この合併が行われるまでは、日高竹野線は独立した日高町と竹野町を結ぶ県道だったのである。豊岡市内に収まったあとも市道に格下げとならなかったのは、兵庫県として代替えの利かない路線として、重要な県道という判断があったからだ。道路法的にいうと、都道府県道の6つある条件のうちのひとつである「地方開発のため特に必要な道路」を満たしていると判断されたからだ。

各都道府県における路線認定は、1952年の新道路法の施行以降に行われてきた。しかし長い時間が経ち、全国でも市町村の合併によってひとつの市内に収まってしまうケースも増えてきている。しかし日高竹野線と同じ理由で、重要な路線は都道府県道のままのものが多いようだ。

【奈良県】奈良生駒線
大阪へ向かう幹線道路の阪奈道路を構成する県道

読み方:ならいこません
起点所在地:奈良市大森町
起点交差点:
大森町
終点所在地:生駒市辻町(いこましつじまち)
終点交差点:辻IC
総延長:11.8km

奈良市大森町の大森町交差点から奈良市内を抜けて北西に進み、生駒市辻町の(第一)阪奈道路・辻ICまで続く奈良生駒線。阪奈道路とは、大阪と奈良を結ぶバイパスで、奈良生駒線の3分の2以上を占める。辻ICから北西区間は県道8号となっている。

奈良生駒線は国道との重複区間が2か所あり、東側は奈良市の三条大路2丁目交差点から二条大路南1丁目交差点まで。約300m弱とわずかだが、国道24号との重複区間となっている。そして西側が、秋篠川(あきしのがわ)を渡った尼ヶ辻橋西詰交差点(あまがつじばしにしづめこうさてん)から西の宝来IC(ほうらい)までの約1.7km。こちらは国道308号との重複区間だ。宝来ICで国道308号は分岐すると南側へ向かい、有料道路のE92第二阪奈道路となる。

また宝来ICから400mほど東側の阪奈宝来交差点から真南へは、奈良生駒線の支線が400mほど伸びており、第二阪奈道路とは別の一般道の国道308号に接続している。

【和歌山県】欠番
1号が欠番の正確な理由は不明

和歌山県は県道1号を欠番としている都県のひとつ。しかし、国道1号は同県を通っていないことから、混同を避けるために最初から欠番にしたということはないはずだ。和歌山県に確認してみたところ、長い時間が経っているため、どのような経緯で欠番としたのかは不明ということであった。

最初から欠番にする理由が見当たらないことから、当初は存在していた可能性が高いと考えられる。それが欠番になった理由は、いくつか考えられるだろう。まずは、東京都と同じケースの路線番号の変更。かつて存在していたかもしれない和歌山県道1号がもし隣県にまたがる路線だった場合、路線番号をそろえる必要があるため、変更した可能性があるだろう。また全区間が国道と重複することになったなど、ほかの路線との統廃合が行われた結果、県道1号が廃止となるようなこともあり得るようだ。路線番号はそう頻繁に変わるものではないが、長い時間のうちには変更や廃止によって欠番となることもあるのである。

都道府県道1~100号は、主要地方道に使用するという基本ルールがあるのは冒頭で既述した通り。その主要地方道は国土交通大臣の指定を受ける必要があり、重要な路線であることは間違いない。そのような重要な道路の第1号が、なぜ欠番になったのか。重要であるが故に国道に昇格したことも大いにあるだろうが、今では道路管理者ですら理由が不明であるというところに、想像をかき立てられるのである。


中日本編として、3地区10路線を紹介した。同じ府県道1号でも、どれひとつとて似ていないことを見てもらえたことだろう。どのような理由でそのルートが1号として選定されたのか、地元の府県道1号について、あれこれ想像してみるのも楽しいのではないだろうか。

【道路法第7条の都道府県に関する6つの条件】
1.市または人口5000人以上の町(以下、これらを「主要地」という)と、これらと密接な関係にある主要地、港湾法第2条第2項に規定する国際戦略港湾、国際拠点港湾、重要港湾、もしくは地方港湾、漁港漁場整備法第5条に規定する第2種漁港、第3種漁港もしくは飛行場(以下、これらを「主要港」という)、鉄道もしくは軌道の主要な停車場もしくは停留場(以下、これらを「主要停車場」という)または主要な観光地とを連絡する道路
2.主要港とこれと密接な関係にある主要な観光地とを連絡する道路
3.主要停車場とこれと密接な関係にある主要な観光地とを連絡する道路
4.ふたつ以上の市町村を経由する幹線で、これらの市町村とその沿線地方に密接な関係がある主要地、主要港または主要停車場とを連絡する道路
5.主要地、主要港、主要停車場または主要な観光地とこれらと密接な関係にある高速自動車国道、国道または前各号のいずれかに該当する都道府県道とを連絡する道路
6.前各号に掲げるもののほか、地方開発のため特に必要な道路

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